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ファッションショーは、正午丁度と夕方四時の二回やるそうです。
体育館の舞台 (壇上?)から中央まで、ショーのためのランウェイが作られています。これは流石に業者が入ったらしいですが、レッドカーペットや両脇にある造花、舞台に設置されている背景やらは生徒が作ったそうです。演劇部と手芸部の合作らしいですよ。
「今年のテーマは、童話らしいね」
「……シンデレラ、とかか?」
「かな?」
ファッションショーのプログラムの表紙には可愛いイラストが描かれています。
二つ折りの簡単なものですが、ちゃんとプログラムがあるって本格的ですね。
ワクワクしながら待っていれば、体育館の照明が暗くなり、アナウンスが入りました。
『只今より、手芸部によるファッションショーを開催いたします。今年のテーマは、童話。様々な物語の世界です』
短めのアナウンスが終われば、すぐに軽快な音楽が流れ出します。
「わっ可愛い!」
最初に出てきたのは、赤ずきんちゃんです。
頭には頭巾ではなく、赤いベレー帽。ちょっと薄めの赤いケープに、白のワンピースと編み上げブーツです。
現代風? いや、作った人の想像力と趣味、かな?
赤ずきん? ちゃんは音楽に合わせてランウェイをスキップしていきます。あ、スカート部分に刺繍がしてありますよ。銀色かな? キラキラしてます。
その後ろからは、オオカミ? っぽい人が現れました。
オオカミは少しだぼっとしたGジャンにシャツ、迷彩柄のサルエルパンツです。B系っていうやつですかね。
Gジャンにはオオカミだからでしょうか、毛皮が貼り付けられてます。部分的にモフモフがある。……あ、ふわふわしたイヤリングと腕輪もしてますね。
二人がランウェイから戻ってくる頃、舞台には三人のモデルさんが出てきていました。
「あれは……ウサギ、か?」
「えっと…あ、不思議の国のアリスだって。白ウサギ、ハートの女王、チェシャ猫、かな?」
アリスって童話だったっけ? とかは置いておきましょう。服が可愛ければ良しです。
白ウサギは定番の執事服ですね。
ただ襟や袖口、燕尾の部分が光沢のある生地だし、色も黒じゃない気がする。紫がかった黒? 紫紺色って言うんだっけ?
そして何故か半ズボン。執事なのに半ズボン。更にウサギの耳がついています。あ、回転したら尻尾が見えた。モデルさんが女の子だからとても可愛いです。
チェシャ猫は赤紫とピンクのボーダーのセーターです。襟ぐりが広くしてあるのか、片方の肩が見えています。ん? いや、わざとあの形に編んであるみたいです。
下は七分丈のレギンスかな。
女王様はスッゴい、『女王様』です。
マーメイドラインの、体にぴったりしたドレスです。
黒に赤がアクセントになっていて、妖艶です。……モデルさんも高校生だよね? プログラムには演劇部がモデルって書いてあるし……。色々な意味で衝撃です。
他にも、シンデレラやイバラ姫、人魚姫などの定番のお姫様が沢山。王子様も沢山。衣装は現代風なんだけど、ちゃんと王子様って解るのが凄い。
動物モチーフのものは、ハーメルンや桃太郎かな? ………童話?
「はぁ~……凄かったね~」
「晶子、口が開きっぱなしだったな」
「亮くん、それはすぐに指摘して欲しかったな」
ショーは三十分位でしたが、一瞬に感じてしまうほどでした。
明るくなった体育館で、改めてプログラムを見る。
木内君の作った物は……、やっぱり小物やレース中心ですね。名前が色々な所にあります。
「木内君は、何処へ向かって行くのかな?」
私達も高三です。進路的なものが気になりますね。
まぁそこら辺は追々……飯塚先輩に笑顔で連れていかれる未来しか想像出来ないけど、まぁ、うん。流石に強制はしないと思います。流石に、ねぇ?
午後はふらふらと、弓道部の的当てやバスケ部のフリースロー。料理研究会でクッキーにアイシングしたり、文芸部の部誌をはなちゃんへのお土産に買ったり。
楽しい文化祭を満喫できました。
「ああっ!」
「どうした晶子。忘れ物か?」
「木内君の女装……写真撮ってない……」
「………止めてやれ」
木内君の女装写真は、後日しなちゃんから貰いました。




