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3-3


私の意識を取り戻したとき、そこは暖かく白い空間にいた。清潔さを思わせるかのような真っ白な天井、周囲は白いカーテンで囲まれている。横たわっていた体を起きあげる。

全身に痛みが駆け抜ける。うぅ、と小さな声を漏らす。カーテンの衣擦れのような音以外は遮るものがなかった。布団の上にいることに気付いた、がここは明らかに家ではなかった。

ふと後ろを見るとナースコールのようなボタンがあったのでそれを押してみる。ピッっという音が一瞬鳴って、それで終わった。


ボタンを押してから二、三分後、カーテンが開けられ40代くらいのナースと思われる人が現れた。


「はい、起きましたか?気分はいかがですかー?」


「はい、あのえっと、大丈夫、です…」


「気分悪くなったらちゃんと言ってくださいねー、じゃあ先生呼んできますね。」


――


あの後私は先生の問診を受け、病室に戻された。何故病院にいたのかということや自分の体の状況なども詳しく聞いてもみた。

どうやら私は相当暴れていて近隣住民に迷惑をかけていたらしい。そしてその音が急に静かになったため不審に思った人が大家さんに通報したらしい。

そしてマスターキーで部屋を開けたらまるで強盗が入ったかのようなレベルで者が散乱している部屋を見た。そして台所付近で大量出血している私も発見され、救急通報を受けたとのことだ。

部屋のなかがどういう状況なのかは聞いていないが、相当悲惨な状況になっているのだろう。包丁で自分の足を切り刻んでいた際、内ももの動脈を切ってしまっていたらしく、もう少し発見が遅れたら死んでいた可能性があるとも言われた。


速やかな対応により私は生きながらえてしまった。いや、あの時の私がおかしかっただけで今はもう痛いことは全くしたくない。血液と共に異常な思考も流れ出てしまったのだろう。

自主的な瀉血治療と思えば大丈夫であるとも思えなくはない。いやそんなことはないか。あと今の右太ももは包帯でぐるぐる巻きにしてあり、まだ外さなくてよいとも言われた。

傷口を見てみたかった気もするがこればっかりは仕方ない。治ってから自分でひっそりと楽しんで見よう。


また全身の痛みは日常生活ではほとんど動かさないような筋肉を大量に使って発狂していたため筋肉痛が来ただけらしい。太もも以外に傷はほとんどなかった。

ここにはあと一日入院して、大体傷口がふさがったら退院となるらしい。そのため今日はゆっくり安静にしていてくれ、と言われた。大丈夫、動き回るほどの気力はない。

それどころか家に帰りたくない、発狂したままの部屋を掃除したくないので一週間くらいここにいさせてほしかった。まあ大学には最近全く行ってなかったから今更問題ない。




大丈夫、私は、大丈夫。私はまともだ。


――

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