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◇
「ルビー、またリアム様と話したの?」
「あ、うん。よく知ってるね」
「リアム様が楽しそうに話してたって噂になってるよ?」
「え! 本当に!?」
「うん」
クラリスは何度も縦に頷きながら瞳を輝かせた。
「見られてたんだあ……」
「そうみたいね。気をつけてね、ルビー」
「そうだよね……。でもリアム様にはまた会おうって言われちゃったんだよね」
「あらま。でもそこんとこ詳しく!」
「詳しく話すことでもないよー」
「またまた!」
こうなったクラリスは止められない。
私は箒を動かしつつ、クラリスの質問攻めに答えていった。
◇
「リアム様に近付かないでくださる?」
「え……」
まさかこんなに早くご注意を受けてしまうなんて思ってなかった。
でもご令嬢達は我慢ならなかったのだろう。顔と名前だけは知っている貴族令嬢達が数人で私を取り囲んだ。
「何をしている!」
「え……」
と思ったら、聞き覚えのある声。
リアム様ご本人の登場にその場がざわついた。
「リアム様!!」
ご令嬢達がきゃあと歓声をあげて、それから「あの、これは……」と青ざめはじめる。
「一人を大勢で囲んで何をしているんだ?」
「知った顔に久しぶりに会ったので、みんなで声をかけていただけですわ!」
「そうなのか? ルビー」
「いえ、あの……ソウデスネ……」
リアム様の背後に立っている令嬢にきつく睨まれて、私は目を泳がせた。
「あの……リアム様はルビーさんとどのようなご関係なのですか?」
令嬢の中から出張ってきた金髪碧眼の女性が上目遣いにリアム様に尋ねた。
「ルビーとは友人だ。何かそれに問題でも?」
「いえ……ですがリアム様が今まで特定の女性と親しくされていたことはなかったかと記憶しているのですが……」
「私が女性と仲良くしてはいけないのか?」
リアム様のキツい眼差しに令嬢が怯む。
「ま、まさか! そのようなことは……」
「ルビーに変なちょっかいは出さないでくれ」
「は、はい……」
不機嫌なリアム様は冷たく整いすぎた彫刻のようでぞくっとしてしまう。
それは令嬢達も同じだったようで、すっかり気圧されたように頷いている。
「ルビー、行こう」
「あ、はい……」
いきなり繋がれた手に驚いたけれど、なんとか返事の言葉を口にした。




