065 道中
アクセスありがとうございます。
いろいろなことを調べながら食事をして、ヒントをつかんだので、ゲームの中に戻ってすぐにセバスとメイに相談する。
宙賊を狩るバウンティハンターたちは、遮蔽物が多く隠れやすいアステロイドベルトを中心に探すそうだ。索敵をしながら、接敵した宙賊を狩っていくようだ。
数や船のサイズが分かった時点で、戦うか引くかを決め、勝てる状況で勝負するのが賢く強いハンターなんだとか。
ほかにも囮の船を使って、釣りと言われる戦法もある。
これに関しては、ある程度大きな集団でお金に余裕があったりする人たちが取る戦法だってさ。
俺のようなソロの船乗りは、リスクの管理として隠れる場所が多くすぐ逃げられる場所で探し、戦うのがセオリーだとか。
俺が調べなくてもセバスやメイは知っていただろうけど、俺は俺で調べないと本当に頼りっきりになってしまうからな。
コロニーへ寄って医療物資を卸した後は、拠点にするコロニーへ向かいながら宙域の情報を得て、戦いやすそうな場所を探すことになった。
俺が現実に戻っている間に荷物の積み込みが終わっており、すでに出発していた。ゲートは抜けており、もうすぐ荷物を卸すコロニーの近くだった。
先に相談をせずに、船の場所を確認するべきだったな……自分で調べたから、先に相談したかったんだよな。
荷物に関しては、事前に伝えられていた通り医療物資を積んでおり、今回は物を売るだけなのですぐに出発できるだろうとのことだ。
医療物資は時間の短縮も兼ねて、ギルドに卸すことになるので特に気にすることはないだろう。
セバスにすぐコロニーにつくと言われて慌てていたのだが、すでに準備も終わっており俺が慌てることは何もなかったようだ。
慌てた俺が馬鹿みたいだった。
準備が終わっており、セバスも分かっていたので、俺の話を優先してくれていたようだな。
特に問題もなく、コロニーで荷物を卸し終わる。一応この宙域の情報をギルドへもらいにいき、最近の情報を更新しておく。
進んだ世界でも情報のラグはあるので、宙賊を狩ろうと思うなら、最新の情報を手に入れておく必要がある。
「ん~、こんなに簡単に情報が手に入ると、宙賊も同じような情報をすぐに手に入れられるよな? その情報をもとに動くのって危なくないだろうか?」
疑問に思ったことを口に出していた。
「ご主人様、自分と宙賊を同じに考えてはいけませんよ。ご主人様と宙賊には大きな差があります。それが何かわかりますか?」
メイに質問され、しばし悩む。
「プレイヤーかそうではないか……ってわけじゃないよな?」
「プレイヤーにも宙賊はいますからね。そういった内面的なものではないですね」
内面的なものではない。プレイヤーでもそうでなくても、宙賊は宙賊ってことだから中は関係ない。
「俺と宙賊の違いは、犯罪者かそうでないかってことか?」
「そうですね。普通の犯罪者、捕まっていない宙賊はどう行動しますか?」
「隠れてこそこそ行動する?」
「そうですね、そういう人たちの移動手段は?」
「なるほどね、公の移動手段であるゲートは使えない。となると、宙域を移動するのにかなりの時間が必要になる。だから情報を得られたところで、自分たちの活動しているエリアのこと以外は、ほとんど無意味ってこと?」
「でも、それだと50点しかあげられません。もう1つ大きな要因がありますね。理由は宙賊という部分にかかっていますが、ゲートを使えないだけでは、時間をかければ移動できますので、多少情報が古くても活動は可能ですね」
時間をかければ移動できるから、活動は可能……ってことは、時間が関係しているってことだろ? ゲートを使えなければ、移動に時間がかかるのは分かるけど、それなら時間をかければ問題ないから、他に要素がある。
「もう一度、ご主人様と宙賊の違いを考えてみましょう。公の交通であるゲートを使えないことは前に話しました。宙賊が保有している船の話もしましたね。そこら辺を総合的に考えてみてください」
この問いは、学校で先生が生徒に教えるタイプの問いではないだろう。となれば、今話に出てきた、俺と宙賊の違い、ゲートが使えない、宙賊の船、というワードを中心に肉付けすれば、答えにたどり着けるってことか?
俺と宙賊の違いは、あっちは犯罪者だからゲートが使えない。
ゲートを使えないってことは、移動手段はショートジャンプを何度もして移動する。
宙賊の船っていえば、メンテナンスがあまりされていないとか、装備が流用品で火力が微妙とか、後は……あまり大きな船がない。大きくてもクラス5くらいまでしかないんだっけ?
他に何を肉付けすればいい?
外的要因は他に何がある? 俺と宙賊の違い、交易しているかそうでないかは……関係ないと思う。
公って言葉が何度も使われていることが少し気になる。公の交通……わざわざこんな言葉をつけなくても、ゲートという言葉だけで利用が難しいのは分かる。あえて言うことに何か意味があるのではないか?
公……公共の場……宙賊は犯罪者であり、指名手配をされているから、ゲートを使う時に送るデータですぐにバレてしまう。だから、ゲートは使いづらい。
そういえば宙賊って、補給するのが難しいし、鹵獲して船を使いたいから、あまりミサイルのような大きく破壊する武器は使わないんだっけ?
「補給……なるほどね。補給が難しいから、長距離の移動が困難ってことか」
「正解です。補給が難しくても長距離移動は可能ですからね。大型のクラス7以上の船があれば、無補給で宙賊船を収容して、長距離移動がある程度可能です。
他にも、点在する宙賊の拠点を把握できている宙賊たちであれば、お金次第で長距離移動が可能です」
なるほどね。大型船なら燃料次第では、長距離移動が可能か。大きな宙賊なら、船を襲いながら移動しても問題ないもんな。
「宙賊の拠点っていうけど、そんなにたくさんあるもんなの?」
「2つの宙域に1つあると思います。それが多いのか少ないのかは、人それぞれですね。ブラックマーケットの人間が、宙賊の拠点を作っているので、ブラックマーケットを中心とした宙域に、拠点がありますね」
ブラックマーケットって、犯罪集団のトップとか小さな犯罪国家の首領みたいな感じかな?
宙賊が知りにくいとはいえ、ギルドが宙域の情報を遠慮なく公開するのは、こういう理由があったんだな。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
ブクマや評価をしていただけると幸いです。
これからもよろしくお願いします。




