136 新しい訓練と模擬戦
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銃の射撃訓練は、思いのほか楽しかった。銃を撃っている快感とかではなく、銃で狙ったところに当たることが楽しかったのだ。FPSゲームで敵を倒した時のような、爽快な感覚だ。
光学銃はハンドガンのライセンスを取ってから、ライフルタイプのライセンスを取って、その次に取れるようになるらしい。
仮想空間で使う分には問題ないので訓練を行って、光学銃の初歩的なライセンスまではまとめて取ることができるので、一気に取れるように訓練するようだ。
とはいえ、初日からライフルを撃つことはなく、ハンドガンによる射撃訓練だけで終わった。それでも、楽しかった。まぁ、的が壊れるさまを見ると、人に向けて撃つ想像ができないな。
リアルで人に向かって銃を撃つことはありえないが、ゲームの中でもない気がしている。
ライセンスだけ取って、銃は携帯するだけになるような気がしている。戦闘用ボットのためのライセンス所持と言ってもいいかもしれないな。たまに訓練で撃つくらいが、俺にはちょうどいいと思う。
銃の訓練が終わると割り当てられた部屋に戻り、メイが準備してくれた動画を見ながらメイが解説してくれた。
1対1の戦闘であれば、敵の動きに対してどう牽制をして、目的の方向へ誘導しているか、あえて誘いに乗って行動する時の注意点、別方向へ逃げる時の注意点などを細かく説明してくれた。
戦闘時にそこまで細かく考えているわけではないと思うが、普段から意識して訓練しているので、ああいった動きができるようになる……など、そういった内容だな。
説明してもらって、何度か見返してやっと理解できる内容が多かった。基礎知識が足りていないから、座学を行っても頭に入ってくる情報が正確に処理できないのだ。
FPSゲームは、ただ撃ち合っているだけのゲームではない。特にチーム戦となれば碇石はある。1対1だったとしても、基本的な流れというモノがいくつか存在していて、その流れをいかに自分に引き寄せるかという事が大事になってくる。
自分のペースになれば勝率は上がる。上がるだけで必ず勝てるわけでもないのが、対人戦の面白い所でもある。
まだ始めたばかりのペーペーなので、これから覚えていけばいいだろう。
もっと踏み込んで話せば、RPG要素が強いのにFPSの要素も入っているから、FPSだけのゲームとは習熟度合いが変わってくる。
戦闘はほとんど行わずに、冒険だけとか発掘だけとか貿易だけとか、そういった人たちも結構いると聞いている。
そんな人たちでも、稼いだ金で船の装備を整えていれば、AIアシストを使うだけで野良の宙賊など簡単に倒せてしまう。対人戦は最悪逃げればいいから、逃げるのに特化した装備をさせておけばいいだけだしな。
ちなみに、ギャラクシーオンラインで一番金を持っているプレイヤーは、貿易を専門に行っているプレイヤーらしい。
船団を組んで宙賊を襲い、大型船でキメラ船を作って売り払う方が儲かるのでは? と思っていたが、戦闘だけだと当たり外れがあるし、維持するためのコストや人件費が結構大変なんだとか。
それは貿易をしているプレイヤーも変わらないのでは? と思うが貿易専門のそのプレイヤーは、大型船を複数隻所有しているし、戦闘用の小型・中型艦も腹に詰め込んでおり、近くに宙賊が出れば鹵獲をしてキメラ船を作ったりもするらしい。
貿易専門とは言っているが、やってることは武装商船みたいな感じやな。多分、ゲームの中でも仕事ができるタイプの職業な気がする。
何度か動画を見返した後は、もう一度射撃訓練を行ってみた。
まぁ、動画を見ただけで点数が良くなるわけでもないが、いつもと違い戦闘の流れを意識して射撃することはできたかな。
寝るにはまだちょっと早いが、いい時間になったので訓練を切り上げようとしたところ、セバスから提案があった。
「同性能の船を使った模擬戦をしてみませんか?」
対人戦のような模擬戦をしてみないかというお誘いを受けた。
明日も休みなので、時間的な問題は何もない。そして、セバスたちと模擬戦ができるとは思わなかった。実際の戦闘では、全てを任せるという事はできないが、模擬戦であればフルスペックのセバスを相手にできるらしい。
さすがに俺1人では、セバスの相手にならないので、メイが俺のサポートとして付いてきてくれるようだ。
戦闘をして振り返りを行い、また戦闘して振り返り……このループで、俺が疲れるか飽きるまで続けることになった。
本当の対人戦みたいに索敵から始まると、終わるまでに時間がかかるので遭遇戦という設定で、アステロイドベルトの中で戦うかたちだ。
何故、アステロイドベルトの中かというと、基本的に今戦場としているのがアステロイドベルトが中心だからだ。クラス5の船に乗り換えれば、話は変わってくるかもしれないが、今の主戦場がアステロイドベルトなので、そこでの遭遇戦という形だな。
これなら、戦闘が終わるまで大して時間はかからないので、何回も戦闘ができるといういいことだらけだ。
1戦目が始まる。
始まりに関しては、敵の船……セバスの船から、アクティブソナーを受けて居場所がバレたという設定だ。
戦闘距離までは30秒もなく、すぐにでも戦闘が始まる距離だ。逃げるにしても、反転してから加速してジャンプをする間に、余裕で追いつかれてしまうタイミングだな。
俺も正確な位置を掴むために、アクティブソナーが来た方向へ打ち返す。
あれ? 同じ性能の船なはずなのに、何故かソナーへの反応がない……
混乱している内に船の横っ腹に主砲が連射され、シールドが飽和し撃沈判定が出る。
ごめん、待って待って、意味が分からないんだけど!
アクティブソナーは、範囲を広めに打っているし、反撃もアクティブソナーの範囲から来たから、ソナーに映らないわけがないんだが!?
混乱しながらも、大きめの小惑星に隠れているのだと思っていた所に砲撃をくらって撃沈とか、マジで意味が分からんのだが?
工廠のシミュレーションルームに、隣の部屋からセバスの通信が入る。
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