100 大規模討伐直前
アクセスありがとうございます。
先輩方に聞いた医療物資の件は、正直にいってあまり情報がなかった。
もっといえば、同じ様な体験をした先輩もいるようなのだが、普段の祭りと何か違うことがあったわけでもないらしい。
考察スレでは、何かのフラグなのでは? なんて言われているが、検証も出来ないのでお蔵入りになっている話題のようだ。
終わったら、簡単でもいいから俺の主観でお祭りの流れを書き込んでほしいとお願いされた。
俺には何のメリットもないけど、色々教えてもらったのだから、流れを書き込むくらいは移動時間でも問題ないし、まとめたら書き込むかな。
流れを忘れても、俺にはメイとセバスが付いているので、問題なく思い出せるはずだ。
なんて考えていた時期が少しだけあった。
船に搭載されているAIでも、簡単な記録を文章に起こせるので、それを利用すれば簡単に書き込めるから、是非情報提供を! だとさ。
最後の書き込みは、情報考察スレから飛んできた住人のようだ。
名前もバレてるし、情報を書き込まないで見つかったら面倒なので、改めて書き込もうと決意した。忘れないように、メイとセバスにも覚えておいてもらう。
まだ時間があるので、ストレッチや戦闘訓練でもして時間を潰そう。
時間加速をしたままだと、確実に時間が余るので時間加速を切って、5分毎に状況を確認すれば問題ないだろう。
ゲーム内で30分毎の確認なので、重要な情報を見逃すと言うことはないだろう。
時間加速を切って20分で情報統制が開始され、それからリアルで50分後……ゲーム内で5時間後にブリーフィングが始まるようだ。
戦闘訓練、白兵戦の訓練をしたところで、俺が活躍するような場面は無いので、意味はないのだが、なんとなく強くなったような気分になれるので、ついつい訓練したくなるんだよな。
なんやかんやと時間を潰していると、ブリーフィングの時間になった。
『私は、航宙軍大佐のアマンダ・コフキンスだ』
コックピットの画面に映し出された軍服女性が、そう名乗った。
メイド服は可愛いけど、軍服はカッコいいな。
なんて、くだらないことを考えながら、アマンダ大佐の話を聞いていた。
『今回の討伐目標は、中規模宙賊の首領でスカルフェイスと名乗っている宙賊の捕縛だ。アジト内に潜伏していると思われるため、アジトへの直接攻撃は禁止する。
航宙軍でアジトの迎撃機能を無力化をする前に、アジトへ近付き過ぎると誤射や迎撃システムによって、宇宙の塵になる可能性があるため、宙賊の処理をする際には気を付けるように。
作戦の内容は、カルト大尉が行うので、傾聴するように』
くだらないことを考えていたら、途中の会話を聞き逃してしまったようだ。
『カルト大尉だ。戦術データリンクを起動する。事前に割り振られたコードでリンクするように。
これから作戦終了時まで、リンクを切断しないように。撃墜以外でのリンク切断は、故意で無かったとしても厳罰対象になるので、切断できないように設定しておくことをお勧めする』
メイに教わりながらだが、言われた通りに戦術データリンクへアクセスし、切断できないように設定する。
大規模討伐の流れは、事前に入手した情報と大差はない。あるとすれば、大規模討伐の作戦目標が宙賊の首領の捕縛ということくらいだな。それでも、捕縛が目的の大規模討伐もあるようなので、特におかしなところはなさそうだ。
そういえば、情報統制されている上に、戦術データリンクに接続している場合、ゲーム内の通信は一切不可能になるようだ。ゲーム内からゲームの外へアクセスすることも不可能になった。
戦術データリンク内で通信を行うか、ログアウトしてゲームの外でやり取りすることならできるが、それ以外は一切できなくなっている。
知り合いがいれば、戦術データリンクを通して会話をできるが、検閲対象なので冗談でも迂闊なことは話さない方がいいみたいだ。
セバスに言われて、司令部に通信を入れる。
「こちらコールサイン、ゼータスリー。クオーターヘッド、応答願います」
『こちらクォーターヘッドオペレーター、A24です。ゼータスリー、どうしましたか?』
「ゼータスリーよりクォーターヘッド、シールドセルの予備を補給したい。補給方法の指示を願う」
『クォーターヘッドよりゼータスリー、補給したいシールドセルの個数を申請してください。戦闘後に清算を行います。以上』
オペレーターの指示通りシールドセルの申請を行うと、すぐに運ばれてきた。
俺は、無線のルール等には詳しくないが、確か会話の終わりに「どうぞ」とか言っていた気がするんだよな。
戦術データリンクで繋がっている際は、本部からの通信以外は基本的にクローズドで、対象の間でしか会話ができない。司令部は全て聞いている状態だけどね。
プッシュトゥートークではなく、電話のように回線が繋がっている状態なので「どうぞ」といった、終わりの言葉は必要ないそうだ。会話の最後に以上を付ければ、通信が終わったことになるようだ。
コールサインでいえば、俺たちのコールサインはギリシャ語に英語の数字で、司令部のコールサインは何で英語なのやら?
これには解りやすい理由があった。
軍と民間が入り交じる戦場では、双方が聞き間違えないように、軍は英語、民間はギリシャ語で始まるコールサインを付けるのが決まりなんだとさ。
軍のコールサインは、エービーシーのような英語一文字ではなく、ギリシャ語と間違わないような、人物名が使われるそうだ。
例外として、司令部のクォーターヘッドや、各分隊の隊長は数字でなく、○○ヘッドと付けるのだそうだ。
色んな設定が組まれてるんだな。恐らくだけど、このゲームの根幹を作ったのが日本だということもあり、日本人に解りやすい設定にしたんだろうな。
他の国の利用者も多いから、恐らくだけどいろんな所から文句が出ていそうだ。
戦術データリンクを見ていて気付いたのだが、司令部が置かれている旗艦を中心に、何処に誰がいるというのが3Dでわかるようになっていた。
司令部から指示が出る際は、旗艦を中心とした座標で指示が出るようだな。
長距離砲撃の射線も、この3Dに表示されるようなので、入らないようにしないとな。
撃破に関しては、オペレーターのアンドロイドが行っており、戦闘終了後に戦闘記録を提出し、整合性を確認して報酬が支払われるそうだ。
色々と確認していると、作戦開始時間がもうすぐだった。
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