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我が戦友 -北欧神話ロキの物語-  作者: Romina


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12/15

ラグナロク

ギャラルホルンの音が

神の王国に響いた。


その音は空を震わせ、

海を揺らし、

世界の果てまで走った。



アースガルズの門が開いた。


神々は武器を取り、

静かに外へ歩き出した。



門の外には

ヴィーグリーズの平原が広がっていた。


やがて、

地平線を取り囲むほどの

黒い軍勢が見える。




岩のような身体を持つ者たちが

大地を踏み鳴らしながら突き進んできた。


突然、巨人の軍勢が

左右に割れた。



その奥から

巨大な狼が姿を現した。



その顎は、あまりにも大きく

空と地の間まで裂けていた。


狼は止まらなかった。




神の王、オーディン は

槍を構えた。


次の瞬間、

王の姿は狼の顎の中にあった。




「王、オーディンが飲まれた!」


神々は叫び、

巨人の歓声が聞こえる。




巨人軍は止まらず、大地を震わせながら

神軍に激突して行き、

ヴィーグリーズの平原は

突然に戦場と化した。


巨人は岩を打ち壊し、

こん棒を振り回し

神軍を叩き潰していった。





戦場の海が

突然盛り上がった。


黒い水柱が天へと伸びる。



次の瞬間、

海の底から巨大な蛇が姿を現した。


その身体は

地平線を一周するほどに長く、

空気には毒の霧が漂っていた。



トールは

それを見て笑った。


「やっと出てきやがったか。」


ミョルニルを握りしめ、

ただ一人、蛇へ向かって歩き出す。



蛇は鎌首をもたげた。



トールは跳び上がり、

ミョルニルを振り下ろした。


雷鳴が大地を裂く。



ヨルムンガンドの頭蓋が砕け、

巨大な身体が地面に崩れ落ちた。



しかしその瞬間、

蛇の口から毒が噴き出した。


トールはそれを大きく浴び、

彼は蛇を見下ろした。


そして九歩、歩いた。


九歩目で

雷神は倒れた。






平原の向こうで

炎が立ち上った。


巨人の軍勢の奥から

一人の影が歩み出る。


その手には

燃え盛る剣。


炎の巨人の王、

スルトだった。



その前に

一人の神が立った。


彼はフレイ。

フレイは武器を持っていなかった。


かつて恋のために

魔法の剣を手放していたからだ。


それでも

フレイは一歩も退かなかった。


炎の巨人は

ゆっくりと剣を振り上げた。



平原が赤く染まる。

フレイは巨人へ飛び込む。


二つの影がぶつかり合った。



次の瞬間、

炎の剣が振り下ろされた。



神の身体が

静かに崩れ落ちる。



スルトは振り返り、

燃える剣を掲げた。


炎が轟音をあげ、

平原の焼ける匂いが鼻をつく。


炎は空へと広がり、

戦場を飲み込んでいった。




巨人たちは咆哮を上げ、

戦場へなだれ込む。



山が崩れ、

海が唸り、

空が裂けた。


炎が雲を焼き、

大地は割れていた。



もはや戦いではなかった。

世界そのものが

壊れ始めていた。





その時__

海が唸った。


波の間から

黒い船が姿を現した。


死者の爪で組まれた船、

ナグルファル。


その甲板には

無数の死者の軍勢。


そして舵を握る男がいた。


ロキだった。


「ずいぶん派手にやってるじゃないか。」




彼は崩れゆく戦場を見渡し、

小さく笑った。




その戦場の端。 



氷の裂けた大地から

一人の怪物が歩き出した。



誰かが言った。


「……誰だ、あれは」



神でも巨人でもない。


ただ、戦場を横切っていく。



ロキは振り向いた。


そして一瞬、目を見張った。



「……よお、ヴェトル。」


すぐにニヤリと笑う。


「くたばったかと思ったぜ。」


遠くで巨人の咆哮が上がり、

大地が震えた。


「まだやり残したことがあるからな。」


ヴェトルは剣を払い、静かに言った。





すると二人の元に

突然、神兵が突進してきた。


ヴェトルの剣が一度だけ動く。

神兵はその場に崩れた。


「相変わらず早いな」


ロキが笑う。


次の瞬間、ロキは敵の足を払った。


倒れた神兵の背に

ヴェトルの剣が落ちる。


「お前は雑だ」


「効率って言え」


ロキは眉をあげた。




足元の地面は大きく割れ、

辺りにはすぐそこまで

炎が迫ってきていた。




神兵が三人、同時に斬りかかる。


ヴェトルが一人を斬る。


ロキがもう一人を蹴り飛ばす。



「…凍ってた割によく動くな。」


「お前に起こされたからな。」


ヴェトルは最後の一人を突いた。











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― 新着の感想 ―
ついに訪れた終末の日。神々と巨人が激突し、オーディンやトールといった偉大な神々が次々と倒れていく凄絶な光景に、息を呑む思いで読み進めました。 世界が崩壊し、炎と毒に包まれる絶望的な戦場。その中で再会…
罪人に身を落としてからの活躍はアツいですね!
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