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第1話︰目が覚めたら空だった件

目が覚めた。


青空だった。


いや違う。


青空しかなかった。


「……は?」


状況を理解するより先に、俺は気づいた。


体が落ちている。


「いやいやいやいや!?」


風が顔面を殴る。

呼吸ができない。


下を見る。


地面、遠すぎる。


「終わったわこれ」


数秒後。


俺は地面に激突して、


普通に死んだ。


――


「ハッ!?」


目が覚めた。


青空だった。


「……あれ?」


嫌な予感しかしない。


そして落ちる。


「ですよねーーー!!」


死んだ。


――


三回目。


「はい理解しました」


落ちながら言う。


「これループです」


そして普通に死ぬ。


――


四回目。


「ゲーム開始ってことね?」


手足を広げる。


「お、ちょっと安定」


調子に乗る。


回転する。


死ぬ。


「はいはい」


――


五回目。


「回らない、偉い」


冷静に姿勢キープ。


「よし、これはいける」


地面。


「いけませんでした」


死んだ。


――


七回目。


「助けてー!」


誰も上を見ない。


「現代人、空に興味なさすぎだろ」


死んだ。


――


十回目。


「水ならワンチャンあるだろ!」


池にダイブ。


「痛っ!?」


思ったより硬い。


死んだ。


――


二十回目。


「これ死にゲーだわ」


完全に理解。


「じゃあ攻略するしかねえな」


死んだ。


――


三十回目。


「風読めるようになってきた」


鳥と並走する。


「俺、空の住人では?」


次の瞬間。


「違いました」


死んだ。


――


五十回目。


「ネットだ!!」


工事現場発見。


突っ込む。


バウンド。


外に飛ぶ。


死ぬ。


「惜しいのが一番腹立つ」


――


七十回目。


「勝てる」


確信する。


慢心する。


死ぬ。


「知ってた」


――


九十九回目。


「完璧だ」


すべてが噛み合う。


着地。


足首ぐねる。


転ぶ。


頭打つ。


死ぬ。


「ふざけんなよマジで」


――


百回目。


キレていた。


でも冷静だった。


落ちる。


読む。


合わせる。


決める。


着地。


成功。


「やったああああああ!!」


その瞬間。


世界が止まった。


――


百一回目。


空中で止まる。


「……は?」


声が響く。


『条件達成』


『スキルを付与します』


「遅えよ」


『《安全着地》』


景色が変わる。


下は草原。


ふわりと落ちる。


無傷。


「……立ってる?」


遠くから声。


「勇者様だー!!」


俺は空を見上げた。


「もっと早くくれよそれ」

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