プロローグ
新作を思いついたので書いてみました。
「・・・・・・ここ、どこ?」
気がついたら真っ白な空間にいた。
『目が覚めましたね、冒険者アラン・スフィス、英雄になり損ねた男』
「へっ!?」
姿は見えないが声だけは聞こえる。
『貴方は本来、英雄となり地位も名誉も金も全て手に入れて後世まで語り継がれる存在になる筈だったのです。しかし、人々の悪意が邪魔をして貴方は道を外されてしまったのです』
「俺が・・・・・・、英雄だって?」
確かに俺は英雄はともかく名前を後世に残したかった。
それは俺だけじゃなくてこの世界の若者全員が思う事で、てっとり早いのが『冒険者』だった。
実際、15歳で冒険者になってからFランクから順調に上がっていきSランク目前まで来れた。
でも、それは俺の力だけじゃなくて一緒に活動していた幼馴染み達のお陰でもある。
戦士の『ユーヤ・ガナン』、魔法使いの『ナオ・ファント』、賢者の『ティファ・エニール』、この3人とパーティーを組み活動していた。
でも、ある日を境に俺の人生は転がる様に落ちていった。
きっかけは他パーティーとの合同クエストの時だ。
モンスターと戦っている時に俺は矢に当たった。
しかも、その矢には毒が塗られていて『能力を半分以下に落とす』作用までついていた。
今までリーダーとしてパーティーを引っ張っていたが一気に俺はお荷物となってしまい最終的にはパーティーからも所属ギルドからも追放された。
『貴方が道を外すきっかけになった事件が悪意によって仕組まれた事だとしたらどうしますか?』
「はぁ? 誰かが俺を陥れようとしたのか?」
「えぇ、その通りです。」
俺は知らない内に誰かに恨みを買っていたのか?
『主犯はギルドマスター、将来有望な貴方を見て自分の地位が危うい、と思い他パーティーに貴方を襲う様に命令していたのです』
マジか・・・・・・。
信頼出来る人だと思っていたのに・・・・・・。
『そこで貴方に2つのプランを提案します』
プラン?
『今までの記憶を持ちつつ貴方の人生の分岐点まで時を巻き戻します。そこで本来歩む筈だった波瀾万丈な英雄になる道か、それとも平穏無事な村人になる道か、です』
また両極端な道だな。
「英雄目指したらまた邪魔する奴が現れるんじゃないか?」
『大丈夫です。チート能力を授けますので。英雄になればハーレムも作れますし勝ち組ですよ』
急に下世話な話題をしてきたな。
「村人だったらどうなるんだ?」
『山もなく谷もなく平穏な人生が歩みます。それなりに幸せな人生を過ごせます』
そうか・・・・・・。
「じゃあ村人で」
『いいんですか?』
「良いんだ。英雄とかどうでも良い。人間、平穏無事が一番なんだよ」
『わかりました。それでは15歳まで時を戻します。良い人生を送ってください』
その言葉と共に俺は意識を失った。




