44話 史の研究
大和が何かを考え込んでいた局長室に史が入ってきた
「出来たのか?」
資料から視線を移した大和に史が答える
「出来たよ、妖魔人の遺伝子の分析と普通の人への転写が可能かの確認だね。
とりあえず遺伝子は規則性が確認出来たよ、
解った事は妖魔人は人の遺伝配列から逸脱している事だね、陽と陰は一卵性の双子なんだけど遺伝配列は全く違うものだね。
それでも人と比べて別の規則性が解析出来たよ、
次に人への転写だけど理論的には可能だね、最も適性の問題があるから誰でも出来る訳じゃない、今のところ可能なのは局長とあたし、あと菖蒲さん位だね。」
「理解した、
早速手配してくれ。」
「本当に良いの?
成功しても現時点では戻せないし、
失敗するかもだけど。」
史の問いに大和は頷く
「構わん、やれ
我々は強くなる必要があるのだからな。」
「……………解ったよ、
でも陽と陰が戻ってからだね、純粋な妖魔人が居れば少しはましだろうからね。」
「そうだな、史下がってくれ。」
大和に言われて史が部屋を退出すると大和は椅子に座って呟く
「私は強くならねばならない、新たな世界を紡ぐ為に、
例えカインの持つ記憶を引き継いだ転生の能力を失ったとしても。」
「そうか、それが君の答えなんだね。」
突然現れた10歳位の男の子に動じる事なく大和は返す
「そうだ、私の世界にはお前の席も用意してある。」
「ありがとう、
でも自分の居場所は自分で獲得してこそ意味があると僕は思うんだ、
だから彼等の下に行っても良いかな?」
「ふふっ、
面白い奴だ、人外の癖にそこらの政治家よりも人間らしい。
良いだろう、好きにしろ。」
ありがとうと残して男の子は消え去った
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
京都にて
「面倒だな。」
「兄様、こいつらにはネクロマンシー(死霊術)が効きません。」
2人は2体のゾンビに行く手を阻まれた
それらはゾンビらしくなく(ゾンビらしいとは何なのか解らないが)統制の取れた動きをしていた
「知性の無いゾンビらしく無い…
陰、切るな!
こいつらは人だ。」
「兄様、どういう事ですか?」
陰に素早く説明する
「幻術だ、互いに幻術で相手を化け物だと誤認させられているんだ。
陰に支配出来ない死体は無いからな。」
「では彼等は?」
「そうだな、幻術を解くか。」
そうして陽は手を鳴らして4人にかけられた幻術を解く
そして陽はきょとんとしている2人に声をかける
「宇迦之御魂に鈴音、久しぶりだな。」




