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鍛練期②

スポーツにおいて一つ上の段階に昇るために来る鍛練期というものは、見方によってはスランプに見えたりもするし、現役を終わってしまうかも知れないほどの出来事が起きたりする!


そのスランプや出来事を乗り越えられる選手もいれば逃げてまた、つぎに持ち越す選手もいる!


乗り越えずに逃げた選手が悪いわけでもなく今は仕切り直して来いということ!


選手一人一人の競技人生に対しての課題があり、それがその後の人生にも関わって来る!


男は、大きな課題に直面しているチームに携わっていた!


リーグ初優勝を決めた女子チームである!


残りは秋の全国大会2つ!


毎年やって来る山場である!


三年連続でこの山場を乗り越えてきた!


今年もどんな山場になるか楽しみな男だったが秋前に

リーグ優勝した反動は出ていた!


疲労の抜けていない選手!

体の痛みが出ている選手!

メンタルが落ちている選手!


症状は様々だがコンディションを教える日が増えていた!


選手たちも男の顔を見れば「コンディションでお願いします」が口癖になっていた!


この夏を乗り越えてきた日程を考えれば無理もないと思った!


トレーニングの時も走る距離を少し縮めて下さい!とキャプテンから要望が出ていた!


去年もラスト1ヶ月はトレーニングの強度はかなり下げていた!


今年も同じ感覚で大会まで体を作っていった!


今年のチームは正直バランスの整った良いチームであった!


男はこのチームが全国に行けば、どれだけ通用するか胸がワクワクする感覚があった!


最初の全国大会予選!


2回戦で優勝候補とあたった!


かなり良い勝負をしたが敗退!


また、いつものパターン最後の全国大会予選にかける!


男は大会前に選手たちに伝えた!


「あなたたちは今までのチームの中で一番バランスが良いです!だから全国大会まで2ヶ月!

この予選を勝ってまだまだトレーニングを一緒にしましょう!」


選手たちは元気な声で「はい!」と応えてくれた!


そして2回戦で、またあの優勝候補との対戦が待ったいた!


この優勝候補のチームは全国に行っても上位を目指せるチームであった!


だが男は自分のチームを信じた!


いつかは乗り越えないといけない壁!


やって来たことに間違いはない!


試合当日、男は拓也のところにトレーニングに行く予定が入っていた!


なので例年通り試合の結果待ちになった!


初戦は危なげなく勝ち上がり2回戦に全てをかける!


男は拓也のところに向かう車中で気持ちが落ち着かず携帯でいろんなところに検索をかけて結果を知ろうとした!


連休の中日なのか対向車線は渋滞していた!


男が対向車の渋滞に気を取られているときにメールが入ってきた!


別チームの親から全国を決めたメールが届いた!


反対のパートから勝ち上がって全国を決めた報告を受けた!


男は自分のチームはどうなったかを聞いた!



帰って来たメールに「良く頑張っていたけど相手の圧倒的な強さに完敗でしたね!私たちのチームも決勝で大差で負けました」


「ありがとうございます!そしておめでとうございます!」と送り返し男は携帯を置いた!


少し放心状態が続いた!


そして怒濤のように涙が止まらなくなった!


何度も何が悪かったのか心に問うた!


今までで一番、男の話を聞いてくれたチームだった!


コンディションもしっかり覚えてくれた!


言ったこと伝えたことは全てやってくれたのに勝たせてあげれなかった!


涙が止まらなかった!

前が見にくくなってアクセルが強く踏めなかった!


渋滞の対向車は泣きながら運転している男を見て変に思っただろう!


とてつもない敗北感!


どんなにやっても乗り換えられない壁に男は今にもうづくまりそうになりながら反省を3秒を何回も繰り返した!


拓也のジムに着く寸前で何事もなかったかのような顔を作り!拓也に気付かれないようにトレーニングがはじまった!


トレーニングコーチというものは無情にも過去の出来事に感傷されずに仕事をこなしていかなければならない!


負けた敗北感に浸ることは出来ない!


次の勝利を考えて突き進まなければいけない!


拓也とのトレーニング!練習!食事&ミーティングをすませ拓也の晴れ晴れとした笑顔に元気をもらい帰路についた!


帰りの車中やはり胸に押し寄せてくる無念の思い!


この思いは潜在意識からのデトックスだとわかっていても涙が止まらなかった!


男は涙を流しながら笑顔で「面白いことが起きたぞ!」「ツイてる!ツイてる!」と連呼した!


心でこんなことをしてどうなるんだ!と叫びながら言い続けた!


拓也の所から二時間近くかかる道のりを言い続けた!


そうすると途中からある思いが浮かんできた!


思えば死にかけた命が2度のチャンスで生かされた!


目の前のことを一生懸命やり続け、動かないと言われたこの体で学歴も特別な資格も何もない男が、いつの間にか全国大会に出場するチームに関わったり日本チャンピオンや全国大会優勝などに携わったり奇跡みたいなことがたくさん起こった!


でもその奇跡みたいな出来事の手前で必ずピンチみたいな出来事がやって来る!


今回も必ず乗り越えられる!


今回もまた言霊の力で少し前に進めた!


数日後、三年生たちが挨拶に来た!


「こんな結果になってすみませんでした!」


三年生はこの後に男のトレーニングを続けるか会議があることを知っていた!


「いつもやりたがらないコンディションを熱心に教えてくれてありがとうございました!

いつもためになる話もありがとうございました!

こんな結果になってほんとに申し訳ありませんでした!」


と言った時のキャプテンの目は潤んでいた!


男は言った!

「こういう結果になったけど、やっぱりあなたたちは最高でした!

もうこの2日間で涙は出尽くしたので笑顔で終わろうね!

いつも言うことがあります!

この経験があったから今の幸せがある!

あの敗北があったから今の成功があるって思えるときが必ず来るから!

その笑顔でこれからもよろしくね!

ほんとにあなたたちには心から感謝してます!」


三年生


「私たちも感謝してます!」


その次のトレーニングの日に監督から長文でメールが届いた!


今回の敗戦は最後まで走れなかったこと!

メンタルが弱かったこと!

いろんなことが書かれていた!

そして最後に「その弱さを克服するためにこれからもよろしくお願いします!」


首の皮0.1ミリつながった!


男は空を見上げ、「まだまだお役目はありそうですね!」っと呟きまだまだ続く鍛練期に戦いを挑む決意をした!


つづく!











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