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全て必要な出来事

笑顔と言葉を武器に今年の夏にどんなドラマが起こるか!!


この年代はいろんなことがあった。


年末に70キロの山道を一晩かけて歩ききるという体の鍛練にもならないメンタルを鍛えるだけの行事がある。


選手たちは、その日が近づくにつれテンションは低くなる!


男も選手たちに絶対参加してください!としつこく言われるので参加して二年目になるが70キロの山道の苛酷さと長い時間歩いたり走ったり出来ない体だということは自分が一番よくわかっているので選手たちと同様テンションは低くなる!


当日、低いテンションはバレないように笑顔でごまかす!


5つのグループに別れて一班ずつ時間をずらして出発していく。

男は先頭グループで出発した。


そのグループにはチームの主力になるであろう選手たちが数名いた!


出発してすぐ一人の選手が吐き気がすると体調不良を言い出した。


数日間嘔吐下痢症だったらしい。


出発していきなりグループ内は泣き言ムード全開である!


あまりにも体調が悪いとうるさいので男は言った!


「あなたが調子が悪いのはわかった!いつリタイヤしてもいいから、その気持ち悪い!という言葉を心は気持ち悪くていいから、気持ちいいって言おう!あなたのマイナスな言葉が回りまで巻き込んで雰囲気が悪くなる!」



選手はぶつぶつ不平不満を言いながら、また、吐き気がしたときに気持ち悪いっという言葉を


「気持ちいい!」という言葉になげやりに言ってみた!


言った本人がぷっーと笑いがでた!


そのあと選手は気分が悪くなる度に「気持ちいい!」と呟いていた!


一人大人しくなった。


今度は違う選手が質問してきた!


「絶好調って言ってたらほんとに絶好調になれるんですか!?」



「なれるよ!言い続ける覚悟さえできればね!」


選手


「じゃやってみます!」


この選手が今夏この年代で最高の選手になる!


テンションの低かった男だが選手たちといつもと違う環境でコミュニケーションがとれることでテンションはだいぶ上がっていた!!


20キロ地点、最初の休憩所にたどり着いたとき、病み上がりの体調不良の選手がハイテンションでやって来た!


「なんかずーっと気持ちいいって言ってたらほんとに気持ち良くなっちゃいました~!」

病は気から!男はちょっとあきれた顔で選手に「良かったね!あなたは言葉で病気を克服したスゴい人です!」と言って選手を誉め称えた!


その病み上がりの選手を先頭に最初の山に向かった!


ここからのグループの言霊は「絶好調」になっていた。


今度は一転いい雰囲気で山に突入した!


来年の夏への意気込みを語らいながら月明かりと懐中電灯の光で進んでいった!


氷点下の寒さだったが星空は素晴らしく綺麗だった!


そんないい雰囲気の中いきなり目の前を歩いていた選手が消えた!


2メートルくらいの深さの側溝に落ちていた!


みんなで引き上げて大丈夫かと声をかけた!

その選手は現役の終わった選手で現役時代は一番に男のトレーニングを実践してくれた選手だった!


何故か誰も参加しない現役引退選手の中で唯一参加した選手だった!


その選手は長い沈黙のあと呟いた!

服はびちょびちょである!

足は完璧に捻挫であろう動きをしている!


そんな中で出た言葉は

「絶好調!」


男はあきれるというより引率者として


「お前、完璧にヤバいやろ!前向きと無謀は違うぞ!」


選手


「大丈夫!絶好調です!」と言って片足をかばいながら歩き出した!


男は救護班の車が来たらすぐ報告するからな!と告げ山道を歩みだした!


側溝に落ちてびちょびちょになった服は氷点下の気温のなかでいつの間にか凍っていた!


それを見てみんなで大爆笑になった!


日頃と違う環境でハプニング続出になってくると何が起きても笑えてくるらしい!


救護班の車が通った!

男は怪我人がいることと側溝に落ちた話を指導者に告げた!


指導者は側溝に落ちた選手に


「大丈夫か!リタイヤするか!?」


選手


「大丈夫です!」


指導者


「よし!がんばれー」


さすがスポーツ学校!心配は要らなかった!

二つ山を越えたくらいで男の足は限界に近づいていた。


だんだん選手たちから遅れだし、何度か選手たちが立ち止まって待っていてくれていたが選手たちに必ず完走するから先に行ってくれと告げた!


その後、後続のグループに絶対完走してくださいよ!と励まされながら約6時間の一人旅が始まった!


この時が一番のメンタルトレーニング!


一歩ずつリズムよく「ツイてる!」という言葉を連呼しながら果てしない道のりを歩く!

途中、何でこんなことに参加したんだろうとかリタイヤしようとかいろんな思いが駆け巡る!


速度の落ちた足は痛みも通り越してツリ出していた!


休んでは歩き座っては歩きストレッチしては歩き最後の一キロに差し掛かった頃、故障者とリタイヤ組がラスト一キロだけは歩くということで一緒に歩いた!


校門の前で白いゴールテープとみんなが出迎えてくれた!


おもしろいもので、あれだけ心が折れていてもこの光景を見た一瞬で参加してよかったと思える!


病み上がりで調子が悪かった選手、足を挫いた選手、前向きな言葉でやってみますと言ってくれた選手、みんなが笑顔で迎えてくれた!


みんな最後の一キロは「絶好調」と連呼しながらゴールしました!と言ってくれた。


選手たちに俺もずーっとプラスな言葉を連呼しながら歩いた!と言って選手たちにハグをしてまわった!



とりあえず年末最後のメンタルトレーニングは終了である!


始まる前と終わった後で選手たちとの距離が縮まった!


この世に起こる出来事にムダな必要のないことは一つも起きないと改めて思う男であった!!


つづく!!


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