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亡国の公子と金と銀の姫君  作者: あぐにゅん
第3章 亡国の公子
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間話 セシルの不満

なんとなく、書いて見ました。最後は可愛いです。

私、怒っています。


実は昨日、フロイセン公爵家のアイシャ様より「シン様が騎士科で剣術講師をしていらっしゃるのですね」と言われました。アイシャ様は、当然私が知っているものだと思って、話してくれたみたいですが、聞いてません。しかも既に講師を初めてから、一週間がたつと言います。全く聞いてません。どういう経緯で何故シン様が講師をされているのかなど、全然、聞いてません。


これは一体どういう事なのでしょう?


シン様は私が王立学院に通っている事をご存じないのかしら、それはあり得ないわ。確かにシン様にはお伝えしたもの。ならなんで私に会いに来て下さらないのでしょうか?確かに私は普通科の生徒ですので、騎士科の講師であるシン様とお会いする機会はないのかもしれません。でも建物は目と鼻の先ですし、アイシャ様から聞いてからは、騎士科の教室の周囲をわざわざ遠回りしながら、歩いたりもしたのに、全然すれ違う機会もないなんて。シン様は私が王族であることを気にされますから、自分から話かけずらいのかもしれない。そう思ってわざわざ声が駆けやすいように遠回りまでしたのに、よりにもよって、アイシャ様の兄であるケビン様に見つかって話かけられて。私が用があるのはあなたじゃないのと何度声がでそうになった事か。


そもそもシン様は私になんか、あまり興味がないんじゃないかしら。


バルコニーでダンスをしたときは、精一杯の気持ちは伝えました。シン様も優しくしてくださった。なのに今だ会いに来てくれないなんで。この前、フィアナと夕食を共にしたときには、フィアナはプレゼントを贈られるような方がいて、すごく幸せそうだった。羨ましい。私が今一番気になるお方は、同じ場所にいるのに声もかけてくれないのだ。


「んっ、そこにいるのセシルか?」


ふふふっ、何だかシン様が声をかけてきたような幻聴が聞こえる。私、相当に病んでいるのかしら。


「おーい、セシル、セシルさーん」


今度は目の前でシン様が手を振っている幻覚まで見えてきた。危ないわ、これは重症よ。


「うーん、ていっ」


「あいたっ」


そして今度は幻覚が手刀まで繰り出してきた…んっ痛い??


「ようやく目の焦点が合ったみたいだな。セシル、悪かったな、会いに来るのが遅くなって。もう少し早く会いにきたかったんだけど、騎士科の生徒が中々離してくれなくてね。漸く空き時間を見つけてきたんだ」


シン様はそう言って、申し訳なさそうに謝ってくる。


シン様、私怒ってるんです。だからそんな謝ったって、許してあげません。ええ、許してあげませんとも。シン様とは暫く口もきいてあげないんだから。


でも行動と言動は素直で、


「全然問題ありませんわ、私はこうしてシン様にお会いできただけで幸せですから」


そう言って、セシルは満面の笑みを浮かべてシンに抱きついた。

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