テキパキといきたいのです
人混みに取り残されたプレナは、去っていくユークの後ろ姿を思いだすと、諦めたように溜め息を吐いた。
付き合いはまだ浅いけれど、あのヒトがどういうヒトなのか、分かってきた気がするわ・・・。
「仕方ない・・・。」
まずは昼食。入り口の近くにあった喫茶店に足を運ぶ。
あそこで軽く済ませて、後は・・・先代へのお土産を買って・・・本でも買いましょうか。そんなに働いたわけじゃないけど、頑張った私へのご褒美に。
歩きながら頭の中で予定を立て、喫茶店のドアを開けた瞬間、顔が僅かに歪んだ。
「いらっしゃいませ。」
思ったより混んでいる。時間をずらすべきだったかしら・・・と言っても、もう入店してしまったのだから、引き返せないのだけれど。
「窓際の席をお願いします。」
「かしこまりました。」
人が多い地帯に近づきたくない。出口に近いところで、さっさと食べてさっさと出る。これしかない。
「ブラックコーヒーとサンドイッチを。」
メニューを見て即決。
客が早く出ていくことは、店にとってもメリットである。
だから、一人の客が食べてすぐ出ることは何ら不自然ではない。
なんて言い訳を頭の中でする。
「かしこまりました。少々お待ちください。」
ウェイトレスが厨房の方に消えてから数分、すぐに注文したものが出てきた。
作り置きかしら・・・。
味は・・・普通。喫茶店だし、こんなものね。
「ごちそうさま。」
ろくに味わいもせず、食べ終わると店員に金を払い退店。
想像してより高かったけれど、そればかりは仕方ない。それが商売というものだ。
二度と来たくないけれどね。
そんな捨て台詞は口には出さず、プレナは骨董屋を探す。
見つけたのは本屋の隣にある大きな店舗。
「この店で、一番自慢できる商品はどれですか?」
入店早々、店主らしき老人にそう声をかけた。
「お嬢ちゃん。それならこの宝剣だよ。隣の大陸の遺跡で見つかった代物だ。」
老人が誇らしげに示した宝剣を見る。
どこか輝きが弱い。紛い物ね。まぁ構わないわね。趣味の物なら、真贋にはこだわらないでしょう。
「ではこれを。」
「いやお嬢ちゃん。これは相当・・・普通は手の届かない代物・・・。」
「いくらですか?ある程度なら払えますけど。」
袋に入った金貨の山を老人に見せる。
「まいどあり!」
最後に本屋。これは隣だから平気ね。
・・・もう少しのんびりと、気のままにした方がいいのかしら。
休日の使い方って難しい。
休日じゃないけれどね。




