地下へ
ユークが仕入れた情報を元にやって来たのは賑やかな市場。
「ホントにここなの?」
「何だよクオン?この俺を疑うっていうのか?」
「うん。」
即答。
子供から老人までいて盛況しているバザーが闇市の類であるとは想像しがたい。
「あのおっさんは、ここって言ってたんだ。だから間違いない!」
「おっさんへの謎の信頼。」
「とりあえず、訊き回ってみましょうよ。判断はそれからということで。」
なんだか険悪になりそうだと感じ、プレナが割り込んでそう提案した。
「まぁそうだな。プレナの言う通りだ。」
「うん。」
2人はあっさり頷いた。
信頼されていて良かった。
「それじゃあユーク、頼んだよぉ。」
また俺かい。
「なぁ・・・えっと・・・魔族について・・・そう、訊きたいんだが。」
一番近くにあった店の女主人に話しかけた。
「・・・あんたら、堅気じゃないね?何が聞きたいんだい?」
低い声で女主人は返事した。
「魔族に対する宗教について知りたいのです。何か、ご存知ではありませんか?」
プレナの質問。
さっきのユークのたどたどしい質問とは大違いだよぉ。ふえぇ。
「・・・あんたら、魔族か。長いこと裏の情報を仕入れてるけど、そういう類の話は聞いたことないねぇ。そういう黒い話が知りたいなら、闘技場に行きな。」
「闘技場?」
ユークは首を捻った。つーかこのおばさん、マジでそっち側の人なのか。
「そうさ。国王様の城の地下にソレはある。魔族でも入れるから行ってみな。けど、入れたからといって、出てこれるとは限らないけどね。まぁ頑張りな。」
意味深にそう言って、おばさんはウィンクした。
太っていなければ、最高にカッコイイところだ。
「ありがとうございました。皆さん、行ってみましょう。」
「ああ。俺がいれば何とかなるから、大船に乗ったつもりでいな。」
「ふえぇ。それは流木だよぉ。」
「船ですらない!?」
それから、馬車をつかまえて移動。
変な形した木 (マングローブというらしい) に囲まれたファンシーな雰囲気の城だ。
「おい貴様ぁ!闘技場はどこだ!言え!」
不審者のごとく兵士に話しかけたユークは、眼前に槍を突きつけられた。
「あるって聞いたよ。どこ?」
クオンが質問すると、兵士は槍で木の方を指した。
「そっちだ。」
言われた通りマングローブの方に行ってみる。
「お、これだな。」
ユークが根元が変色しているのを発見。
よく見ると木の根に扮した取っ手がある。それを引っ張ると一部の地面が剥がれた。
地面に見せかけた蓋だったようだ。
「ふえぇ。ユークが見つけるのは納得いかないよぉ。」
「うるせぇな。男はこういうの得意なんだよ!」
秘密基地とかそういうのって、いくつになってもワクワクするものだ。
「んじゃ、行くぞ。」
暗く細い階段が地下に向かって伸びている。
ユークを先頭に一列になって下り始めた。




