不意打ちに弱い少女
「おかえり。どうだった・・・ユーク君、その顔どうしたんだい?」
戻ってきた3人を迎え入れたキットとモルガナだが、ユークの頬が赤くなっているのに気付いた。
「あ、いや、ヒトデとぶつかっただけだ。気にしないでくれ。」
「はぁ・・・。」
「それより・・・。」
先ほど情報屋から仕入れた話を残っていた2人にした。
「なるほど・・・魔族を敵視する神か。確かにあり得るな。よし、僕の指示が通る魔族とモンスターに国内を調査させよう。2日ほど待っていてくれ。」
2日で済むのか。凄いな。
「ふえぇ。クオンちゃん、大丈夫だった?変な人とかいなかった?ユークみたいな。」
「おい。」
「うん。大丈夫だった。」
「良かったよぉ。何かあったらユークをぶん殴ってたところだよぉ。」
「なんで!?」
とばっちりだろそれは。
「まぁまぁ、それより滞在場所はいかがされますか?」
「ん?滞在?」
ああそうか。キットによる調査が終わるまでスーシャにいなきゃいけないのか。
その点を全然考えていなかったユーク。
「キット様に頼んでここに泊めていただくことも可能でしょうが・・・。」
「いや、あんまし迷惑かけられないし、どこか近くのホテルにしよう。うんそうしよう。」
この魔王城は正直、荒れている。なら、高級なホテルにでも宿泊した方がお得だろう。またカジノに行きたいし。次は勝てる気がする。
「そうですか。では、移動しましょう。エントランスでお待ちください。」
プレナはキットに事情を話すためにその場に残り、3人は先に魔王城の入り口まで移動。
「あ、クオン・・・。」
「なに?」
闇市での言動は何なのか尋ねようとしたが、いつも通り飄々とした顔を見て止めた。
今訊いても、はぐらかされる気がしたからだ。
「ふえぇ。どうしたの?」
口を噤んだユークにモルガナは問いかけだが、ユークは「何でもない。」と言った。
「お待たせしました。明後日にまたここに来るということで。それでは行きましょうか。」
一行は城を出て町を目指す。
「思ったんだけどさ。」
「はい?」
「不便な立地だよな。魔王城って。」
「便利な立地だったなら、冒険者でごった返してますよ。」
「うん・・・まぁそうなんだけどさ。」
不便なことには文句の一つも言いたくなる。
「それより、町はここから遠いので今日は頑張って歩きましょう。」
「ふえぇ。遠いのぉ?ユーク、おんぶして。」
「断る。」
「ふえぇ!燃えろ!」
「ちょっおまっ!」
人に向けて炎を撃つな!
「だぁー分かった分かった!おんぶするから!プレナが!」
「え?あ、私ですか?」
自分に振られると思っていなかったのか、プレナは声が裏返っていた。
「思うんだけどさ、プレナって急に話振られるとテンパるよな。」
「え、気のせいです。」
「いや、そんなことはないと思う。」
クオンの台詞にモルガナとユークは深く頷いた。




