神様って?
ユークがギャンブルで負け続け、手持ちのコインが後僅かになってきた頃、一人の男が話しかけてきた。
「おい・・・お前ら、魔族なんだろ?」
「だったら何だよ?」
コインを数えるユーク。誰も男に見向きもしない。
「おいっ!」
「んだよ?」
怒鳴り胸倉を掴んできた男にユークはクールに対応する。
こういう、怒鳴ることがカッコイイとか思っちゃってる変な奴は、クールに対応するに限るからな。
「魔族が人間様の場所に来てるんじゃねぇぞ!」
「人間専用だったんだ。ガイドブックに書いといてくれないと。」
「ふえぇ。バカも出禁にした方がいいよぉ。」
煽るなガールズよ。
「表出ろや・・・ボコボコにしてやる・・・!」
「嫌に決まってるだろ。」
喧嘩したら、それこそ出禁になるだろうが。少しは頭使え阿呆。
なんて頭の中で言うが、口には出さない。もし言ったら絶対面倒なことになるからな。
「ふえぇ。ここで喧嘩するなんてアホのやることだよぉ。」
言ったァ!俺は言わないように我慢してたのに!
「ああ!?んだとこのガキ!?」
「ガキじゃないよぉ。モルガナだよぉ。」
うん。そういうことを言いたいんじゃないと思う。
つーか、騒ぎを広げるなよ。周りもこっちを注目し始めたじゃないか。
いや、このまま騒いでスタッフに来てもらった方がいいのか?
なんて考えていたら、クオンが動いた。
「うるさい。」
男の首元に手刀を当てた。
何それカッコイイ。
「・・・魔族相手に強く当たるって本当なんだな。」
気絶した男は放っておいて、俺たちは壁際に移動。
「ふえぇ。人間は死なないから面倒だよぉ。」
それだと語弊があるだろ。ええと、何だっけ?
「神の加護があるから・・・とか聞いたな。」
「皆様、ご無事ですか?」
ここでプレナ帰還。でっかいコインケースを手にしており、大量のコインが入っていることがうかがえる。
「おう。大丈夫だ。・・・儲かってんのかクソ・・・なぁプレナ、人間って何で神の加護とか何とかがあるんだっけ?」
なんか負けた気分。実際に負けてるけど。
「元々は神に対する信仰ですね。今から数百年ほど前に、戦いで命を落とすことへの救済を。という祈りを大人数がしたことが始まりだと言われています。いわゆる偶像崇拝を行いました。」
おっと長い話か?
「その偶像崇拝が長らく通じ、人々の祈りが形になった。つまり、神が誕生したと言われています。神は人々の信仰によって生まれた存在。同じ祈りが届く限り、その祈りに応えた奇跡を起こします。この場合においては、戦闘で亡くなった人を神の加護で生きかえらせる。というものです。」
フラフラ~とどこかに行こうとしたクオンの襟を掴んで止める。
「これが初めて神が誕生した話だと言われています。この話は瞬く間に全世界へと広がり、新しい宗教、つまり己の理想とする神を誕生させようと人々は躍起になりました。少人数でも、同じ祈りを捧げていればいつかは神が宿るわけですから。ですので、胡散臭い宗教の勧誘でも、本当に神が宿っている可能性があるのです。騙されないようにしなくてはいけませんね・・・少々、喋りすぎてしまいましたね。それで、神の話がどうされたのでしょうか?」
少々?まぁいいや。
「神の加護を盾に、この俺に喧嘩ふっかけてきた奴がいたからさ。」
「まぁユーク様は強くは見えませんから。」
「えっ?」




