魔王の会談
「つーわけで、また行ってくるから親父、留守番よろしく。」
「父さんに任せておけ。ユークよ、お前が世界を救うのだ!」
「んな大袈裟な・・・話しに行くだけだってのに。じゃあプレナ、移動魔法頼むぜ。」
「はい。」
「そうそう。話は変わるがユーク、今回もお土産・・・。」
移動魔法、発動。
新聞によると、魔族と人間の対立みたいのが世界各国で起こっているみたいで、船は休航なんだそうだ。なので今回は移動魔法で現地に向かうってわけ。
目を開けるとそこには、大きな城があった。
「これがキットの城なのか?」
ウチよりもはるかに大きい。
「はい。国土が広いので、建物も相応に大きなものになっております。」
城門を開け侵入。
エントランスを抜け、暗い通路を歩く。
何だか冒険者になった気分だ。
床や壁は何だが汚れているし、警備の者は誰もいない。
「想像以上に荒れてるな。」
「はい。事態は深刻ですね。」
階段を上がり、豪華な扉を開けるとキットが玉座に座っていた。
「よぉキット。遊びに来たぜ。」
「・・・!君たちか。そうか、来てくれたのか。いや良かったよ。僕一人では手をこまねいていたんだ。」
俺たちの顔を見て安堵した様子だった。
「ふえぇ。それでどうなってるの?」
「君はモルガナさんだったね・・・そうだな・・・僕の知る範囲では、魔族を見るなり襲いかかってくる者が増えたということだ。そして、この魔王城へと乗り込んでくる者も増えた。今までには一度もなかったことだよ。」
プレナは視線を落とし、思考する。
ヴェリニヤで魔貴族に聞いた話と似ている。着目すべき点は・・・。
「なぜ魔族と分かるのか、ですね?」
「ああ。その点が僕にも不思議なんだ。」
「どういうこと?」
クオンが質問した。
「魔族も人間も見た目にほとんど違いはないんだ。だのに、最近は魔族とすぐに判別して襲っているようなんだ。」
キットの回答にユークは頭を回転させる。
パッと見で何で魔族って分かるんだ?少なくとも俺は、町に出てもばれたことないのに。
「でも、ヴェリニヤの時にはそんなこと、なかった。」
「あそこの人々は魔族と共生できていますので、参考事例にはならないかと。」
「じゃあ、そもそもスーシャの魔族だから攻撃されてるってことなのか?」
「どういう意味だい?ユーク君?」
ユークは思いついたことを喋る。
「いや、まだ分かんないけどさ。魔族だから攻撃されるのか、ここに住んでいるから攻撃されるのか、そこんとこがどうなってんだろなって。俺たちがヴェリニヤで何もされなかったのは、俺たちがラスィカヤ出身だからかもってことだ。」
自国にいる時には冒険者と戦って当然だ。けど、外国ではそうとも限らない。
「ユーク様、それは・・・。」
「なるほど、あり得ない話じゃない。君たちが来てくれて本当に良かったよ。少し検証してきてくれないか?」
「いやでも、もしこの推理が外れてたら・・・。」
見知らぬ外国の町で暴徒に襲われるなんて洒落にならない、
「大丈夫さ。カジノに行くといい。あそこなら、暴れるものならすぐに出禁になるから、もし君たちが魔族だと気付いてもどうしようもない。頼む。カジノ代は出すから!」
そう言われちゃあ行くしかないよなぁ。ホント、しょうがないから行ってみるか。




