ちゃんと戦ってみましょう
カフェの話をしてから数日。
魔族間の交流会前日。
「侵入者が現れたとのことです。」
三回目ともなれば、慣れてくるプレナの報告。
通常ならば、ここで待機し冒険者が来るのを待ちぼうけるわけだが・・・。
「見に行ってみたい。」
クオンのこの一言によって、ちょっと違う時間に変わった。
「うおっ!何だこのモンスター!?」
プレナの魔法で魔王城のホールに三人で移動すると、冒険者とモンスターの声が聞こえてきた。
「ゴジューエーン!」
銀貨に手足を付けたようなモンスターが冒険者一行に群がっている。
若い人物中心で組まれているパーティだ。
6人か。今までよりちょっと多いな。
しかし若いといっても、全員成人はしているようだ。
「あー!ふざけるなぁ!!」
ゴジューエーンが斬られると、捨て台詞とともに黒い霧となって消滅した。
「変なモンスターだけど、そこまで強くないぞ!」
「ダンジョンに慣れたパーティのようです。これまでより強敵かと思われます。」
「うーん・・・どうしよ。」
強いってことは、モンスターと罠で全滅どころか負傷させることも難しいだろう。
男4人に女2人。魔法使いっぽい格好をしたのが2人。さらに回復役っぽいのが1人。残りは戦士みたいだ。
「バランスよさそうだし、全員を相手にしたくはないなぁ。」
悩んでいるうちに、ゴジューエーンの断末魔が次々に上がる。
「あの見た目と声のせいで、何かピンチに思えないな。」
警備用のモンスターが次々とやられているのだから、本当は焦らなければいけない場面なのだが、どうもユークはそんな気になれなかった。
「何とか、あいつらを分離させることできない?」
「具体的には?」
「魔法使えるやつは遠ざけてほしい。」
「かしこまりました。クオン、ついてきてください。私が移動魔法を使い、あの3人とクオンを玉座の間に連れていきます。ユーク様は・・・。」
「ここで残ったやつをぶちのめせばいいんだな。」
「はい。」
戦いに夢中で、こちらに気が付いていないのだろう。プレナとクオンは背後からあっさりパーティに近づいた。
クオンが魔法使いとヒーラーを体当たりして一か所にまとめると、プレナがその3人とクオンに触れた。そして、移動魔法が発動して計5人の姿が消えた。
「な、なんだ!?」
「魔王の策略にはまったんだよ。お前たちは、この俺様の策略になぁ!」
ここで悪役のように魔王登場。
策を立ててちゃんと戦うのって、これが初めてじゃないか?




