ゼウベルト・シーカー
久々に投稿します。
台風大丈夫かなぁ。
ポトスと名乗った青年が謝り続けている。
線の細い真面目そうな外見のため、誠実さを感じないこともない。
……いや、お前は謝るようなことをしていないんだけどな。
そのポトスの横に立っているゼウベルトと呼ばれていたヤツは、そっぽを向いたまま黙っていた。
「あのさ」
「はい!何でしょうか!?」
「とりあえず君は黙っててくれるか?」
「はい……すみません」
「で、ゼウベルトだっけ?」
ゼウベルトが鋭い視線を向けてくる。
褐色のスキンヘッドだけでも目立つのに、顔もいかついヤツだな。
年は……俺よりは上だろう。
「無視してないで、お前が謝れよ」
怒気を圧し殺して話しかける。
ゼウベルトの横にいるポトスがオロオロしながら口を開いた。
「ゼウベルト……」
「……ふん」
鼻を鳴らして仏頂面を続けるゼウベルトを見て、さすがに堪忍袋の尾が切れた。
「最悪だな、お前。自分のしたことに責任も持てないのか」
「……」
「男として最低だ。その面、二度と俺に見せるな。さっさと消えろ」
「……貴様」
ゼウベルトのこめかみがピクピクと動いているのが見てとれた。
強く握られた拳がプルプルと震えている。
「殺し……」
ピィィィィーーーー!!
突然、金属笛の大きな音が鳴り響いた。
驚きながら音がした方向に目をやると、数人の衛兵がこちらに駆けつけて来ているのが見てとれた。
「まずいっ……!?ゼウベルト、行こう!」
「……ちっ」
二人は素早くスカイウォークトンクをセットし、飛び出した。
空中でこちらを振り向いたポトスが叫ぶ。
「ヤマモトさん!またいずれ伺います!」
「……」
「失礼します!」
そう言って二人は雨の中に消えて行った。
……何て勝手なヤツらなんだ。
「貴様!手を頭の後ろにまわせ!」
駆けつけた衛兵の一人が叫ぶ。
両手で槍を構えたまま、俺と距離をとろうとしているようだ。
「早くしろ!」
「ちょっと待って下さい。俺は被害者ですよ」
「なに……?」
衛兵にギルド章を見せる。
「銃ギルド所属のカイト・ヤマモトです」
「う……む……。火炎放射があったと聞いたが……?」
「さっき、二人の男がスカイウォークで逃げたでしょう?アイツらですよ」
周りの市民に聞き込んでいた衛兵が、俺と話していた衛兵に耳打ちをする。
少し話し込んだ後、衛兵は俺の方に向き直った。
「大変失礼しました。あなたを襲ったのはどんな風体の者でしたか?」
「黒いマントを纏っていました。あと……ゼウベルト、ポトスとお互いを呼んでいました。」
「ゼウベルト!?……褐色でスキンヘッドでしたか?」
「そうです」
ゼウベルトの名前を出した瞬間、衛兵に緊張が走った。
……有名なヤツなのか?
「あの……」
「はい」
「アイツら……何者なんですか?また襲われたらたまりませんし、教えてほしいんですけど」
「そうですね……。あまり公にしたくはないのですが、銃ギルドの方ですしお伝えしましょう。もう一人は分かりませんが、ゼウベルト・シーカーは【ワンダーフォーゲル】の幹部です」
「……ああ」
なるほど……そういうことか。
ジンガの言ってた奴らだ。
「また、ゼウベルトは殺人罪で手配中でもあります」
「そうですか……。ありがとうございます」
「襲われた理由に心当たりは?」
「それがないから困ってるんです」
その後もいくつか質問を受け、解放された時には夕方になろうとしていた。
……ワンダーフォーゲルか。
とりあえず、しばらくは注意した方が良さそうだな。
お読みいただきありがとうございました。
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