夜中の人影
徳島がJ1昇格しました!
来年が楽しみです!
思った通り、レイナは酒が強かった。水を飲むようにカパカパとグラスを空けていく。でもって顔色変わらず酔った様子もない。……すげぇな。
「ん?どうしたの?」
「いや、よく飲むなぁと思って」
「カイトくんも飲んでるじゃん」
「……飲んでるけど、お前とペースが違い過ぎる」
これ以上付き合って酔いがまわっても面倒だな。
そろそろ行くか……。カイトは席から立ち上がる。
「まぁ、またギルドで会うこともあるだろう。またな」
「えっ?もう帰るの?」
「今日はもう休みたいからな」
「……そっか。じゃあまたね」
「はいよ。……パイク、ここに置いとくぞ」
「はいはい、ありがとね」
お代をカウンターに置いてジャベリンを出た。
風に吹かれた雨が襲いかかってくる。カイトは傘を差して人通りの少ない夜道を歩き始めた。
ギルドについて、大体のところはヒルダやハーケンに教えて貰ったおかげで理解ができた。とりあえずは、ギルド章を受け取ってから依頼を受けないといけない。
ちなみに、怪我や病気以外の理由で一定期間ポイントを得なければランク降格するらしい。
あと、ギルドには年に一回大会もあるとも聞いている。成績に応じていろいろ特典があるみたいだし、出てみるのも悪くないかもしれない。
(……あれ?)
カイトは立ち止まり、進行方向の一点を凝視する。ガス灯の光に照らされた部分に、人影のようなものが見えた瞬間、走りだした。
「大丈夫ですか!?」
そこには人が倒れていた。
さっと仰向けにして口元に手をかざすと呼吸はあった。脈をとる。……反応がない。続けて瞳孔も確認してみたがダメだった。50代くらいに見えるおっさんだが、肌色は普通だ。
(……光無症か?)
周りに人はいない。
素早くスカイウォークトンクをセットし、おっさんを背負い飛び上がった。二人での飛行なので速度は上がらないが、背負って歩くよりは早い。
……うっ、バランスがとり辛いな。
二人分の重さに加えて、一方は体の力が完全に抜けている状態だ。それらをカバーする腕が半端なくキツいのを我慢しながら、ジャベリンの前まで飛んでいきドアを蹴り開けた。
「パイク!」
「ん?おお、どうしたずぶ濡れ……おい!ドクターを呼んで来い!」
カイトの様子を見てパイクが素早くボーイに指示する。察しが良くて助かるよホント。カイトは疲れた腕をさすりながらその場にへたりこんだ。
「この人誰なの?」
「知らん、とりあえず寝かせるの手伝ってくれ」
まだ居たレイナにお願いをする。
カイトの腕はパンパンだった。
「んっ!?この人ホムルズさんじゃないか!」
パイクが声を上げた。
「知り合いか?」
「……ああ。うちにたまに来てくれるんだ」
「そうか……」
「カイト……。まさか光無症じゃないよな?」
「……いや。残念だがおそらく……」
「……」
パイクが肩を落とす。
ジャベリンに居た他の客も心配そうにこちらを見つめていた。
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