別世界
ひさびさです。
たっぷり時間があればなー
「カイトよ」
「ん?」
複雑な表情でハンネルが口を開く。
「これはあくまでワシの推測なんじゃが……」
「……らしくないな。はっきり言ってよ」
カイトは言いにくそうにしているハンネルを促す。
「……ふむ。ならばはっきりと言うが、お前はこの世界とは別のところから来た人間なんじゃないか?」
「……は?」
「これまでのお前の夢の話を聞いているとそんな気がしての」
「……」
唐突な話に思わず驚く。別の世界……?
……いや。何となく自分がどこか他の人達とは違うような気がしたことはあったが。それにしても別の世界とは思いもよらなかった。
「ハンネルさん」
「ふむ」
「どうしてそう思うんだ?」
「まず……お前の見る夢じゃな。前にも言ったが、夢は記憶が元になってつくられることが多い。お前の話す夢の世界はワシらが知らない世界を経験しておるとしか思えんのじゃ」
「……」
カイトは黙って続きの言葉を待つ。
「医術の心得がないお前がワシらの知らない知識を持っておることも理由の一つじゃ。お前は記憶喪失じゃろう。それなのに覚えておることが脈じゃの瞳孔じゃのと……、もしかしたらお前がおった世界はものすごく医術が発展しているところなのかもしれん」
「……うーん」
「突拍子もないことを言っとるのは分かっとる。じゃがそうでも考えんと辻褄が合わんでの」
ふーっと大きく息を吐き出しながら、ハンネルは天井を見上げる。
「それに……」
「それに?」
「お前も気にしていた銃についてじゃが……、今回のことも引っかかるの」
「……引っかかるって何が?」
「銃を手にして気絶した。これはお前の記憶の扉を開く鍵になるかもしれん」
「気絶が鍵?」
「そうじゃ。気絶については記憶を呼び起こすショックが大きすぎて発生したと考えるのが妥当じゃろう」
要するに、カイトにとって銃を手にしたことが、記憶を取り戻す上でものすごく重要だったとハンネル言いたいらしい。しかもそのショックが大きすぎて倒れたと。……どうなってんだよこの頭は。
「ん……ハンネルさんの言う通りかもな」
「あくまで推測じゃがの」
「いや、ありがとう。心配かけて悪いね」
「まぁ、じゃからと言ってお前の居る世界は今この世界じゃ。あまり気にするな」
気にするっつーの。
まぁ、確かにどうしようもないけど……。
「話はそれだけじゃ。また何かあったらここに来い」
「わかった。ありが……っあ!?」
「なんじゃ?何か思い出したか?」
思い出した。それと同時に、カイトに怒りの感情が沸き上がってくる。
「思い出したよ。……ハンネルさん」
「む……?」
「アンタ何勝手に脈と瞳孔について論文なんかだしてんだよ!」
しかも顔写真まで……。
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