表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/117

最終面接

暑い、暑い。

暑い~





「名前は?」

「カイト・ヤマモトです」


「年齢は?」

「19です」

「ほぅ……若いな」

「どうも」


「当ギルドの志望動機は?」

「動機は昔からの憧れです。自分にはお世話になった方々がたくさんいます。この国は農耕が弱く、食品の生産には狩猟が欠かせません。自分の働きで皆に恩返しが出来ればと思い志望しました」


 カイトは今、ギルド本部の一室にいる。最終審査にあたる面接を受けているところだ。これまで答えたことであっているのは、名前だけだな。


「一次では……おお、ラムロッザから銃を奪ったんだったな」

「……あのオレンジの衣装の方ですか?」

「そうだ。若手ではあるが、アイツにそんなことをしでかすとは凄いな 」

「向こうの油断もあったと思います」

「はははっ、それはアイツには言うなよ」


 気さくにカイトを審査しているのは、40代くらいの顎髭が似合うおっさんだ。プラグと名乗った彼の左腕は肘から先がなかった。


「まぁ、お前は成績も経歴も問題はないな」

「ありがとうございます」

「それにしても……。【みゃく】と【どうこう】を発見したクセに医学の道は進まないのか?」

「ご存知でしたか……。はい、あれはたまたまですので、自分が進みたい道とは違います」


 なんか、朝にもこんなやりとりしたな。カイトは今朝の状況を思い出す。本当に長い1日だったが、今は深夜1時だ。審査員も大変だろう。


「そういえば、ハンネルさんは元気か?」

「……ええ。ご存知なのですか?」

「あの人は私の恩人だからな」

「恩人?」

「この腕と引き換えに私の命を救ってくれた……」


 そう言って、彼は俺にむかって左腕を見せた。


「そうでしたか……」

「ははっ、昔バカをしてしまったんだ」

「……」

「会ったらよろしく言っておいてくれ。頼んだよ」

「わかりました」

「では、審査はこれで終了とする。これから君の働きに期待してるよ」

「えっ……」

「合格だ。今夜はゆっくり休みなさい」

「っ……!?あ、ありがとうごさいます!」


 受かった……。突然の合格宣言に、少し興奮していることを自覚する。カイトはプラグに挨拶をし、嬉しさを噛み殺しながら部屋を退出した。


「カイト・ヤマモト、こちらに」

「はいっ」


 部屋を出たところに別の審査員が待機していた。案内された部屋に入ると既に先客がいた。


「お前も受かったか」

「カイトくんのおかげよ」

「言ってろ」


 そう言って、近くの席に腰をかける。レイナ・クルージュ。……やっぱりこいつも受かったか。残るはあと3人……。ジンガもおそらく大丈夫だろう。重たい空気が部屋を包む。


「……」

「……」

「ねぇ」

「……なんだ?」

「私ね、妹がいるの」


 唐突に語りだすレイナ。カイトは話に付き合うことにした。


「妹?」

「それでね、まだ子どもなんだけど体が弱いの」

「……それで?」

「ただ弱いだけじゃなくて、複雑な病気でね」

「それは……、大変だな」

「治療にすっごくお金がかかるの」

「……だろうな」

「両親は他界してる。だから、何でも良いからお金を稼ぎたかった」

「……」

「……これが私の動機よ」


 レイナの発言に言葉を失うカイト。


(……そうだったのか)


 そりゃパサーでも何でもやるだろう。身内のために……か。それならば仕方がない。


「レイナ……」

「って、面接で言ったらあっさり受かったわ」

「……」

「……」

「……は?」

「ふふふっ。カイトくん意外と純粋なんだー。カワイイね」

「お、おまっ……」



「失礼します」

「っ!」


 入口に目を向けると、ジンガが部屋に入って来た。やはり、ジンガも受かったか。カイトは笑顔で声をかける。


「ジンガ!」

「カイト!レイナも!」

「おめでとー。これで3人とも合格だねー」


 これで3人とも受かったか。色々と大変だったが良かった良かった。安堵するカイト。緊張が解けたのか、身体が少し軽くなったように思えた。


(……いや、待て待て)


 レイナ。お前、そのキャラに戻る必要はもうないんじゃないか。



お読みいただきありがとうございました。

お気軽に何でもアドバイス下さい。

これからもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング ←ランキング投票です。良かったらクリックをお願いします!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ