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信用度

久々投稿できました。

よろしくお願いします。


(終わった……?)


 カイトは冷静になるよう自分に言い聞かせる。鐘の音はまだ鳴りやまない。


「どういうことですか?」


 ジンガがレイナに訊ねる。が、返ってきたのはそっけない返事だった。


「そのままの意味よ、行きましょう」

「えっ……」


 唖然とする二人を横目に、レイナは歩き始めた――




――三人の前に審査員が立っている。

レイナ、ジンガ、そしてカイトの赤チームだ。


「それでは、今より審査結果を発表する!」


 三人に向かって審査員が叫ぶ。


「赤チームの全員、青チームからはナジム・カーン、最後に黄チームからは、レバンドン・ドイルの計五名を二次審査通過とする!」

「……」


 二次審査通過は五名だった。審査希望者の0.5% にあたる数字。例年とは比較にならないほど少ないことが今回の審査の厳しさを物語っていた。審査員が説明を続ける。


「なお、次は最終審査である!一旦最初の試験会場に戻るので先導の審査員についていくように!」


 カイトの頭に疑問が過る。

ダンというやつもだが、グレミオまで落ちるとは……。イヤなやつだが、さっき呼ばれたやつらよりは能力はあるような気がしたんだけどな。疑問はそのまま言葉となった。


「グレミオが落ちたか……。まぁ、ヤツなら来年には受かるだろうけど」

「そうですね……」


 ジンガも同じように感じていたようだ。審査合格の基準が良く分からない。2人のやりとりにレイナが口を挟んだ。


「……どうかしらね」

「そういえば、お前はグレミオの方に向かったんだろ?」

「……」


 レイナは答えない。ジンガが言葉を付け足す。


「私を探すのを途中でやめてグレミオ達の方に向かいましたよね?やっぱりレイナが捕まえたんですか?」

「……」


 やはり答えない。……なんだ?カイトは眉を潜める。


「まぁ、審査が終わったら顔だけでも拝んでやるか」

「そうですね」

「次が最終かしら?」

「ん?そう言ってただろ。聞いてなかったのか?」

「聞いてなかったわ」


 あの質問魔が……。

最終で気が抜けたのか?


「まぁ、とにかくいこうぜ」

「そうですね」

「……」


 スカイウォークトンクをセットし、スタート会場へ向かう。会場までの道中もレイナは黙ったままだったが、到着直前に口を開いた。


「さっきの話だけど……」

「ん?」

「彼らにはもう会えないから」

「……どういうことだ?」

「もうこの世にはいないってことよ」

「は……?」


 唐突な言葉に驚くカイト。


(この世にいない?グレミオ達がか?)


 タチの悪い冗談だとしたら、本当にタチが悪い。しかし、冷めたままのレイナの表情が彼女の言葉に真実味をもたらしていた。


「どういうことですか?」


 少し焦りながらジンガが口を挟む。

その顔はカイトと同じように驚いている。


「この審査は、ただの審査じゃない気がするの……」

「いや、それより……」

「彼らは死んだわ」


「っ!?」

「なっ……」


 殺したのか?

いや……確かに捕まえるのに生死は問わないと言っていたが。カイトは堪らず声をかける。


「お前……」

「私じゃないわよ」


 レイナはカイトを鋭く睨んだ。


「でも……」


 ジンガも疑いの気持ちが生じているようだ。あの場にいた参加者は他にいないからな……。


「あの時、確かに私はジンガをあきらめてダンの方へ向かったわ」

「だろうな」

「そして、見つけたの。彼らの死体を」


 ……いや、だからそれは。と、口にしようとしたカイトの先手を取ってレイナが口を開いた。


「私のこと信用してくれない?」

「前科があるからな」

「でも、仮に私が殺してたらこの場で言うメリットはあると思う?」

「……」


 カイトは考える。……確かにメリットはない。真っ先にレイナが疑われる分、デメリットしかないとも言えるだろう。カイトはレイナを見つめる。


「わかった、信じよう」

「カイト……」


 腑に落ちない表情のジンガ。その気持ちはカイトにも理解できたが、正直ここで口論してもラチが明かない。


「ジンガも信じろ。よく考えてみれば、こいつは依頼人も失っている」

「……確かに、そうですね」


「ありがとう。2人とも」


 そう言うとレイナは顔を背けた。

その肩が小さく震えて見えたのは、おそらく気のせいだろう。


「先に向かってるからな」

「……ええ」


 どういうことなんだ。

カイト達以外の誰かとなると……


「……審査員」


 ジンガが小さく呟いた。


お読みいただきありがとうございました。

なんでもご意見お待ちしています。


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