志望動機
久々に書けましたー。
間があいてすみませんがたまに見ていただけると嬉しいです。
「あと三人か……」
「そうね」
グレミオが逃げたあと、暫くして黄色チームの内一人を捕まえた。いくら実力者とはいえ、やはり三対一では分が悪いようだ。今のところチームプレーが効を奏している形だ。
「大分暗くなりましたね。どこで休みましょうか?」
「そうだな……あそこの木に登ろう」
カイトは少し離れた大木を指差す。
周りの木と比べて高さがあり、空に向かって綺麗な三角形をつくっている。
「あの木の上に?」
「ああ。それで、植物のツルと竹……はないか。木の枝を集めよう」
「それ、どうするの?」
「枝をツルにくくりつけて、そのツルを周辺に仕掛けるんだ」
「なるほど、誰かが入ってきてツルに触れたら音で分かるようにするわけですね」
ジンガは頭の回転が速い。一を聞いて十を知ることができる男だ。レイナが捕まった時も、俺の意図を汲んでくれていたおかげで難なくグレミオのパートナーを捕まえることができた。
「仕掛けるツルは何重かにした方が良いですね」
「そうだな。相手が掛かるようにしないと意味がない」
「カイトくんって本当にアイデア豊富よね」
「そうか?」
「うん、だってこんな仕掛け聞いたことないけど理に叶ってるし」
カイトは首を傾げる。
そう言われると、確かになんでこんなアイデアが浮かんできたのか分からない。不思議に思い入れながらも木の枝を集めていく。
カモフラージュやフォーメーションに加えて、この仕掛けも思いついたというよりは元々知っていたような感覚だった。
「よし、ツルはこのくらいで良いですか?」
「そうだな。じゃあ枝をつけよう」
三人で仕掛けを作り周囲にセットする。これで少しでも誰かが触れれば音がするはずだ。
……雨音が少し邪魔だが何もないよりマシだろう。
「カイトくん」
「ん?」
「どうして銃ギルドを志望したの?」
「どうしてか……」
「それ私も気になりますね」
「んー。まぁ、簡単に言えば自分のことを知る手がかりになると思ったからかな」
「どういうこと?」
「俺……2ヶ月くらい前からの記憶がないんだよ」
仕掛けが終わり、カイト達は木の上で休みながら会話を続ける。
「お前こそ何でだ?」
「私?」
「ああ」
「んー。秘密かな」
「なんだそりゃ」
「いろいろとあるのよ」
人に聞いといてこいつは……。カイトは呆れながらも、そういえばこういうヤツだったなと思い返す。そんなカイトの気も知らないレイナはジンガに水を向けた。
「ジンガは?」
「私は……その……」
どこか歯切れの悪いジンガ。まぁ、人には色々あるからな。
「別に無理して話す必要はないぞ」
「いえ……実は、王宮に入りたいんです」
「王宮に?」
「はい。上級武器ギルドに入ることが近道になると思って志望しました」
「なんでまた王宮なんかに入りたいの?」
「王宮に……友人がいるんです」
「ほう。それでその友人と同じところで働きたいのか?」
「そうですね……そんな感じです」
……なんか釈然としないな。
まぁ、誰にでも深く聞かれたくないことの一つや二つはあるだろう。どちらにしても、無理に聞くつもりはない。
(今が夜8時くらいか……)
辺りは完全に闇となっている。捕まえる相手は残り三人だが、カイト達は現在有利な立場にいることは間違いない。グレミオのヤツが厄介だが、黄色チームのやつらが捕まえる可能性もあるしな……
ッ……
「!?」
今かすかに音がした。
雨音に紛れていたが確かにした。カイトは身構える。
(ジンガ)
(ええ……まだどこにいるかはわかりません)
息を潜めて会話をする。今は音がしない。仕掛けを警戒して隠れたか……。なかなか気が抜けない夜になりそうだ。
お読みいただきありがとうございました。
評価、アドバイスもですが気付いたことがありましたらなんでも教えてください。
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