油断大敵
献血で400ミリ血をとられました。
血液型って40種類以上あるんですねー。
レイナが男をオトした数分後、何処からともなく審査員が現れた。……どこに居たんだ?疑問に思うカイトを袖にして審査員は小さく言葉を発する。
「青、ナジム・カーン確認。回収する」
「……あなた、どこに居たの?」
「審査員中は審査員に話しかけないように」
釘を刺されるレイナ。もっともだ。
こいつは思ったことが自然と口にでるんだな、と今さらながら再認識するカイトにジンガが話しかける。
「とりあえず場所を移りましょうか」
「そうだな」
答えながらカイトは考える。審査員の移動を見ているやつもいるかもしれない。それが原因で相手に見付けられるのもバカらしいしな。
三人は再びフォーメーションを組んでその場から離れる。今日はスカイウォークトンクの使用頻度が高い。あまり長時間は使用できないと聞いているが、壊れてはいないようだ。気を引き締めながらカイトが呟く。
「それにしても……」
「えっ?」
「あ、いや。何でもない」
カイトは苦笑する。思っていたことが口に出た。
自分もこれではレイナのことを笑えない。
「なに?気になるわ」
「……」
(さっきの男……なんで俺達に気付いたんだ?カモフラージュをしていた俺達に気付き、しかも俺にはオトリを仕掛けたうえでジンガを狙った。それに……)
「カイトくん」
「ん?ああ、悪い。考え事してた」
カイトは思った疑問を二人にぶつけてみる。
「そうですね。私も気になっていました」
「二人が隠れるの下手だったんじゃない?」
「いや、そもそもお前もジンガも複数で行動する発想がなかったんだろ?なら、あいつも罠は警戒しても他に二人潜んでることが良くわかったなと思って」
「確かにそうなんですよね」
「たまたまじゃないの?」
カイトの口から小さな溜め息が漏れる。
……考える気がないやつは会話に入ってくんな。
「でも……それだと考えられる理由は1つですね」
「……ああ。それに……」
「えっ。なに?なに?」
考える気は0ってことね。
レイナを諦めるカイト。それらを総合して出てくる可能性としては……
「つまり青チームも複数で行動している可能性があるってことだ」
「ええー。まさか」
「いえ、あり得ます。それならあの場から逃げなかった理由も説明がつく」
「あー、そういえばお礼はー?」
「えっ?……あ、すみません。さっきは助かりました。ありがとうございました。」
「どーいたしまして」
話それてるし。
なんか、素直に褒める気がなくなってきた……。
「……良くやったな。ありがとう」
「ふふ」
「レイナの存在を知っていたのに彼女を警戒しなかったのは……」
「近くに仲間がいたからですね」
「ああ、そしてそいつは……」
「ナジム……。彼を見捨てた」
余計なリスクは冒さないか。
あの場からすぐに逃げたかそれとも……。
カイトは空を見上げた。容赦ない雨粒が頬を打ち付けてくる。
「ナジムは仲間がレイナを担当していると思っていた」
「俺に離れるように指示したのもそこで仲間が潜んでいると思ったからだろうな」
「そうすると、青チームの計算外は……」
「こいつ……になるんだろうなぁ」
「ん?アタシ?」
自分を指差し不思議がるレイナ。
(ナジム……。浮かばれないな。ホント来年頑張ってくれ)
最初のジンガの叫びの後、カイトもレイナがどこにいるのか把握出来なかった。青チームも見失ったんだろう。そのため、作戦変更でナジムを見捨てたということで一応説明はつく。
「まぁ、全部憶測だけどな」
「かなり可能性は高いですけどね」
「次もアタシにまかせなさい!」
「声がでかい」
「……ごめん」
カイトは周りを見回す。もしこれらの憶測が当たっていた場合、遠巻きにカイト達の位置を伝えてスキを伺っていたはずだ。あの場から逃げていなかったらつけられている可能性も十分に……
ズザザッ
「っ!?」
「ん゛ん゛っ!?」
(……あるってことか)
「やるなー、カーちゃん」
レイナの口と体を背後から抑え、シニカルな笑いを浮かべた金髪の優男がカイト達の前に現れた。
お読みいただきありがとうございました。
アドバイス、評価、その他何でも受け付けています。
よろしくお願いします。




