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極悪非道もサジ加減!~ポンコツ怪盗の弟子になった俺は、悪事で悪党共を救う〜  作者: 一二三 五六
【第1章】怪盗は夜空を舞い、弟子は宙を仰ぐ

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【86】弟子からの贈り物と異世界の料理

カーン、カーン……。


静まり返った図書館に、やけに派手な鐘の音が響き渡り、俺は思わず本から顔を上げた。閉館を告げる鐘だ。

ドーム状のガラス天井から差し込んでいた光は、いつの間にか橙色へと変わり、館内を柔らかく染めている。……もう、こんな時間か。


軽く背伸びをしながら、積み上げた本の山に目をやる。

ざっと見て……15冊ほどか。とはいえ、すべてを読み切ったわけではない。関係がありそうな箇所だけを拾い読みしたに過ぎないが、それでも決定的な手がかりは得られなかった。どうやら、思った以上に長い付き合いになりそうだ。


隣に目を向けると、ユーディアがちょうど2冊目を読み終えたところで、虚空を見つめたまま固まっていた。


「もう、無理だ……」


力なくそう呟いたかと思うと、そのまま机に突っ伏し、ぴくりとも動かなくなる。

今にも頭から湯気が立ち上りそうな有様だ。


「お疲れさん。本は俺が返してくるよ」

「頼む……」


どこか気配の薄くなったユーディアをその場に残し、俺は抱えた本をカウンターへと運んだ。

この図書館では、本は勝手に棚へ戻さず、司書に預ける決まりらしい。あとは司書が、特殊な魔法で元の場所へ戻すのだとか。


返却を済ませたあと、ぐったりしているユーディアをなんとか立たせ、背中を押すようにして図書館の外へ出る。

ついでに、近くの店で例の有名なプリンを5つほど買っておいた。


「はぁ〜……あまりにも難解な文章が多い……知恵熱でも出そうだ」

「でも最後の方は、ほとんど俺に聞かないで読めてただろ?いい調子だぞ。ちゃんと成長してるって」

「むぅ……そうか?」

「ってことで、次は一日3冊を目指そうなっ!」


軽く肩をペシペシと叩くと、ユーディアはげっそりとした顔のまま項垂れた。

普段ほとんど座って本を読むことがないせいか、精神力はすでに底をついているらしい。だがそれ以上に、ただ座っていただけとは思えないほど体力を消耗しているようにも見えた。



……やはり、こいつに必要なのは――。



「なぁ、ユーディア。帰りにローレン先生のところに寄らないか?」

「この疲れた体で、《魔力操作》をさせる気か……?」

「そこは俺がやるよ。気分転換に紅茶でももらいに行こうぜ」


この時間なら、ローレン先生も手が空いているはずだ。少し顔を出すだけでもいい。

それに――ちょっとした別の目的もある。


ユーディアは少しだけ考え込み、「疲労に効く紅茶があるなら馳走になろう」と渋々頷いた。

プリンもあるし、俺の分をローレン先生に回せばちょうどいい。


職業訓練所はすぐそこだ。

俺はヘロヘロになったユーディアを連れて、そのまま建物の中へと足を踏み入れた。






「えっ!? ローレン先生、いないんですか!?」


受付で在室を尋ねた瞬間、思わず声が裏返った。まさかの不在だ。

あの人が研究室を空けるなんて、かなり珍しい。材料の買い出しにでも出ているのかと思ったが――。


「はい。アルノーさん達に言伝を預かっております。『急用ができたため、数日ほど留守にします。せっかく来てくださったのに申し訳ありません』とのことです」

「数日も? どこか旅行にでも行ったんですか?」

「いえ、どうやら急遽、ダンジョンの調査が必要になったそうで……」

「ダンジョン? 今、閉鎖中だって噂で聞いたけど……」


とはいえ、あのダンジョン一帯を吹き飛ばした張本人はローレン先生だ。

もしかすると、その後の処理か修繕か――何かしらの理由で駆り出されたのかもしれない。


会えないのは残念だな。


そう思いながら、俺はちらりと受付横のベンチへ目をやる。そこには、相変わらず放心状態のユーディアがぐったりと座り込んでいた。

……まぁ、もうひとつの目的の方は問題なさそうだ。


俺は懐から小金貨を十枚取り出し、受付カウンターの上に静かに並べる。


「あの、ひとつお願いがあるんですけど……」








「なんだね? 突然、私へ贈り物など……」

「いいからいいから。日頃の感謝を込めて、だよ」


ユーディアの背中を押しながら、職業訓練所の廊下を進む。

「プレゼントがある」とだけ伝えて、疲れているこいつを半ば強引に連れてきた。


「すでに君から杖をもらっているのだが、まだ何か貰えるのかね」

「そうそう。ちなみに俺の奢り。……要らないなんて言わないよな?」

「フッ、君からの贈り物だろう? ならば拒まんよ」



――よし、言質は取った。



ガチャリ、と目の前の扉を開ける。

その先に広がっていたのは――円形闘技場のような、屋外訓練場だった。


「アルノー君。出口はこちらではないが……」

「いーや? 合ってるよ」


首を傾げるユーディアをよそに、俺は静かに背後の扉を閉めた。




――次の瞬間。




「アルノーーッ!!!!」




訓練場に響き渡る大声とともに、土煙を巻き上げながら突進してくる巨大な筋肉の塊。

ベレー先生だ。


それを見たユーディアが反射的に身を引こうとする――が、その腕を俺ががっちり掴む。


「よくぞ!! よくぞ本講義を取ってくれた!! アルノーッ!! そして、ようこそ新人よ!!」

「よ、ようこそ? 一体、何を――」


言い終わるより早く、ベレー先生の太い腕が俺たちをまとめて抱き締めた。

コート越しに俺は何とか耐えたが、ユーディアは「ゲフッ」と苦しげな声を漏らす。

肺いっぱいに息を吸い込み、俺は声を張り上げた。


「ベレー先生っ! 紹介しますっ!俺の友達でありっ! これより本講義で苦楽を共にする――ユディですっ!!」

「カハッ……な、何を言っている……?」

「おおッ!ユディかッ!私は体力系技能の講師、ベレーだッ! よろしく頼むぞッ!共に立派な筋肉を育てようッ!!」


ようやく腕が解かれ、勢いよく握手を交わされるユーディア。

完全に状況を飲み込めていない顔だ。

そんな師匠に、俺はニンマリと笑いかけた。


「俺からの贈り物はーー健康的な体だ」

「……は?」

「ユーディア、お前は筋力が無さすぎる。そこまで無いと、もはや健康に支障をきたすかもしれない」

「きっ、筋力なぞ、適当にやれば増えるだろう」

「けど俺が筋トレやれって言ってもやらないだろ?」


そもそも体力は筋力はあらゆる生活面で必要になってくる。図書館で長時間座って本を読むのでさえ、体力が必要となるのだ。体力が無ければ、集中力だって切れやすい。


「だから……俺の自腹で、ベレー先生の本講義を取ってやったんだよ。技能獲得じゃなくて、単に鍛えてもらうためにな」


つまりは、パーソナルトレーニングというやつだ。

ベレー先生は厳しいが、ちゃんと成果は出る。

この俺の1ヶ月に渡る実体験がそれを証明している。


「な、なな、なーー」


真っ青な顔で見つめてくるユーディアの肩に手を置き、久しぶりの爽やかな“竹田くんスマイル”で笑った。


「俺も一緒に本講義受けるからさ……一緒に筋肉、育てようなっ!」

「そうだッ!!筋肉はッ!!裏切らないッ!!」


ユーディアが一歩、後ろへ下がる。

俺とベレー先生で二歩距離を詰める。

そのままジリジリとユーディアを壁際へ追い詰めた。


ベレー先生の講義で付いた筋力と体力に実際に何度も救われた。そうーー筋肉は裏切らないのだ!


「……はひ」


俺とベレー先生が同時にニカッと笑うと、ユーディアはその場に崩れ落ちた。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





「あ!アルノー兄ちゃん!おかえり!」

「おかえり!」


アジトへ帰ると、エドとユノが出迎えてくれる。

アジトの周りには大量のレンガが積み重なっており、恐らく明日くらいから本格的にレンガ積みを始めるのだろうか。


「あれ?ユディ兄ちゃんは?」

「ん?あぁ、これこれ」


俺は背負っていたボロ雑巾ーーもとい、汗と泥で地面と一体化していたユーディアを見せる。「うわ!ユディ兄ちゃん!大丈夫かよ!?」とエドが指でつんつんと突くが、ユーディアはピクリともしない。過酷な訓練の末、気絶したのだ。


ーー懐かしいなぁ。俺もベレー先生の講義を受けた直後は、こんな感じだったっけ。


「ユディおにーちゃん、どうしたの?おねむなの?」

「そうそう。おねむなんだよ」


本当は公衆浴場に連れていきたかったが、リナたちが夕食を待っているだろうと思って、そのまま連れ帰ってきたのだ。


そのとき、俺たちの声に気づいたのか、リナが扉から顔を出した。


「アルノーおかえり……って、なんだい!? ユディ、誰かにやられたのかい!?」

「大丈夫大丈夫。ちょっと運動してきただけだから」

「運動でそんなになるかね……?」

「なるなる。それより、飯。今から作るから待っててくれ」


汚れたユーディアをこのまま家に上げるわけにはいかない。

どこに転がすか考えていると、リナが得意げに胸を張った。


「食材や調味料があったからね。今日はあたしが作っといたよ。別に使っても構わないだろ?」

「え、マジ?」


まさかキッチンやダイニングを整えるだけじゃなく、料理までしてくれるとは思わなかった。


「まるでお母さん……」

「そこは家政婦って言ってほしいんだけど!? とにかく、ユディだけじゃなくアルノーも汗と泥まみれじゃないか! そのまま家に上げるわけにはいかないし、早く風呂に入ってきな!」

「肝っ玉お母ちゃん……」

「誰が肝っ玉お母ちゃんさっ!?」


リナ母ちゃんに叱られ、俺はすごすごとアジトの空きスペースへ向かう。

コートで簡易の衝立を作り、即席の風呂を展開して湯を張った。


ユーディアはもはや自力では動けない。

仕方なく服を剥ぎ取り、そのまま湯船に放り込んでおく。


「……小僧、謀ったな……」

「お、気がついたか」


のんびり頭を洗っていると、湯船に浮いたユーディアが恨み言を呟く。恨まれる筋合いはない。


「ただでさえ疲れていたのに、そこからベレー殿の訓練をさせるとは……何を考えている……」

「本を読んで疲れたから、気分転換に体を動かしたんだろ?」

「あれは気分転換などにはならん……拷問だ……」

「ちなみにこれから週1回は通うからな」

「し、週1回も……だと……!?」


ザバァ!と風呂から立ち上がり「無理だ!」と叫ぶ。


「私に筋肉などいらん!今でも十分健康体だ!」


憤るユーディアに、俺は身体を湯船に沈めながらも自称健康体に現実を突きつける。


「お前、ダンジョンにいた時から今までずっと《怪盗歩行》をうっすら発動してるだろ」

「……」


無言でちゃぷん、と湯船に着席する。


「……まさかバレていたとは」

「おかしいと思ってたんだよ。毎晩俺から魔力の1割を持っていくだろ?ダンジョンならともかく、なんで地上で毎日そんなことするのかって」


俺は《魔力知覚》でユーディアの状態を見る。

胸の奥では、俺から渡ったマゼンダ色の魔力が揺らめいているが、朝に比べてかなり減っている。


そしてよく見れば、気づかれない程度の薄い魔力が、全身を覆うように流れていた。


――原因はこれだ。


ユーディアの技能は、質が高すぎる。

特に《怪盗歩行》は、身体にかかるあらゆる負荷をほぼ無効化する。


確かに便利だ。だがその実態は――

“筋力を使わずに動いている”のと変わらない。


宇宙飛行士は、無重力で過ごしていると全身の筋肉が衰えていく。原理はこれと同じだ。

高性能すぎる技能に甘え続けた結果、ユーディアの身体は常人以下まで弱ってしまったのだ。


「つまり……お前は俺という魔力タンクに胡座をかいて、《怪盗歩行》という体力も筋力も必要なく動ける技能を日常的に使っていたわけだ。その生活をこれからも続けていて、もし何かの拍子で魔力が無くなったら……どうなると思う?」

「……分かった。《怪盗歩行》は使わん。これなら良いだろう?だからベレー殿の講義はーー」

「金はもう払っちゃってるし、落ちた筋肉は簡単には戻らねぇよ。もともと筋力ヒヨコ並なんだから、この機会に肉体改造といこうぜ」

「ぐっ……脳筋め……」


ギリリと唇を噛み締めているが、これは俺の善意ある行為なのだ。師を案じる優しい心を持つ弟子を持って、ユーディアは幸せ者に違いない。

まだウジウジ言いそうな師匠へ、ニヤァ……と笑いかけてやる。


「おいおい、まさか弟子からの贈り物を今更突き返すのか?さっき、ありがた〜く受け取ってくれたもんなぁ?怪盗は吐いた言葉を二転三転させるのかぁ?」

「…………やればよいのだろう、やれば」


げんなりと頷いた、その時。

ひょこっと、衝立の横からエドが顔を出した。


「すげぇー!お風呂だ!どうなってんのこれ!」

「企業秘密。……一緒に入るか?」

「いいの!?やったー!」


エドと一緒に風呂に入り、ついでにエドにほぼ動けないユーディアを洗うのを手伝って貰う。芋を洗うようにわしゃわしゃ洗った後、綺麗な服に着替えてから俺たちはアジトへ入る。ユーディアも湯に浸かったおかげか、さっきよりは幾分マシな顔色になっていた。

――それでも、まだ足取りは少し怪しいが。


「やっと来たかい。どう? あたしのセンスでキッチンとダイニングをアレンジしたんだよ」


そう言って、リナが自信満々に両手を広げる。


視線の先に広がっていたのは、見慣れているはずのアジトとは思えない光景だった。


ダイニングは、暖かな暖色系で統一された、落ち着きのある上品な空間に変わっている。

壁には、ユーディアの部屋を思わせる細やかな装飾の布が丁寧に張られ、その合間に等間隔でランプが取り付けられていた。柔らかな灯りが室内を照らし、夜だというのにどこか温もりを感じさせる。


足元にはふかふかの絨毯が敷かれ、その中央にはヴィンテージ調の長テーブルがどっしりと据えられている。白いテーブルクロスの上には花瓶が置かれ、色鮮やかな花が静かに空間を彩っていた。


天井からは控えめなシャンデリアが下がり、全体を優しく照らしている。

まるで、小さなレストランのような雰囲気だ。


一方でキッチンは、ダイニングとは対照的に、無駄を削ぎ落とした機能的な造りになっていた。


控えめなオレンジ色の壁紙に、床は掃除のしやすいタイル張り。

かまどはすべて新しいレンガに組み直され、下部には鉄の扉が取り付けられていて、簡易的なオーブンとしても使えるようになっている。


壁にはフライパンや鍋といった調理器具が整然と掛けられ、食器棚には真っ白な皿が、小皿と大皿に分けて取り出しやすく並べられていた。


さらに奥には、魔石で動く冷蔵庫までしっかり備え付けられている。


――まるで別の家だ。


あのボロボロのあばら家だったとは思えないほど、空間は見事に生まれ変わっていた。


「リナ、お前すごいな。同じ家とは思えないくらいだ」

「あぁ。1日で仕上げてくれたとは、実に見事だ」

「へへへ……さぁさ!ご飯にしよ!座った座った!」


席に座ると、ユノが料理を載せた皿とカトラリーを運んでくる。初めて見る料理だ。見た目は、何かの肉の塊のようにも見える。


「はい、おにーちゃん」

「ありがと。あ、これお礼な。食後にみんなで食べようぜ」


プリンを差し出すと、ユノは「わぁい!」と嬉しそうに受け取り、キッチンへと駆けていく。するとすぐに、「やったぁ!」とリナの声もキッチンから聞こえてきた。


「ほう、プルームの包み焼きか。なんと珍しい……」


料理を見たユーディアが、目を丸くする。


「何それ?」

「あぁ、アルノー君は知らんか。プルーム鳥という水鳥の皮で、肉や野菜を包んだ料理だ。アーヴァンテール王国の伝統料理でな。この辺では、もうほとんど見かけなくなったが……」

「それ美味いよな!オレも姉貴が作るプルーム焼き、好きなんだ!」


そう言いながら、エドがグラスを持ってきて水を注いでくれる。その様子はまるでレストランのようだ。


へぇ……そういえば、残飯スープと【せせらぎ亭】の揚げ物を除けば、この世界ならではの料理を食べるのは初めてかもしれない。


料理が出揃うと、リナたちも席に着いた。


「「「いただきます」」」


全員で手を合わせたあと、俺は早速プルームの包み焼きにナイフを入れる。

パリッとした皮が弾けた瞬間、ジュワッと音を立てて肉汁が溢れ出し、香味野菜の香りが一気に立ち上った。


中には、小さく刻まれたコロンや、ネギに似たギージェ、それに見たことのない香辛料らしきものが詰まっている。香ばしく、食欲を強く刺激するスパイシーな香りが広がった。


一口、頬張る。


その瞬間、プルームの皮から溢れ出す濃厚な脂が、野菜と絡み合い、口の中で一体となる。鶏肉とは違う、華やかで香ばしい独特の風味が鼻へ抜け、香味野菜の香りと混ざり合って、言葉にできないほどの旨さを生み出していた。


「うんまぁ!なんだこれ!?」


思わずパンを口に放り込む。肉の脂とパンの香りが混ざり合い、それがまた格別に美味い。

気づけば、飲み込むのももどかしく、次々と包み焼きを口へ運んでいた。


「フフン、美味しいだろ?」

「うめぇ!マジでうめぇよ!」

「ふむ、実に素晴らしい味だ。まさか作り方を知るものがまだいたとはな……」

「ん?これ、どこでも食べられるわけじゃないのか?」


こんなに美味いのなら、ミレアスの店でも出していそうなものだ。だが【せせらぎ亭】にはなかった。

もっと格式の高いレストランに行けば食べられるのだろうか。


「プルームの包み焼きは、今はどこもやってないよ。みんな、作るのをやめちゃってさ」

「やめた?なんで?」

「だってミレアスの名物は肉じゃがだよ?こっちより有名だし、その方が売れるんだよ」


「あたしは断然こっちの方が好きだけどね」と、リナは丁寧にプルームを口へ運ぶ。


……この世界の肉じゃががどんな味かは分からないが、少なくともこの味は、日本で暮らしていた俺が知るどの料理とも違う。まさに未知の、そして極上の味わいだ。



……だが、この料理、かなり材料費がかかるんじゃないか?それに、伝統料理とも言っていた。




ーーエドとユノを満足に食べさせるのも大変そうなのに、リナは一体どこで、この料理を覚えたんだ?




ふと疑問が浮かぶ。だが、今考えても答えは出ない。

俺は軽く首を振って雑念を振り払い、目を閉じると、全身で味わうようにプルームの包み焼きを堪能した。

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