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異世界転生したけど、スキルが『Excel』だけだった。でもマクロ組んだら魔法より強かった件

作者:まこーぼ
最終エピソード掲載日:2025/12/11
カチャ、カチャ、カチャ、ッターン。

 乾いたプラスチックがぶつかり合う音が、静まり返ったオフィスに虚しく響いた。
 深夜三時四十二分。
 東京都港区にある雑居ビル、その五階。株式会社「フロンティア・ソリューションズ」の制作部フロアには、もはや空調の送風音と、俺――工藤聡(くどう・さとし)が叩くキーボードの打鍵音しか存在していなかった。

 蛍光灯の白い光が、じりじりと網膜を焼いている気がする。
 瞬きをするたびに、まぶたの裏側で砂粒が擦れ合うような不快な摩擦感があった。ドライアイ用の目薬は三時間前に空になった。ゴミ箱に投げ捨てたピンク色の小さなプラスチック容器が、カランと虚しい音を立てたのを今でも鮮明に覚えている。

 俺は充血して霞む視界を、強引にピント調整しながら、目の前の二十七インチモニターに映し出された「それ」を睨みつけた。

 Microsoft Excel。
 緑色のアイコンでおなじみの、表計算ソフト。
 現代のビジネスパーソンにとっての武器であり、盾であり、そして時に、魂を縛り付ける鎖でもある代物だ。
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