ハルのみた夢
長い長い夢からようやく僕は目を覚ました。
目を覚ますと目の前にはヴァルがいた。
「おぉ……よかったちゃんと生きてる。」
「あれ、どうなったっけ?」
そうだ……僕はたしかエデンの光りを浴びて…それであの夢をみていた
ゆっくりと体を起こし、夢を思い出そうとする。宵崎隼の記憶が一気に押し寄せてくる。それと同時にいきなりとんでもない頭痛が襲ってくる。
「いて“て”ててて!!!」
あまりの痛さにその場でのたまっちまう。
数分ほどしようやく痛みが落ち着いてきた。
「おいおいおいおい!大丈夫かよ…」
「だいぶ、収まった……かも」
マシにはなったが依然と痛みは続いている。
「おかしいな…一応、体に損傷はなさそうだったんだが…脳への損傷の場合はさすがに治せないぞ…。何か心当たりとかある?」
「…なんか長い夢をみて……」
「夢?なんだそれ。」
「えっと…」
夢で見たことを話そうか迷ったが、そもそも確証がないため行ったところでヴァルが混乱する可能性がある。とりあえずは確証が取れるまでは黙っておくことにした。
「今って…どういう状況なの?なんで僕たちは要塞の中に……」
「お前にエデンの光りが直撃して倒れていたお前をデュポンがここまで運んできたんだよ。ついさっきのことだけど」
「ついさっき?!」
……夢で見た記憶は明らかに2年以上が詰まっていた。なのに現実ではほとんど時間がたってないのか?そもそも、あの夢自体本物なのかすらわからない。けど、ただの夢では片されないほどの現実味があった。
「……というかエンマはどうなったの?」
結局、肝心なところで意識がなくなってたため、エデンの光りを浴びた閻魔大王がどうなったのか知らなった。
「?…あぁそれも知らないのか。ちゃんと消えたよ。跡形もなくな。」
そのときバン!と扉が開く音が聞こえた。
扉のほうを見ると息を切らし膝に手をついているデュポンがいた。
「よかったあああ、ちゃんと意識戻したみたいで」
そのまま僕の体にデュポンが飛び込んできた。
「ぐへ」
ぐきぐきと体から変な音がなった。
「ほんとごめん、僕のせいっだったから。」
正直なことを言うと、宵崎隼の記憶が一気に流れ込んだせいか直前になにがあったのかなりあいまいになっている。
……たしかデュポンをかばったような、ないような…
「いや気にしないでよ、僕もこの間黒ポンに助けられたわけだし。とにかくデュポンも無事よかった。」
ふとあることを思い出し周りを見渡した。
「どうかした?」
「いやエデンはどこに行ったんだろって…」
今回の作戦はエデンのおかげだったししっかりお礼はいっておきたい……ところだったがエデンがいる様子はなかった。
「あ、エデンは終わるなりすぐにどこかにいったよ。ハルには『当ててしまってすまない』って最後に言ってたくらいだね」
「そう…」
エデンにならあんな夢をみた原因くらいは聞いてみようと思っていたため少し残念だ。
「これから、緊急の集会が開かれる。十中八九、閻魔大王が消えたことについてだろうけど。とりあえずお前はここで休んでろ。」
「いや…でももうだいぶ平気だけど」
「それでもだ。反抗するようなら縛るぞ」
「……わかったよ」
渋々ヴァルの言うことを聞くことし、そのまま部屋の外へと出ていった。
僕もあきらめ横になった。
数分後
ガチャっ扉があく。
……あれ、ヴァルたちかな。戻るの随分早くないか?。
扉のほうを見ると、そこには帰ったはずのエデンがいた。
「エデンさん…帰ったんじゃ」
「さすがに一言くらいは謝罪しておこうと思っただけだ。すまなかったな。」
…エデンさん、意外ときっちりしてる人だよね
「なんで帰ったて嘘を?」
「………ヴァルっていうやつとあまり一緒にいたくないからだ。」
エデンはどこか嫌そうな顔をしていた。そういえばヴァルもエデンには会いたくないと言っていたことを思い出した。
…なんが2人にあったのかな、というかヴァルってほんと何者なんだろ
この騒動が終わったら自分のことを話すって言っていたため、その時に一緒に聞くことにした。
「一応、ヴァルには特に以上はないって診断してもらったけど…」
「けど?」
もしかするとエデンさんなら何か知ってるかもと思い、夢のことを話すことにした。
今はとにかくあれが現実だったのかを確認したいという気持ちが勝っていた。
「その…実はその気絶している間、変な夢をみて、でもやけにリアリティがあって…」
エデンは僕の夢の話を嘘だとは疑わずちゃんと聞いてくれた。とりあえず宵崎慧が閻魔大王であるという疑問や詳しいことは伏せて、大まかに地球という星が滅んだ夢をみたということを話した。
「なるほどな…私の使ったあの光はこの世界のバグを治す力がある。夢を見させる効力なんてものは、はなから存在しない。可能性として考えられるのはバグとして修正された彼女と一緒にいたお前に何らかのかかわりがあって共鳴した……くらいかな。」
「共鳴……」
もし僕の前世がエンマの弟なら、その繋がりから共鳴したというのにも納得がいく。
「……ただの夢だから、深刻に考える必要はないといいたいところだが話の中で言っていた人類の滅亡しかたについてだが実際の滅亡の仕方と全くもって一致している。」
「え?」
エデンは僕を見るでもなく、どこか遠い過去をなぞるような虚ろな目で続けた。
「人々は次々と体から血を吐き出し、辺り一面火の海となり人類は一人残らず絶滅した。詳しい原因については今だ解明されていない。」
僕は人類がどういうふうに絶滅したかなんて全くもって知らない。そんな状態であそこまで繊細な夢を見れるわけがない。
「……じゃあ、僕のみた夢って」
「恐らく、本当にあったことだろうね。」
宵崎慧…エンマの起こしたことはすべて事実。
エデンの言葉が重く冷たく胸に突き刺さった。
あとがき




