表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
82/107

タバコ

 当日の朝、長髪男が例のように屋上に来てタバコを吹かしていたらしい。俺たちの機材は、シートで隠してある。楽器の一部は放送室にも置いておいた。

 奴は馬鹿だから、普段はそこにないシートの存在になんか気がついていなかったよ。けれどな、馬鹿なのは俺たちも一緒だったってわけだ。俺たちはその機材を、屋上の影に隠したつもりだったんだが、そこはさ、音楽室のある場所からからは丸見えだったんだよ。まぁ、シートが乗せてあるから、そこになにがあるのかまでは分からないが、普段はない物があるっていうのはおかしいからな。先生はそれを、当日の朝に見つけたんだ。

 音楽室の奥の楽器置き場が、先生にとっての憩いの場だった。窓の外を見ると、見慣れないシートがある。確認しようとの責任感くらいそりゃああるよな。木札のついた鍵を持って、屋上へと向かった。

 屋上のドアが、ガチャっと開く。奴は馬鹿だから、先生に向かって、タケシもここが好きだよな。なんだかんだでよく来るよな。振り返りもせずにそう言ったそうだ。

 誰がタケシなんだ? こんな所でなにしている? ここは鍵がかかっていたはずだろ? 生徒は立ち入り禁止だぞ。

 その声にまず、奴は驚くよな。うわぁ! マジかよ・・・・ なんて固まっていたんだろうな。

 タバコか? そんなの身体に毒なだけだぞ!

 うるせぇ! 奴はそう言って、火のついたままのタバコを、火を向けて先生に投げつけた。

 熱っ! 投げられたタバコは見事に命中した。先生の額が、焼けた。

 慌てる先生の隙を見て、奴は逃げた。そんな状況で、待てぇの声に従う奴なんていないよな。

 全く、困った奴だな。そんなことを呟きながら、先生はシートの元へと向かっていく。そっと捲り、中身を確認する。ニヤッと頬を緩ませ、あいつらか・・・・ そう言ったんだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ