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気持ち

 なんだ・・・・ バレちまったようだな。そう言いながら俺が振り返ると、ユニフォーム姿のユウキが腕を組んで仁王立ちしていた。俺より背が低いはずなんだが、見下ろされているような感覚に陥った。

 一人で来たの?

 当然だろ? 俺がいたんじゃ迷惑か?

 そんなことないよ。ユウキの顔が、少しだけ綻んだ。

 一生懸命なユウキの姿を見たかったんだ。怒ってるんなら謝るよ。

 怒ってなんかないけど、急に来るなんてずるいよ。ここは女子校なんだよ。タケシ君、そうじゃなくても目立つんだからな。

 俺は別に、普通なんだけどな。背だって人並みだし、顔も髪型も、服装だってそこら辺の若者となんら変わりはない。目立つ部位は一つもない。まぁ、女子校の中なら、多少は目立つかも知れないがな。

 ユウキと一緒にいられるんなら、目立っても構わないよ。ユウキだって、とても目立ってたぞ。やっぱりユウキはさ、一生懸命な姿が一番輝いてるよな。

 もう・・・・ そんな恥ずかしいことよく言えるよね。顔を真っ赤に染めるユウキは、やっぱり可愛らしい。

 今日は何時まで練習なんだ? できれば一緒に帰りたいんだけど、ダメか?

 ダメじゃないよ・・・・ けど、みんなに誤解されちゃうかも・・・・ 私は別に構わないんだけど・・・・ ユウキは照れているのか、モゴモゴと呟く。聞き取り難いが、俺には問題がない。愛の力は絶大なんだよ。なんてな。

 誤解ってなんだよ。俺たちが兄妹だってことか?

 もう! ふざけないでよ! 付き合ってるって思われるじゃない・・・・

 なんだよ、それ。嫌なのか? っていうか、付き合ってるじゃダメなのか?

 ダメなわけないじゃない。けど・・・・ ちゃんと告白されたことないし、彼氏いるのって聞かれるといつも困ってるんだよ。ユウキはそう呟く。

 俺の気持ちはさ、じゅうぶん伝わっているだろ? 口で好きだって言わなくても、身体で表現しているんだ。俺がユウキを好きだってことは、みんなに伝わってるんじゃないか? これが俺なりの告白だよ。ユウキはそれを受け入れてくれている。それが答えだって俺は思ってたけど、違うのか?

 ・・・・そうだけど、やっぱり言葉で聞きたいんだよ。私だって、これでも女の子なんだよ。

 ユウキのその言葉に、俺の胸が苦しんだ。そうだよなって思ったんだ。口には出さなくても気持ちは伝わる。それは確かなんだけど、言葉として気持ちを聞きたいこともあるんだよな。それもまた確かな気持ちだよな。


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