Ultra Additive
シス君の手帳という名前の紹介コーナー
【人物】
【フリオ】
顔が四角く、のっぺりした顔をしている。
東国の人間っぽい
作戦から外された時すごくしょんぼりした顔をしていた気がする。
無口かと思いきや実は意外と饒舌だった。
好きなことを語らせると止まる気がしない、ハリオが本当の苗字らしい。
近接戦闘が得意な、東国のサムライ、オチカタの爺さんに憧れているらしい。
【アリアナ・クローネ・トリアイナ】
シガレットの口から出た名前。
詳細不明、友人か、知り合いか、家族?
シガレットの知り合いの妹だと言うことが判明した。
些か疑問も残るが、まぁ、そうなのだろう。
水を操る魔女であり、危うく殺されかけた。
【ジャヴァウォッキー】
舌が伸びたり、腕が太かったり、ものすごい速度で走ってくる草食動物の頭骨を被った化け物、いっぱいいた。
【シンディ・ジェーン】
事件に巻き込まれたアパレルショップ店員。
ロークタウン中央病院で治療中
【ジェームス・ロック】
事件に巻き込まれたバンドマン。
アルティに手をかけたらしい フリオもきちんと見ていたわけでは無いが、違う可能性があるらしい。
ロークタウン中央病院で治療中
【アルティ・セラサニア】
女子高生、胆力が凄い。
血にも切創にも臆さなかった。
将来は警察官や医者になると、その胆力を遺憾なく発揮できるんじゃ無いだろうか。
【建物】
【ローク地下放水路】
地下4階層、五十メートルに広がるロークタウンの地下放水路。
最地下の区画以外に食糧庫や武器庫、保存区画、通信区画、監視カメラなどがある。
英国が攻め込まれた時のシェルターにもなる。
【毒にも薬にもならないおまけコーナー】
「お待ちかねのおまけコーナーじゃよ。」
「いや、誰も待ってないだろ。」
「いや、ワシがな?」
「お前がかよ……。」
「早速じゃが今回のゲストはこちらじゃよ。」
パチンッ(電気が一度消えてすぐ電気がつく)
「……えっ、なにここ?」
「アリアナ姐さん!見て下せぇ!奴らでやんすぜ!」
「は? シガレットとシス……?」
「え、そのバケモンそんな流暢に喋れるのか?」
「いや、あり得ないけど……なんで、普通に喋ってんのあんた。」
「えっ!? 本当だオイラ喋れてる!」
「ここに呼んだからじゃな。」
「あんたが呼んでくれたから喋れる様に……感謝感激でやんす……!」
「……気持ち悪いわね、暫く黙っててくれる?」
「そんなご無体な!ねぇ、シスさん!」
「いや、俺もそんな流暢に気味の悪い化け物がそんな口調で話してきたら、同じこと言うが。」
「ひ、酷いでやんす……。」
「で、今回も舞台裏を語っていくとしようかのう。」
「え? このまま話が進む感じ?」
『クラリスの奴は凄かったんだな、この状況に順応できるんだから。』
「なんか食べ物とかないんでやんすか?」
「お前飯食えたのか。」
「いや、脳味噌啜るくらいしか出来なかったんでやんすが、今なら食えるんじゃないかなぁと。」
「は?」
「あっそう言えば、本編ではやってなかったでやんすね。」
「ああ、そういえば匂わせるだけ匂わせてシーンはなかったわね。」
「懸命な読者諸君は気づいておったかもしれんが。」
「残念でやんす……プルプルの小脳を啜りたかったでやんすよ。」
「相手が悪かったのう、フリオが上手いこと動いてたから仕方ないことじゃよ。
ほれ、蕎麦でも啜っておるんじゃな。」
「これが蕎麦でやんすか! 極東にいた時にアリアナ姐さんが食ってて羨ましかったんでやんすよ!」
「うわ、舌をストロー状にして啜ってる。」
「脳味噌もそんな感じで啜るわよ。」
「つくづくバケモンだな。」
「化け物でも傷つくでやんすよ……?」
「そう言えば回想でいろんな国に行ったとか、占い師が勝手に死んだとか言っとったのう。」
「勝手に? いきなり心臓麻痺になったとかそう言うあれか?
というか、回想を?」
「とりあえず、シス君はことの顛末を頭から読み直すがいいわい。」
「原稿用紙を投げつけるな!」
「……口を開いてもいいかしら?」
「いいわい、好きに話せ。」
「姉さんを探している最中に藁にもすがる気持ちで姉さんの居場所を占ってもらった人達は、全員死ぬか、良くて廃人。
唯一、ローマ法王が私の話を聞くのを避けて生存したくらいかしら。」
「ふむ、お主の姉のことを占っただけでか……酷い話じゃのう。」
「なんでああなったのかはわからないんだけど、作者は説明の義務があるんじゃない?」
『無いです。』
「うわ喋った。」
「できるだけ喋らんでほしいんじゃがのう。
ん? そんな目で見てどうしたシス君。」
「……アリアナは、最初に入った村で人を殺したとか回想してたみたいだな。
シガレット、対象にならないのか?」
「……なんだよ、その目は。」
「あのね、ジャヴァウォッキーが喋るくらいだから確かにここでは何話しても良いのかもしれないけど。」
「人の記憶の中の話を引っ張り出されてものう。」
「仲良いな、でもこの場所はそれも込みで答えを寄越すためのものじゃないのか?」
「賢しいのう。」
「こう言うのは賢しいじゃなくて、意地汚いじゃないの?」
「まぁいいわい、確かにここはそう言う疑問に答える場所ではあるからのう。」
「ただの殺人はそうじゃが今回は貞操も関わっておるし、アリアナ自身はしっかり一旦我慢しておったしのう。
例外は何事にも存在するし、彼方やシルヴィアがアリアナを殺す為に動かんかったから対象から外れておるのは間違いなかろう。」
「割とざっくりだな。」
「そうでやんすね。」
「ーーうォッ!? もう食い終わったのか!?」
「まだ腹は減ってるでやんすよ?」
「…今おまえ俺の耳を見て舌なめずりしなかったか?」
「…………そんなこと、ないで、やんす、よ?」
「おい、シガレットォッ!」
「五月蝿いのう、小脳くらい啜らせてやらんか。
どうせここで起きたことは、次回の話ではなかったことになっとるんじゃから。
前もそうじゃったろう。」
「前? ……あ。」
その時、シスの頭の中に過ぎったのは、イースタンの手によりコロンビアネックレスを処された時の記憶だった(笑)
「おい、なんで前と同じでここだけ俺の心情吐露してやがるんだ!?
あと(笑)ってなんだ!? 一回死んでるんだぞ、俺!」
(笑)
「巫山戯んなよクソッタレが!」
「じゃぁ啜っていいでやんすか?」
いいよ(笑)
「良いわけねぇだろ!」
「わーい!イ、イタダ、キ、マス!!!」
「ちょっと待ちなさい。
一つその男に質問があるから。」
「そんなぁ、姐さん、生殺しでやんすか!?」
「……助かった……質問?」
「そ、あなたが私に投げつけてきた剣の話。」
「いや、お前も読めばいいんじゃないか、これ。」
「止めてあげたんだから、それくらい教えてくれても良いでしょ。
なんなのアレ? あなた魔女じゃ無いんでしょ? 斬れ味もおかしかったし、突然空中から現れるし。」
「あれはオチカタの爺さんがくれた髪の毛だよ、敵意を込めて投げつけたら刀になるらしい。
どうやって元に戻るのかはしらねぇけどな。 あっ、そういやあの刀ーー。」
「ズボンのポケットを確認するんじゃ。」
「あ? ……なんでこんなところに。」
「最後ワシが振っとったじゃろうが、髪の毛に戻して入れておいてやったわい。」
「……そういやお前、すんなりこれ振ってたな。」
「ん? まぁのう、三桁も生きておったら剣術くらい覚えられるわい。」
「兼定のだったのね、道理で切れ味がいい訳だわ。」
「そういや、これもある意味異能で作られている訳だよな。
異能で攻撃すれば殺せるって言うのは再生能力に関係ないのか?」
「ふーむ、そうか、その辺りにことを話しておくとしようかのう。」
「ちょっと待って、シス、あなた質問はそれで最後?」
「? ああ、気になってるのは其処くらいだな。」
「そう、じゃぁいいわよジャヴァウォッキー。」
「わぁい^ ^」
「は!? ギッ、ガッ、ーーーあっ。」
「…まぁ、止めたが助けるとは言っておらんかったのう」
「で、異能の刀の話だっけ。
……これ質問者本人が死んだけど話す意味あるの?」
「ん? まぁあるのう、此処を見ている存在がおるからの。」
「ああ、さっきから感じていた視線ってそう言うアレなのね。
私達の状況を劇に見立てている何者かの視線。」
「さて、デバガメ屋諸君に語るとしようかの。
そもそも、彼方兼定のこの髪は刀に変貌するが、あくまでもこの刀は彼方の手を離れた時点で異能の力を失っておる。」
「そうね、私も遠くに行き過ぎた水は力が及ばなくなるもの。」
「結果として残るのは髪から刀への変形機構とありえない程の切れ味だけじゃな、異能の力は魔女の力が粒子のようなものでコーティングされて初めて機能すると思っておけば近いじゃろう。
魔女が認識を止め、手から離し、託した時点で別のものに変わる。
理由も理屈もワシには分からんがな。」
「原子番号119番、ヘキサニウムとかってことでいいのかな?」
「ふむ、いい命名じゃのう。
まぁ、実際は粒子かどうかもわからんし、そんなものがあるかどうかもわからんが、取り敢えずそう言う事にしておこうかの。」
「だいぶメタな言い方ね。」
「まぁ舞台裏じゃし構わんじゃろ、それに本当にダメなら作者から止めが入るじゃろうしな。」
「……そんなものなの?」
「そんなもんじゃよ。」
「姐さん! お腹いっぱいでやんす!」
「ああ、食べ終わったの?」
「ふむ、シス君が無様に耳から血を流しておるのう。
良い子には見せられん絵面じゃからーー。」
(指を弾く音と同時に電気が消える。)
「わわっ! なんでやんすか!?」
(突然電気がつく音)
「ーーぁ?」
「うわ、生き返った。」
「……そりゃどう言う意味だ?」
「無限に小脳を啜れるってことでやんすか!?」
「何言ってんだこのバケモンは?」
「あー、アリアナもジャヴァウォッキーも、このシス君は少し前のシス君じゃから。」
「ーーとんでもないことをされたのだけは分かった」
「詳しく説明」
「しなくていい、吐きそうだ。」
「そう、残念。」
「……お前もSっ気あるよな。」
「言うに事欠いてサドかどうかの話する?
それならあんたはドがつくマゾなんじゃないの?」
「すまなかった、忘れてくれ。」
「……そろそろ帰っていい?」
「いいぞ、足労じゃったな。
お帰りは其処の扉から出れば元いた場所に戻れるぞ。」
「いや、足労も何も気づいたらここにいたからーーまぁ疲れたのは事実だけど。」
「じゃぁの。」
「ええ、またね、シガレットとシス。」
「んじゃ、俺も帰るか。 死ぬほど疲れたから泥のように眠りてぇ。」
「まぁ実際に死んだしのう。」
「……うるせぇ。」
バタンと、扉を閉じる音が響く。
真っ白な空間の中、ただ一つある扉の前に残るのはタバコの魔女ただ一人。
その魔女が、まるで振り向くようにあなたの方を見る。
その、白い肌に映える真っ赤な双眸で。
「さて、二人とも帰ったのう。」
そう、魔女が独り言ちる。
だが、瞳は未だ貴方の方を見ており、その目が嬉しそうに歪んでいく。
「ーーーじゃがお主らは、聞きたいんじゃないか?」
まるで三日月の様に細められたその瞳は、そう、何処か無機質に見えるだろう。
「『定義』とは何か、『厄災』とはなんなのか、『フラム・フランシスカ』はどこからやってきたのか、『あの女』は一体なんなのか、シス君が突然記憶を書き換えられたのは何故なのか。」
魔女の口から放たれたその言葉は、確かにあなたの興味を引く内容だったのかもしれない。
「まぁ、あえて言っておこうかのう。
それは今後の話で明らかになるじゃろう、それまで好きに考察でもなんでもするがいいわい。
悪いが、お主らの声はワシには届かん。
その窓の外でどれほど叫ぼうが、どれほど語ろうが、ワシにはその言葉を理解する術がない。」
口角も上げ、魔女が心底意地の悪そうに微笑う。
「あくまでも此処は幕間、物語の境界線。
此処でワシに出来るのはどう足掻いても開示できる情報の羅列のみよ。」
そう言いながら、魔女はドアノブに手をかける。
「では、の。
此処まで読んでくれて感謝じゃ、この作品を作った者も喜んでおるじゃろうて。」
扉が開き、魔女が足を踏み出す。
そして、その場所から扉すら消えさり、後には何も残らなかった。
と言うわけで、初めましての方は初めまして。
そうでもない方はごきげんよう。
冬草です。
今回は約一ヶ月半に渡り連続投稿してみました。
一日だけ下痢で死んでたので無理でしたが。
そんなこんなでWater Hazardいかがでしたでしょうか。
楽しんでいただければ幸いです。
また前作とは違い今作は1人も死にませんでしたね。
まぁこれも理由があります。
今作で殺人をアリアナが犯すと、シガレットがアリアナを殺さざるを得なくなるからです。
アリアナは今後も登場させる予定なので、全員生き延びました。
また、シガレットがアリアナを焼き尽くさなかった理由はシス君が生きてる事が分かったからです。
良かったね、アリアナ!
さて、Water Hazardは終わりましたが、物語はまだまだ続きます。
次回作、『正義の光(仮)』をよければお楽しみにして下さい。
とは言うものの、今年9月に同人イベントに出る予定なので続けて投稿は厳しいですがね。
別サイトで書いた東方プロジェクトの小説用のイラストも描かねば……と言うわけでまた近々お会い出来れば幸いです。
それでは。
2023/03/15 冬草




