ザッド、再び
「これよりザッドへ降下する!」
「総員衝撃注意!」
カミトとえりなの指令によって、僕たちが乗ってる母艦はザッドへ降下開始。
この母艦の名前はクーフーリン、神話ではその光神の子らしい。ガーディアンスの戦艦はよく英雄の名前から命名するようだ。
僕たちは星間任務を行う必要があるので、マーヴェレヴェス様は他の超神たちの了承を得て、この船をカミトに任せた。
しかしこの戦艦本来のスペックでは星間航行には不可能だったけど、カミトは貫雷魔剣の光子を使って、この船はその不可能を超えることが出来た。
うん、貫雷魔剣を操縦できるのもカミトだけだから、凛はカミトに譲れた。
それはどれほどの安心感は言うまでもない。だって超機龍や機神レベルの敵でなければ、貫雷魔剣一機で制圧できるからな。
「全機関部運転正常!」
正式に技工兵科長に任命されたグレイトからの報告。カミトはその報告を待っていたように、続きの指令を出した。
「よし、突入!」
星は違うけど、基本の自然原理は一緒のようだから、突入する時、戦艦外部の温度は想像することすらしなかったほど高くなった。
つまり今外は高温のせいで真赤になっている。
「まさかあの時の私はこれを突破したの?」
特別許可で指揮室にいるリジルザックスさんはそれを見た時、ちょっと信じられないの表情になった。
今更だけど、これはどれほど無茶な事、リジルザックスさんは知った。
どれくらい時間をかかったのはもう知らない、けど長く震動はやっと終わった。
「突破できました、重力圏内の航行は安定できました」
船の操縦士からの報告。
僕が意外だと感じたのは、まさか操縦士は技工兵科に所属すること。
他の指揮室のメンバーはほとんど通信兵科なのに。
隊内の器械問題は全て技工兵科の範囲内だから、船の操縦はもちろん含めてって、なるほど。
『カミトか?』
僕たちの船の前に、一頭見覚えのある赤い巨龍が飛んでいる、そしてそれを乗ってる人物は…
「ああ、そうだ。久しぶりだな、エド」
おそらくこの船を感じたから、急いでシックリスさんを乗って確認しにこっちに来た。
「てっきりあの大聖殿艦で来ると思ったけど、違ったか」
カミトからエドに乗艦許可を出した後、エドはそのまま指揮室に来た。
「あの力のせいで、俺はセラフィーブリンガースから独立しなければならなかった」
「そうか。ところで、織姫は元気か?」
「この部隊のシェフを彼女に任せている、今もこの船に乗ってる、呼ぶか?」
「いや、大丈夫だ。それより、俺はリジルザックス様に感謝と謝りをしなければならない」
エドはリジルザックスさんに頭を深く低くて敬礼した。
「あんな無茶な星渡り方法は二度としない方がいいぞ」
「正直俺もできると思わなかった。本当に申し訳ありません」
「いいえ、そのおかげで私は星辰の女神様と会えたし、任務も達成したし、もう大丈夫だよ」
僕の勘では、一番重要なのは、リジルザックスさんは自分の気持ちを確認できた事。
「お許しをいただけた事、本当に有り難うございます」
なんだかエドの姿勢は低すぎじゃないと思って、けどリジルザックスさんがどれほどの危険を経ったと思ったら、納得できた。
「結果オールライだから、その謝りもほどほどにな。むしろ俺はそろそろ本題に入りたいけど」
「そうだな、しかしできれば密談したい」
「えりなは大丈夫な」
「構わない、むしろ俺もそう欲しい」
「では本艦はこれよりザッドの空を旋回しながら待機する!」
「はい!」
カミトとえりなは指揮室から離れるつもりだから、指揮権は一時に斎香に任せている。そしてカミト、えりな、そしてリジルザックスさんは指揮室から離れた。
僕はこっそりついて行くつもりだったが、途中でリジルザックスさんに見つけられてしまったから、彼女に抱き上がれて、そのまま一緒に会議を参加した。
え?まあ、これもいいだけど。
エド=リチャルソン:
真身は死の騎士であるレカーライヴズ王国王家導師、現王夫の父、そして現女王の保護者。重月龍デゥカラガンの鱗から作った剣「月の裁き」を持つ、しかしその剣の真の姿は、「至高光芒の剣、混沌を切り開く極光、『最終幻想』」である。




