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英雄の倅〜今度は絶対に闇落ちしないと誓う、邪神を身に宿した聖剣使い〜  作者: 厨二病
プロローグ『ラスボスルート/ダイジェスト』
8/8

フェイ・マグナの憧憬

祝!ブクマ10件達成!!

さらに評価もつけられ感謝の極みです!

思ったより早く目標達成できてニヤニヤが止まりません。

文字数少ないですが、早く感謝の言葉を描きたかったので投稿させてもらいました。

ありがとうございます!

 フェイ・マグナは英雄の息子だった。

 今は協会連合長を務める父は過去、救世の英雄であるアドラ・ヴァン・ガウディアと共に旅をし、迷宮都市にある世界でも最高と呼ばれるダンジョンで踏破記録を更新した。


 ついた通り名は紅蓮の瞳。


 炎の魔法を扱い、燃え続ける魔剣を手に数多の強敵を屠った実績が認められ、凡そ20年前、協会の方から運営に携わる誘いを受け今では長を務めることになった。


 協会に身を置くと共にそれまでのパーティを抜けることになったが、彼はそれからも度重なる事件を解決し、王の覚えめでたく一代限りながら男爵位を与えられることとなった。


 それと共に協会での地位も上がり、拠点を王都へ移しそこで重役に携わることになったことまで有名な話だ。


 貴族の立場にありながら、その実殆ど貴族らしいことをする必要がなかったため、変わったことといえば家名にマグナを授かったことだけだろうか?


 名をガスター・マグナ。


 それがフェイの父にして憧憬。

 死んでも死に切れないくらい追いかけ続けている背中だった。


 彼は言う。

 フェイは耳を疑ったが、確かに言った。



「目指すなら、俺みたいなちっぽけな背中はやめとけ」

「この世界は広い。見上げればきりがないし下を見てなけりゃすぐに足を掬われて地の底だ。要するに俺はそこが限界だったんだ」

「だからな、これは父としてできる数少ないアドバイスだ」 

「もっと上を見ろ。そこには色んな奴がいて、そいつらもみんな上を見てる。その頂上には最強がいて、誰もがそいつを目指してた」

「他の誰よりも近くでそいつを――世界を救ってしまうような背中を見続けてきた俺が言うんだ。間違いない」



 なら、オレが本当に目指すべき場所は――。




 フェイは思い出す。

 雪を踏みしめ森を駆け抜けたあの日のことを。

 今も鮮明に覚えている、幼き頃の憧憬。


 出会ったのは珍しく雪が降り積もったその夜だけだったが、命を救われ、気絶から目覚めた次の日には家族が増えたなど、印象的なことが多く、同年代で敵無しだった自分より強かった存在がいたことに驚いた記憶がある。


 昔、フェイが追った小さかった背中は、今では大きく成長していた。

 あの時、手を伸ばせば届きそうな気がしていた背中は、もっと遠く離れて。


 距離が開いてしまったことに、抱いた感情の名をその時自覚する。



「すげぇ……すげぇ!」

「マジかよ、あいつって確かまだ学生だったんじゃねぇのか!?」

「前人未踏だったんだぞっ」

「これで最後のSランカーが決まったな」

「〜〜ッ、くそっ、俺もダンジョン潜ってくりゅ!」

「お、おい一人で行くな!? 死ぬぞ!」



「あの黒い髪……」

「ああ、あいつか。覚えておけよフェイ。お前と同世代で、間違いなくあいつが、次の英雄になる男だ。

 ―――【神童】アレス・ヘルト。ここの迷宮の最高踏破階数に、あの救世の英雄がパーティで挑んで成し遂げた偉業をたった一人で打ち破った、今もっとも有名な冒険者だ」




 フェイはいつかのように、まるで周囲に興味がないとばかりに立ち去っていくアレスの背中を見送り拳を握りしめた。


 鼓動が高鳴る。

 想いは、やがて、身体中を包み込む。

 赤い瞳は、かつての父と同じように憧憬を映し、燃え盛るような熱を孕んでいた。

これが恋か……。



設定資料


○ガスター・マグナ……赤髪紅目のおっさん。初期の勇者パーティメンバーな立ち位置。フェイの父にして、今や世界中が結びつく為の組織である協会連合の長を務めている。実力は最盛期より落ちるが、今なお健在。実の息子フェイの他に四人の養子を取り、親バカっぷりを発揮している。とある人物について気を使っているそぶりを見せる。



時系列


アレス及びフェイは15歳。つまり幼少期から6年の歳月が流れた。



裏設定


国家間の表立った対立は今のところ見られない。しかし裏では争いがあり、暗黒時代(魔王軍が破壊の限りを尽くしていた時代)と比べればマシになったものの、寧ろ貧富の差は広がりつつある。



とりあえずの情報開示です。あまり補足ばかりに頼りたくないのでなるべく本文に書けるよう心掛けようと思ってます。


次は目指せブクマ100件!

今度こそ何十話とかかりそうですが、それまでお付き合いいただけると嬉しいです。

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