8,創造主
アクションの描写は苦手です笑
ヒマリは、咄嗟的に両手を突き出した。
その瞬間。
フィールドから音が消えた。
すべての、音が。
「っあ………………………」
しばらくして、ヒマリは目を覚ました。
"何か"の衝撃波で気絶してしまっていたようだった。
ヒマリは、目の前の景色を見て、茫然と立ち尽くしていた。
「…………………………"また"………………………"やっちゃったの"………………………?」
地面はえぐれ、近くにあった大きな岩も吹き飛び、周りの木々は倒れ、ゼロ距離にいたはずのゴーレムも消え去っていた。
ヒマリは、無意識のうちに右耳に触れる。
そこで、ヒマリは気が付いた。
「………………………イヤリングが、ない………………………」
そこには、いつも付けているあの銀色のイヤリングはなかった。
口を半開きにして固まったまま、ヒマリは心の中でぽつりとつぶやいた。
(どうしよう…………あれが、ないと………私………)
元々白い肌が、ますます白くなっていく。
ヒマリは一人、誰もいなくなったフィールドで立ち尽くしていた。
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「予想通り、だね。」
一方同じ頃。
ある暗闇の部屋では、人影の指がせわしなくキーボードの上を走り回っていた。
「にしても、プログラムまで【破壊】しないでよね、ひよ。
おかげで、現在チュートリアル中の新規プレイヤー約二十名に魔物が入っちゃったんだから。」
ぼそぼそとひとり呟く人影。
そして、三台すべてのパソコンに数英文字列がびっしりになった時、人影はカチッとEnterボタンを押した。
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何もかも絶望しきった表情で、ヒマリは茫然と立ち尽くす。
と、その時だった。
「?!」
瞬き一回の時間。
ヒマリがぱちりと瞬きした瞬間、目の前の景色が変わっていた。
というより、"元に戻った"。
もちろん、ゴーレムはいなくなったけど、えぐられた地面に倒れた大岩も木々もすべて元通りに戻ったのだ。
ヒマリがあっけにとられて、別の意味で立ち尽くしていると、突如、どこからか声がした。
『こんにちは。プレイヤーヒマリ。』
どこか機械質で、低めの男の声だった。
「あ、あなたは、誰?」
『創造主、とでも呼んでくれ。
早速本題に入るが、………………君のその力、【異能力】だね?しかも、とても強力な。』
「………………………」
創造主と名乗るその男の言葉に、ヒマリは黙り込む。
『別に、無理強いさせて話させることはしないから、安心してくれ。
だが、君のその能力は危険だ。
先ほど、このゲーム内のプログラムが少々誤作動を起こしてしまったが、私が直したので問題はないのだが、これからプレイヤーヒマリがこの世界で暮らしていくには少し大変だ。』
「…………………では、私はやめたほうがいいのですか?」
ヒマリの口から、警戒の混じった声が漏れる。
だが、創造主は言った。
『いいや。
このゲームは、現実世界のプレイヤーの力も入れて進めていくゲームだ。
それでは君のような力を持って"しまった"人は、このゲームが出来ないということになるのではないかな?』
「………………………言っていることがよく分かりません。」
『少し遠回りしてしまったかな。
君には、その力を少々封印するための"ペンダント"を授けよう。』
すると、突然、ヒマリの胸元で「シャラリ………」と金属の擦れる音がして、銀色のロケットペンダントがいつの間にか首に掛けられていた。
『それは、付けていることで簡易的な結界を君の力に発動させ、封印する力を持っている特別なネックレスだ。それを外さない限り、君の力が発動することはない。自分の意志以外では。
そのロケットの中には鏡が入っていて、君と似たような、現実世界で生まれつき持つ能力をはねのける力を持っている。もちろん、君の力を強制発動させるものをね。』
「どうして、あなたは私にそこまでしてくださるのですか?」
創造主の言葉を遮り、ヒマリは口を開いた。
すると、
『それは、いずれ………………………それでは、楽しんでくれたまえ!!!』
まるで、何かを隠すかのように、彼の言葉は切れてしまった。
ヒマリは、少し警戒したような目でロケットペンダントを見つめる。
と、その時。
『ひ、ヒマリ~!?大丈夫?』
久しぶりに聞いたような、妖精の少女の声が聞こえてきた。
ヒマリは、何も感じられない無表情から一転、向日葵の咲くような満開の笑顔でフィラメントに言った。
「うん!全然!!」
にっこりと微笑んだヒマリ。
何事もなかったかのように騒めく木々。
ピロリン♪
ブロックゴーレムLv5を倒しました
ピロリン♪
称号 逆転 を入手しました
二度、続けてあの鈴の音が鳴り、ヒマリは複雑そうな笑顔でその通知を見る。
すると、久しぶりに見たテロップが、ヒマリの目の前に表示された。
【これで、チュートリアルを終了致します。
このメッセージを読んだ十秒後にワールドへ転送します。
それでは、ヒマリ様、
改めまして、【Fantastic Tree 世界樹と大精霊】へようこそ!
ヒマリ様にとって、素晴らしい冒険となりますよう、お祈り申し上げます!】
次回からは、長かったチュートリアルが終わり、ようやくワールドへ向かいます!
ちなみ、次からはヒマリ視点で展開していく予定です




