63. 第3章その27 新魔法
(次に書いてあるのは、っと)
“ファイアーストーム”
魔法の名前的には地味な感じだが、火と風の複合魔法だった。
カゼールの記述によれば…。
“使いどころを考えないと、周りに迷惑どころか災害になる。
十分経験を積み、発動範囲を細かく設定できるようになるか、半径約3キロメートル以内に燃えても問題ないものしかない場合に使用すべき。“
相当デンジャラスな魔法の様だ。
火事に注意しないと…。
3番目は“ボルケーノ”
火と地の複合魔法。
“対象範囲の土を溶岩と化す。
範囲と深さをコントロールし、変化速度は熟練により上げる必要がある。
変化範囲は魔法発動後、冷却すると岩石化するため注意が必要。“
(いやいや、注意が必要って、溶岩だから岩溶けてるから。
範囲が数十m程度まで拡大できるなら、跳躍力がなかったり空を飛べない魔物はほぼ殲滅できるじゃん。)
変化速度が低いので、素早さが高い場合は逃げる事が可能だが、かなり応用が利く魔法である。
最後の4番目は“ウルティメイトフリーズ"
対象を要するに絶対零度、(記載では極限の冷気となっていた)で攻撃する水系統の魔法。
単体攻撃だが、魔法防御力が術より劣れば瞬殺可能なえげつない魔法だった。
火属性の魔物には効果が薄いが、それ以外の魔物にはかなり効果が高い。
あっという間に時間が過ぎたが、十分な成果が得られた。
図書館をでると急いでホームに戻った。
「ショウ、遅いわねぇ、先に夕食を食べちゃうとこだったわよ。」
「すまない、ちょっと本に夢中になっちゃって。」
「へえ、何か良い知識得られたの。」
「うん。
数種類、威力や効果が高い魔法の知識が得られた。」
「それは楽しみね。
ただ知識が得られたからって、それが使えるとは限らないわよ。
まあ、ショウの場合は使えるとは思うけど。」
通常は、属性や魔力の容量、イメージ力などで発動させる事すらできない場合もある。
「ああ、そうだといいが。
明日からは、忘れないうちにしばらく訓練するよ。」
場所に関しては、先日のジャイアントタートルと戦った場所あたりを考えていた。
次の日、将はギルドの依頼を受けるときと同じような装備で、先日の湖のほとりまで移動した。
周辺を警戒し、魔物や人間がいない事を確認する。
「よし、じゃあ“フライ”から練習するか。」
そう独り言を言い、訓練に入る。
まずは一応、風属性の方でチャレンジを行う。
イメージとしては、下から上への上昇気流、人間の体を浮かせるほどの風の強さは強烈すぎるので、空気の密度を高くする。
両腕を広げて風を受けやすくすると、体が少し浮いた。
さらに、足の元に小さな竜巻をイメージするとさらに上昇していく。
上記の訓練を2時間ほど行うと、何とか2mぐらいまで体を浮かせホバリングできるまでになった。
(ホバリングさせないで崖とかを飛んで昇る時なんかは、もっと高く簡単にできそうだな。)
ただ、この浮遊では、浮遊そのもののコントロールに神経を集中する必要があるため、他の事は何もできそうになかった。
次に、重力コントロールでの“フライ”に挑戦する。
これは単純に重力を切るイメージでいけるとは思ったが、何が起こるかわからないので、まずは徐々に重力を弱めるイメージを行う事にした。
自然に体を下に引っ張る力をイメージし、それがイメージできたら、その力を徐々に弱める。
すると、体が軽くなった気がしたので、垂直跳びをしてみた。
なんと簡単に3mぐらいジャンプできた。
「これは、これで使えそうな気がする。」
さらに弱めていくと下に引っ張るちからがなくなる感覚までいった。
そのあと、軽くジャンプすると2mぐらいの場所で体が空中で停止する。
先ほどまでの体に感じていた下に引っ張る力のイメージを横に与えると、その方向に自然落下する様な速度で移動し始める。
前後左右、上下に自在に重力がコントロールできる様になる頃には日が傾き始めていた。
最後に訓練によって固まったイメージを使って。
「フライ!!」
呪文で空中に移動する。
一度できてしまうと、自転車に乗る様な感覚でコントロールできるようになっていた。
重力でのコントロールは、比較的単純なので、他の魔法も使えそうな感じであった。
「サンダーストライク!!」
雷が地面に落ち、慣れている魔法であれば併用可能である事もわかった。
「さて、今日はそろそろ帰りますか。」




