大正時代の終わりに生まれた人達の冷蔵庫に関する信仰を語り継いでみよう
冷蔵庫と言う文明があるでは無いですか
僕が生まれて生きてきた間
ほとんどずっと冷蔵庫はあったんですが
特に
実家のばあちゃんの「冷蔵庫の力への信仰」
って言うのがすごくて
ばあちゃんは
冷蔵庫に入って居るものは
絶対に「悪くならない」と言う信仰を
持っていたんですね
冷蔵庫に入っていれば大丈夫
ちょっと変質してしまっても
絶対に「腐らない」と言う信仰を持っていたのです
なので
何時から閉まってあるのか分からない
表面に青いカビが生えているバター
とか
何時から賞味期限が切れているか分からない
レモン汁(ポッカ○モン)
とか
ずっと前に大量に作ってタッパに詰めて
そのまま保存され続けて居る煮物
とか
煮込んで味をつけてつゆだくのままで
ポリ袋に入っている茶色い何か
とか
いろーんなものが冷蔵庫にひしめいていました
後 じいさんとばあちゃんは
戦後間もなくの
「腐った魚が凍った状態で配給された事件」
を体験したことがある世代なので
じいさんは
凍らせた魚なんて食えたもんじゃねぇ!
とずっと信じていたんですよ
これもある種の宗教です
ばあちゃんが
料理した魚が余った時に凍らせると
じいさんは何時も「食えなくなった」と言って怒っていた
ばあちゃんも大概な人なので
夏の最中に大量の茄子を煮込んで
絶対余るって言うのに
大皿でそれを食卓に出して
あんまり人気がなくてやっぱり余って
それにラップをかけておいて
翌日
温めもせずに食卓に再提出
って言うかもしかしてずっと置いてあった?
と言う事も行なっていました
冷蔵庫に入れる時もありましたが
「熱を通した物は無菌化される」
と言う信仰も持っていたらしく
絶対腐ってる煮物が
一週間くらい食卓に出てくるのです
「何で食べないんだ!」
と言っているばあちゃんも
食べない
あれはイビリの類だったのかな?
そんなわけで
大正時代から戦時戦後を生き抜いた人にとっては
冷蔵庫は「氷属性の魔法の箱」
で
コンロは「火属性の魔法の箱」
だったんでしょうね
ファンタジーに理解のある人なら想像できると思うんですけど
「魔法で保存してあるなら『時止め』レベルで腐らない」って思っちゃうのと
似ている気がします




