アイリの小屋の改築と栄養土の成果、カジキの新しい釣り竿
ゲームアナウンス『』
アイテム名〖〗
スキル名⦅⦆
職業【】
翌日、早速僕はアイリの小屋の改造を行うことにした。現在の小屋はこんな感じ
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アイリの残した小屋
ランク2
耐久度:30
品質:標準
解説:冒険者アイリが残した小屋。素材を持ち込むことで不思議な力でさらなる強化が可能
・必要な素材
木材(ランク2以上)×50
ガラス×10
石×50
鉄の塊×3
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ガラス、石、鉄の塊については集まっていたが、ランク2の木材についてはずっと手に入っていなかったんだ。今回やっとトレントの木材(ランク2)が手に入った。でも現在は唯一の貴重なランク2の木材。現状木材は杖や剣の柄など武器や防具をはじめ様々な生産品に使われている。
攻略メインの人は武器に、生産メインの人は商品に使うだろうけど、僕はどちらかというとゲームを楽しむエンジョイ勢なので今自分がしたいことに極力消費しようと思ってる。だから気になっていた『アイリの小屋』に使うんだ。
小屋の前でウィンドウを呼び出し
『素材を消費して『アイリの小屋』を強化しますか?』
はいを選択すると小屋は光に包まれ変化していく。先ほどまでは少しきれいな小屋のようだったが、小屋の大きさは拡がり、壁にはガラスの窓が付き、屋根は木材から石レンガに変わり煙突が付いていた。
内部に入ってみると木材で作られた本棚、机、石レンガでできたかまど、ベッドが置かれていた。カーテンがないので窓から日光が直接当たるのでさっさと用意した方がいいな。でも窓からはコッコ達やミルキーフライ、ヒルメー、畑や成長した世界樹の樹が見えた。
ふとヒルメーの方を見ると、白ヒルメーの角がいきなり伸び黒ヒルメーの毛を刈っていた。よく見ると角は伸びたのではなく風の魔力を纏っているのが分かる。え?ヒルメー達は自分たちで毛を剃るの?僕は少し唖然としたが小屋の観察を中断し急いでヒルメー達の下に向かった。
すでに周囲に黒の羊毛だけではなく白の羊毛も散乱しており、わずかばかり羊毛を残したヒルメー達が気持ちよさそうに体をくっ付けている。すると周囲の羊毛が風魔法で集められそれぞれ白と黒の塊となり、2匹のヒルメーの前に現れるとヒルメー達はその羊毛の塊を転がして僕に渡してくれた。
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ヒルメーの白羊毛
ランク3
重さ:500g
耐久度:150
品質:高品質
解説:ヒルメーの身体に生えている羊毛。ヒルメーの羊毛は一般に売られている羊毛より良質で高級品である。ただし少しでもストレスを感じると毛の品質は落ち使い物にならない。
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今度は羊毛だ。これも色々と使い道がありそう。でも説明文を見るともしかすると倒したり無理やり毛を刈ろうとすれば品質が悪い羊毛が入るのかもしれない。だったらヒルメー達の気分に任せて(剃毛は)ほっとこう。
さてヒルメーの事はあったが『アイリの小屋』の説明文を見てみようかな。
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ケンの家
ランク3
耐久度:200
品質:標準
解説:冒険者アイリが残した小屋が改築によりプレイヤーの家に変化した。
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どうやら僕が家主の家に変わったみたい。これからは普通の家の扱いと同じように自分で作るか誰かに頼んで改築するしかないみたい。今まで小屋は作ってきたけどさすがに本格的な家を作るのは無理だな。街できいたけどあるプレイヤーが知識もなく見よう見まねで家を作ったら家に押しつぶされてゲームオーバーになったって聞いたからここは本職(建築家)に頼んだ方がいいだろう。
家の確認は一段落したので次は以前使った栄養土(錬金製)の成果の確認だ。目の前には片方には栄養土(錬金製)を混ぜ込んだ薬草の畑、もう片方には普通の薬草の畑。成長速度は変わらず両方の畑から採取してみると普通の畑の方では標準品質7割、低品質3割の薬草が採れた。当たり前だが農作物を作るときには種がいる。種の入手先としては
1.店で買う
2、魔物のドロップ品
3、スキル⦅株化⦆で入手
の3種類があるが全ての種で同じ品質の農作物が採れるわけではない。薬草を例とすると普通店で買った薬草の種(10個入り)の場合、低品質7割、標準品質3割の割合で薬草が採れる。ただ環境が悪かったりすると全ての種から薬草が出るわけではない。
では、この割合をどのようにして変えるかというとそれが品種改良だ。と言っても複雑なことは無く、標準品質の薬草を⦅株化⦆で種に変え再び畑で育てるのだ。これを繰り返すことで少しずつ良い品質が育つ薬草ができる。ちなみに⦅農家⦆関連の職業にはこれらの品種改良にボーナスが付く職業がある。
そして栄養土(錬金製)を使った畑では
「おお」
低品質1割、標準品質8割、高品質1割。栄養土(錬金製)を使うだけでここまで改善するなんて。高品質の薬草についてはNPCの市場でたまに売られることがあるがまだプレイヤーが見つけたり育てた報告は無かった。
これ(栄養土(錬金製))は量産した方がいいな。この効果が分かったら絶対売れるだろうし。栄養土(錬金製)の有用性を考えているとカジキからフレンドコールが届いた。どうやら新しい釣り竿ができたようだ。僕は早速ヒミコ達を連れセンターの街に向かう。
「おう、待たせたなケン、シズクちゃん」
カジキに教えてもらった場所に向かうとそこには小さいながらお店があった。店内には竿、リール、糸、重り、針、ルアーなどの釣りの道具の他に生きている魚が入っている水槽なども置いてあった。
「へぇ~、カジキも店を持ったんだな」
「ああ、これもリールについて教えてくれたケンのおかげだ。あの後色々改良してリールを作ったんだがそれが売れてな。その資金で店が持てたんだ。そしてこれがケンとシズクちゃんの釣り竿だ」
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特注釣り竿
ランク3
耐久度:200
品質:標準
解説:カジキが作った特注の釣り竿。竿にはトレントの木材、糸にはミルキーフライの上質な糸、リールは鉄製である。
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「すごいじゃん。リールは鉄製にしたんだ?」
「ああ、木材よりは丈夫だが重たいのが難点だな。改良点としてはプラスチックやステンレスとか軽くて丈夫な素材が見つかったらもっといいのが出来そうだ。だけどな」
カジキは1枚のスクリーンショットを見せてくれた。そこには全長1mぐらいの巨大な魚を持ったカジキの姿が映っていた。
「『AI』の海で結構大きいブリが釣れたんだ。今までの竿なら沖まで糸が届かなかったからつれなかったし、もし釣れたとなっても糸が切れていたかもしれない。これもケンのおかげさ」
カジキは嬉しそうにお礼を言ってくれた。えへへ、なんか恥ずかしい。竿を受け取った僕たちはカジキと少し話した。カジキはどうやら仲間たちとシンソの森をクリアしてセリオル湖畔に行くそうだ。どうやら図書館で調べたところ、セリオル湖畔を抜けると新しい街があるようでその町は港町で大きな海に沿って発展しているらしい。だからセリオル湖畔の攻略を進めて早くその町に行きたいみたいだ。




