第一次運営イベント⑲ ミステリーパラディン戦・後編
さて装備がかわってミステリーパラディンのパターンはどう変わるんだ?僕達が何が起こっても大丈夫なように身構えていると、ミステリーパラディンは薙刀を構え素早く振り下ろした。すると剣の時に発生した斬撃より小さい斬撃(それでも十分大きい)が僕達を襲う。
この斬撃は速いだけでなく、ミステリーパラディンは連続で薙刀を振るってその度に斬撃が放たれる。盾持ちのメンバーは盾で受け止め、躱せるメンバーは躱し、無理なメンバーは盾持ちのメンバーの後ろに隠れる。この斬撃は10発放たれたが、剣での斬撃に比べ盾で防ぐこと(わずかにダメージを受け、その場で動けなくなるが)ができたから、基本的な戦術の盾で受けて後衛が攻撃ができそうだ。
「⦅タイダルブラスト⦆⦅アクアスプレット⦆」
早速盾を構えたヒビキの背後から、シズクが詠唱をすませた精霊魔法による巨大な水の弾丸と水魔法の多数の水弾を放つ。しかし
「え?嘘でしょ?」
ミステリーパラディンは先ほど装備した盾でシズクの魔法を防ぎ、再び薙刀を振り下ろす。ダメージエフェクトも出てなかったからどうやらあの盾は魔法を完全に弾くみたい。
今度は薙刀の斬撃を躱したマリーさん、ウルフのガルムが接近戦を挑むがそれぞれ薙刀と盾で防がれている。薙刀の方はわずかにダメージエフェクトが、盾の方はダメージエフェクトなし。
つまりあの盾は魔法、物理とも完全無効されるみたい。強すぎだろう、あの盾。有効な戦い方は薙刀の斬撃が終わった後、囲んで魔法でも物理でもいいから盾の隙間から攻撃ってとこかな。
みんなも同じ考えの様で薙刀の斬撃が終わった後それぞれ行動に移そうとした時、ミステリーパラディンは一瞬で薙刀から剣に持ち替え上段に構える。え?持ちかえられるの、その武器。
ミステリーパラディンはそのまま剣を6度振り下ろし6つの巨大な衝撃波を打ち出し、僕達を撃退していく。何人か接近して攻撃できたが盾ではじかれる。そして再び剣による回転攻撃で吹き飛ばされる。
さすが最後のボス、この島の中で戦ったどの敵よりも強い。とりあえず攻撃パターン覚えながら包囲して攻撃していこう。僕達は
・ヒビキ(タンク)、ヘスト(ヒーラー)
・ウィン(メイ)(タンク)、アカリ(ヒーラー)
・ケン(タンク)、ヴィオラ(セイラ)(ヒーラー)
を中心に後はアタッカー(物理、魔法)をそれぞれ適当に分け3グループ作成し、それぞれ別方向からミステリーパラディンに攻撃を加えていく。このメンバーで攻撃していったのだが
え?それも変わるの?
ミステリーパラディンは盾と薙刀を入れ替え、連撃の斬撃を放ってくる。どうやら盾は常に持っているわけではないようだ。両手に武器を持った状態ならこっちの攻撃が効きやすいかも。そして
『敵対勢力の戦力を上方修正。新たにミステリースマッシャーの武装を追加』
再び地面から武器が出てくる。今度は鎖のついた巨大な鉄球だ。ミステリーパラディンは片手で鎖をつかむとそのまま振り回す。もう片方の手には薙刀が握られており、多数の斬撃が僕らを襲う。僕は盾で斬撃を防ぐけど
「危ない、ケン!上」
離れていたヴィオラから焦っている声が聞こえると同時に僕たちがいる場所が少し暗くなった。慌てて上を向くとミステリーパラディンが投げ放った巨大な鉄球が押しつぶそうと頭上から迫っていた。これはよけられない。僕は少しでもダメージが減らせるように頭上に向けて盾を構え、衝撃に備えた。
ズドーン
くぅぅぅぅ
すごい衝撃で体全体がしびれたが、どうにか耐えられた。でも残りHPは1桁。危なかった~、もうちょっとでゲームオーバーだった。だがまだピンチは続いていた。ミステリーパラディンはすでに薙刀から剣に持ち替えており上段に構えている。
あ!今度こそ死んだなこれ
先ほどの鉄球の衝撃で体がしびれて動かない僕はミステリーパラディンが剣を振り下ろすさまを諦めの表情で眺める。そしてミステリーパラディンの剣から6つの衝撃波が放たれる。
「あれ?生きてる」
どうやら運よく衝撃波の間にいたみたい。ラッキー!体のしびれが解けた僕は後方に控えていたヴィオラに近づく。するとセイラが回復魔法を使ってくれた。
「危なかったわね」
「ああ、さっきの攻撃が当たってたら僕も一回死んでたからね。あの鉄球は結構厄介かも」
今度はヒビキに向けて鉄球が振り下ろされる。ヒビキはさっきの僕への一撃を見て受け止めるのは危ないと思ったらしく鉄球を躱す。しかしミステリーパラディンの攻撃はそれだけでは止まらなかった。
ミステリーパラディンは両手で鎖を掴むとその場で回転を始める。すると鎖に引っ張られるように鉄球も回り出し巨大なコマへと変化した。偶然後方で待機していた僕とヴィオラ以外は突然の回転攻撃に対応できずに吹き飛ばされる。
あ、アカリとバイロン、マリーさんが倒れちゃった。回復が間に合わなかったんだな。だけどこの回転攻撃はミステリーパラディンにも負担があったようで全ての武装を破棄しその場でたたずんでいる。これはチャンス!
そして・・・・・
『本体損傷度一定値を突破。これにより最終形態『魔力解放』に移行します』
すると地面の紋様から赤、緑、黄、茶色の光がミステリーパラディンに降り注ぐ。すると剣には炎、盾には電気、槍には風、鉄球には砂がそれぞれ纏われていく。
やっと最終段階みたいだ。どうやら武器に各属性の魔力が付与しているようで、攻撃パターンが変わりそうだから様子を見た方がいいだろう。みんなも同じ考えのようで全員その場で油断なく構えている。
少し戦って攻撃パターンの変化が分かった
まずは薙刀。魔力解放前は直線状に斬撃が飛び、当たると衝撃で1秒ほど動けなくなってしまうため、できるだけかわしていた。だが魔力開放後の斬撃は地面に落ちるように放たれ、斬撃が地面に衝突すると一定範囲内に風の竜巻が発生するようになった。この竜巻だがどうやら拘束効果があり、ヒビキが斬撃を受けていたが以前より長くその場で動けなさそうだった。
次に剣による攻撃だが全てに火属性が追加されており、触れると燃焼効果が付与され一定時間ダメージを受ける。この燃焼状態は水系のスキルを受けるか、ヘストの⦅キュア⦆、そしてすべての状態異常が回復する⦅ミステリーキュアポーション⦆で回復することができた。
次に鉄球だがたたきつけられた場所から周囲に⦅グレイブ⦆が放たれるようになり、回転攻撃をすると砂嵐が発生しミステリーパラディンの姿を隠すようになる。この砂嵐はあらやる物理・魔法をはじくため、回転攻撃後の無防備なミステリーパラディンに攻撃することができなくなった。
そして最後に盾。物理・魔法完全無効は同じだが、盾に物理攻撃を当てると盾から電気が放出され、周囲の敵(ミステリーパラディンからみると僕ら)に麻痺の状態異常を付与するようになった。さらに一定以上盾に攻撃を当てると盾が放電を始め、その放電した盾をミステリーパラディンが地面にたたきつけると広範囲に大ダメージを与える雷を発生させる。
このように魔力開放状態のミステリーパラディンは状態異常攻撃も駆使し、さらなる強化が施された。僕たちは先ほどと同じく3つのチームに分かれ新しい攻撃にもダメージや状態異常になりながらどうにか対応していく。そして・・・
「⦅剛破斬⦆」
ガイウスのスキルが直撃し、ミステリーパラディンの武器から光が失われていく。
『損傷過多によりこれ以上の活動はできません。そのため封印の維持困難となります』
ミステリーパラディンはそう言い残すと光となり消滅していった。




