エピローグ
2017/10/17 少し修正。
前言撤回。
雨宮は俺とはやはり違う。
その行動力と積極性はおかしい。
「如月君、部活を始める前に、部長として、どうしてもあなたに聞いておかなければならないことがあるのだけれど、あの不思議な生き物は何?」
千条がどこまで気づいているのか、そんな物言いで雨宮のことを聞いてくる。
いや、丸わかりだろうな。さっきからちらちら俺を見ては、手をモジモジして顔を赤くしている。
しかし、雨宮よ、お前、俺の邪魔はしないって言ったよな? みんなにも黙ってるって言ったよな?
じゃ、なんで部室にいるんだよ!
「黙っていては分からないわ」
「お、おう。入部希望者……なのかな?」
「ええ、すでに入部届は受け取ったし、それは見れば分かるでしょう。そうではなくて、この間、林間学校の時に同じ班になったけれど、そのときは雨宮さんはそこそこ普通だったわ。どうしてここまで症状をこじらせているのか、あなた、何か知っているのではなくて?」
「いや……まあ、知っている事は知っているんだが、それは個人のプライバシーに関わると言いますか」
「では具体的には答えなくても良いけれど、あなたが何か雨宮さんに刺激を与えたという理解でもいいのかしら」
「まあな」
「まさか告白したんじゃないでしょうね?」
「いや、それは無いぞ。いくら何でもそれは無い。俺は色々と懲りてるからな。でも、諸事情で誤解を招く発言はした」
「そう。全部諸事情の誤解だそうよ、雨宮さん。如月君は本心ではあなたなんて何の興味も無いそうだから」
酷いな、千条。
「待て。興味はあるし、仲良くしたいとは思ってるぞ」
「いい。私は、ちょっとコイツが気になってるだけだから、気にしなくていい」
雨宮も言う。
「そうは行かないわ。いえ、これは……部長として、ええ、部長として部員の行動は管理する責任があると思うから二人には言うけれど、誤解はきちんと解いておくように」
「千条さん、それは無理なんじゃないかな」
優希が言った。
「ボクも気づいてたけど、雨宮さんは如月君のことが好きみたいだし、それは誤解なんかじゃないから」
「あなたのように?」
「な、なんのことかな、あ、あはは…」
「もー、ちょっとみんな、そう言う雰囲気にするの、やめようよー」
奈緒が良いことを言う。
「そうだな。俺も奈緒に賛成だ」
「問題の先送りね。でも、まあそれでいいわ。他に解決策も思いつかないし」
かくして、ほどよく緊張感のあるお茶会となる。
スッキリはしないのだけれど、しかし、壊したくない何かが確かにそこには存在していた。
そして俺は悟る。
女子と付き合ったからと言って、いきなりそれだけで世界が華やぐわけでは無いのだ。
きっとリア充に見えてる奴らにはリア充なりの苦悩もどこかにあるのではないか。
重苦しい人間関係は永遠に続くのだ。
だが――。
不思議と、部室のみんなを見ていると、この面子なら、別に関係が続いてもいいのではないかとも思う。
つまり結局は相手次第。
ダーウィニズムの自然淘汰において生物学的弱者である俺のようなぼっちは絶滅させられるのが宿命だが、実際の生態系には棲み分けというものがある。
だから俺は文化部という、この安住の場を大切にしようと思うのだ。
最後まで読んで頂いてありがとうございます。
思い切り外した感(;´Д`)……
男の娘が書けて私としてはそれなりに満足なんですが。
また別の作品で前向きに行こうと思います。ではでは。




