閑話 ショックな配信
とあるプレイヤー視点
要塞攻略&都市防衛イベントは酷すぎるものでした。
誰も要塞を攻撃したら都市が大進攻を受けるなんて思わなかったのです。
あのワールドアナウンスを聞いた瞬間多くのプレイヤーが青ざめていました。特にセカンドとフォースにパートナーが居るプレイヤーの多くは絶望してました。
なんせシックス最初のイベントで圧倒的な殲滅力を見せたシックスと磐石なまでに守備体制を作ったサードと堅牢に作り替えられて化物じみた守護者のいるフィフスの都市とは違いセカンドもフォースもまるで守りに向いてなかったのです。
多くのプレイヤーが都市の方へ戻ろうとしましたがそこには見えない壁が無情にも立ち塞がりました。
こうなったら1秒でも早くクリアしよう。私達はバランスブレーカーを持って突撃しました。後ろから「どうしよう巻き込んじゃうから撃てない」という声が聞こえた気がしましたが目の前の敵を早く蹴散らしたいのは皆同じです。バランスブレイカーのおかげで簡単に敵は切り裂けますが敵の数が多すぎてなかなか前に進めないのです。SPやMPが切れて勢いが落ちたら後方に下がる。相手に回復の隙を与えない継続的な攻撃が私達の強みです
左右の要塞から時おり大轟音が聞こえてきます。大物の敵でも居るのでしょうか?
そんな中セカンドが防衛成功したとアナウンスが入りました。あのキラキラリさんと言えば確か入浴関連の魔道具を前線に送ってくれるギルドの職員をやってる方だったと思います。
ほどなくしてセブンスが解放されました。
はるという方はあまり聞かない方ですね。
そんな中左右の要塞が立て続けに攻略が終わったようです。
続いて始まりの都市のファーストが防衛成功しました。
しかしながらそのアナウンスはとても不吉な情報も伝えてきました。
損傷率2%という恐ろしい言葉です。
続いてフィフスが防衛成功しました。
私も全力を出しきって後方に下がって今は回復な専念してる所です。残る都市はサードフォースシックスです。
もうフォースにパートナーを残してきた方は可哀想な位落ち込んでます。
魔力切れを起こした子達が根性で都市の情報を集めてました。
しかしながらこんな戦争状態で配信をしてる人なんて全然居ませんでした。
そんな中最近始まった謎の「ふぉぉぉぉぉ」おじさんはばたばたしてる王都の光景を写してました。こんな時でも通常営業のこの方はいったい何者なのでしょうか?
何も状態が得られないと思ってましたが遠目ながらお猿の被り物をした女性プレイヤーが壁殴り配信をしてくれと呼び掛けてました。
私達はその2つの配信を必死に探しました。
よほど焦ってたのでしょう。2つとも配信を切らず文字通り飛んで向かってるのです。ネコの男性は真っ直ぐとフォースへお猿の女性は切り立った山脈にそって昇りながらサードへ
先について写し出されたのは外壁が破られたフォースと魔物が町の人を襲いかかる光景でした。
ネコの被り物をした男性が魔物達を次々と倒していきます。
彼が活躍すればするほど現地の生々しい傷痕が嫌でも理解できてしまうのです。
残りの要塞が攻略され、被り物をした女の子達がシックス方向に飛んで行きました。
悔しいですが今から走って向かっても到底間に合うとは思えません。
そして頑丈だからと後回しにされたサードの方はもっと酷かったのです。何故こんなことが起きたのか理解できませんでした。お猿さんの被り物をした女性は門の外付近の後続の魔物に向けて信じられない威力の魔法をぶつけると今まさに絶体絶命の守護者様の近くの魔物を恐ろしい速度で殴り倒していきます。
本当ならドローンは撮影対象にピッタリとくっついていきますがあまりにも早いせいか遠目からの撮影モードになりました。
至るところで倒れる人々、使われる前に破損したポーションが入ってた思われる木箱、生き残ってる人も居るようで時おり魔物に向けて色々な属性の魔法が飛んでいきます。
この場の空気はお通夜状態でした。
シックスの防衛で20%の犠牲
フォースの防衛で55%の犠牲
そして
サードの防衛は73%もの犠牲でした
フォースを防衛したネコの被り物の男性はフィフス方面へ
お猿の被り物をした女性はセカンド方面へと飛び立っていきました。
その2つの配信が止まるまで私達はただ呆然と見つめることしかできませんでした。
あちこちからすすり泣く声が聞こえて来ます。
遠くから聞こえる『ふぉぉぉぉぉ』おじさんの陽気な歌声がレクイエムのように響き渡るのでした。
最近良いニュースばかりで忘れかけてましたがここはデスゲームの世界
一歩間違えればあの男性プレイヤー達のように殺されていたのは私達だったのかもしれません。
私は涙をこらえて「帰ろう」と呼び掛けました。
都市に戻って生存確認をするのはとても怖いですが逃げていてはお葬式にも立ち会えませんから。。。
だってあの配信に写ってたペンダントはあの人に送った物だったのだから。




