順和13年8月15日 3
適当なカップ麺を食べていると、時間がつぶれた。カップラーメンのスープを飲み干す人はいるらしいが、私は飲まずにずっと机の上に置いていた。
あと20分だ。待ち合わせ場所に向かおうと思ったが、まだちょっと早い。M駅に駅舎がないせいで、待ち合わせ場所は暑すぎる。真鈴ちゃんが計画してくれたので文句は言えないが、正直、涼しい避難所のようなものがあるところが良かった。水筒は持ってきているが、外で待ってるとすぐ飲み干してしまいそうなほどには暑い。カラオケについたら涼しいことを信じるしかなかった。
コンビニのWiFiにつないでスマートフォンでTwitterを見ていると、もう13時50分となっていた。私は、待ち合わせ場所であるM駅までそろそろ行くか、とも思った。しかし、他の4人も暑すぎるみたいで、駅の近くにあるドラッグストアの中の座る場所に腰かけている、とラインで連絡が入ったので、私は自転車でそこまで向かっていった。途中で30代くらいの非常に背の高い女性(180cmくらい)に道を聞かれたのだが、すみません急いでいます、と言って断ってしまった。
14時になる前に、私はドラッグストアに到着した。もう4人はついているようだった。電車が全然ないところでは、自転車が必須になる。5人とも自転車できていたので、みんなで5分ほど走ってカラオケまで到着した。
私たちは、中に入った瞬間、「涼しい」と声がそろった。ワンドリンクオーダー制のカラオケだが、学割のおかげでドリンクバーが無料となる。5人は、4時間歌うことにした。店員が、真鈴ちゃんに部屋番号の書かれた紙を渡した。
「先に部屋行っといて」真鈴ちゃんは私にそう頼んで、紙を私に渡した。そこには、「ルーム番号 015」と書かれている。探すのは困難ではなく、すぐにその部屋は見つかった。私は、4人に場所を伝え、飲み物を適当に持ってきた。
数分後、4人がやってきた。どういう順番で歌うかは決めていなかったが、とりあえずはじゃんけんで勝った順ということになった。万咲ちゃんに、「ヘリアンサスガールズの歌ってまだないの?」と聞かれたが、まだCDは出てないから、ない、としか言えなかった。実は決まっている、と言いたかったが言わなかった。
じゃんけんの結果、1番目に歌うのは亮太くんに決まった。洋楽界隈でそこそこ有名な「アレン・フルフォード(Allen Fulford)」の「Proof That I Love You」を歌うらしい。5人のうち彼を含めて3人は知っていたが、私と大翔くんは知らないようだったが2人ともアレンフルフォード自体は知っているようだった。それにしても、亮太くんは歌がうまかった。カラオケで90点台前半が安定している。少しうらやましい目で私たちは彼のことを見た。
2番目に歌うのは私に決まった。正直何にするか決めていなかった私は、「ツバサ」を歌うことにした。10年ほど前、ココT県A市の吹奏楽コンクールの課題曲として制作された音楽だ。原曲は6分くらいあるらしいが、歌謡曲にアレンジされるときに3分弱に編曲されたらしい。私がアイドルを受けるときのオーディションの課題曲でもあった。そういう経緯を話し、私は4人の前でツバサを歌った。




