順和13年8月15日 4
歌詞は一般の公募で集められたらしい。当時中学生の田村真帆さんが応募したものが採用され、合唱曲としてアレンジされた、という経緯があると聞いている。「扉を開いたら見える 7色の景色が」という部分が印象的な歌だ。
3番目に歌うのは万咲ちゃん。真鈴ちゃんは彼女のことをマサちゃんと呼んでいるのだが、私としては響きが男性名っぽいので普通に万咲ちゃんって呼んでいる。彼女は、ベリージェリーの有名ソング「ミルフィーユパフェ」を歌うようだった。10年前の歌なのだが、未だに人気があるようだ。私は、オーディション受けたけど書類選考の段階で落とされた、と言うことをみんなに話した。
「私もね、今年の9期生募集のときに応募したんだけど、書類選考で落とされちゃったんだよね」と真鈴ちゃん。初めて聞く情報だった。他の3人は、私の話も真鈴ちゃんの話も初耳だったらしく、かなり驚いているようだった。
知名度がある女性アイドルは、人数が極めて多い(聞いた話だと、各期生だけで15人近く行くものもあるらしい)ものが多い。ベリージェリーも例に漏れず、全てのメンバーを数えれば100人近く行く。それほど大がかりなユニットだ。多すぎると、メンバーが覚えられなくなるんじゃないの、と思うのだが、万咲ちゃんは全員は把握していなかったようだった。
万咲ちゃんのベリージェリーの推しは、3期生のひぃきゃんって子らしい。ひぃきゃんとその子とよく一緒に写っている子は把握しているが、他は全然覚えていないようだ。
2分くらい5人でこんな話をしていると、亮太君が「早く曲入れなよ」と発言した。会話に夢中になりすぎて、歌を入れるのを忘れていたらしい。万咲ちゃんは、会話を終えてリモコンを操作し、「ミルフィーユパフェ」を歌い始めた。「甘さを透明なグラスに載せて」といった、妙に頭から離れないような歌詞とメロディーが特徴。万咲ちゃんの歌声に聞き入り、気づけば曲が終わってしまったが、メロディーはすぐには頭から離れなかった。
4番目に歌うのが大翔君、5番目が真鈴ちゃん。このループで1人8回ほど歌うと、もう時間になってしまった。あんまりよく聞くミュージックの話はあまりしない関係だが、どうやら亮太君は洋楽、私は所謂合唱曲がアレンジされたもの、万咲ちゃんは女性アイドルグループの歌、大翔君がお笑い芸人の歌、真鈴ちゃんが男性アイドルグループの歌と、絶妙に5人の趣味は被らないようだった。
私は歌い終えた後、会計を済ませ外に出て、自転車をこいで自分の家の方向に帰っていった。




