スピードendC 探しにいく
私はスピードを捜しに、手当たり次第他の城を回った。
もしかしたら“王の集会”なんて楽観的に考えたから。
だけど、他の城の王たちはそこにいた。
なぜかスピードだけ消えてしまったようだ。
なんで、私は彼ことを必死に探しているんだろう。
最初に会ったときは、牢に入れられたりしたのに。
なぜかわからないけど、スピードがいないのは嫌だ。
「おーいスピードー!」
彼がどこにもいない。
“――聞こえますか、異端者よ――”
なにか、隔たりに阻まれ、反響する声が聴こえる。
「誰?」
“――この世界を創造した形ノ奇神です――”
「あなた神様なの!?」
“――いかにも――”
「ならスピードがいまどこにいるかわかる?」
“――彼の者は、己を閉ざしました――”
もしかして――――
「この石?」
“――そう――”
「どうしたらいいの?」
“――異端者よ、貴女は彼の者を救うか――”
「私にできるなら助けたい!」
私がそう言うと、いつの間にか真っ暗な世界にいた。
「ここは……」
突然、スポットライトがつく。
「スピード!」
椅子に座りながら意識をなくしたスピードが、明かりに照らされている。
駆け寄って、揺らしてみた。
体温がない――――。
異世界の人だから、それとも――――
「彼はもとから死んでいるよ」
聞き覚えのない声が、暗闇から聞こえた。
「だれ!?」
「ただの道化の戯れ言さ――――」
声は消えた“スピードは、もう死んでいる”それはどういう意味だろう。
スピードの手をとる。
「まだ感想、聞いてない。お願いだから起きてよ……」
気に入らなかったなら、完璧になるまで何度だって作り直すから。
「そうだな、お前の手で作り直してくれ」
「スピード!」
――――――――――
あれから何日か経った。
「ねえ、どういうこと」
起きがけに、部屋に押し入るメイド達に私は青いドレスを着せられて、今にいたる。
「こういうことだ」
伸ばされたスピードの手をとると――――
「おめでとう。」
「……一応祝福します
お似合いですよ」
「一等王、おめでとうございます今後とも、四等風情のクライスめを……」
三人がいた。
「いや、マジでどういうこと?」
「我が妃よ、これから永遠に傍にいろ」
「え?」
こうして、私はこの世界で暮らすことになった。
【endC永遠の青世界でスペクタクル】




