アルハードendC 疑う
「あなたアルハードじゃないでしょ」
「セイカイ、ザンネンだけど、シカタないなあ……」
イロヅキはたいして悔しそうではない。
「……一階に言ってみて、本物のアルハードがいるよ」
私はイロヅキの言う通り一階へ行く。
本当に彼が本物のアルハードだとしたら。
どうなんだろう――――
私はアルハードを見つけ、背後からそろりと近づいた。
「せっかく逃がしてあげたのに、また吊るされに来たんですか?」
捕まれた手は冷たく冷えていた。
「アルハードの手、冷たいんだね」
「そうなんですか?」
本人にはわからないようだ。
それに、私の手が暖かいかも感じないみたい。
「ここは異世界だもん、しかたないよね……」
「元の世界へ帰るんですか?」
アルハードは目をふせた。
「帰りたいけど、手段がないんだよね……」
「そうですか、なら今度は何をしましょう」
アルハードは嬉々として室内の物をガサゴソと捜索している。
「何か食べたいものは?」
「いきなりなに?」
「願えば何でも出てきますよ」
「……グラタン」
ホワイトソースの熱々焼きたてが食べたい。
心の中で願うと、グラタンがテーブルに現れた。
「……すごい!」
頭の中で想像したものが簡単に出てきた。
「あ、美味しい。帰るのが少し惜しくなっちゃったかも~」
「……ずっと、この世界にいればいいのに」
「何か言った?」
「いいえ、何も」
【アルハードendC...赤の世界でハティマニカ】




