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アルハードendB 去る
アルハードはふざけているのだろうか。
私はその手を軽く放して、部屋を移動した。
一階の広間にいくと―――
「……アルハード」
さっきまで二階にいたのに、一階にいる。
どうなってるんだろう。
「そんな所につったって、どうしたんです?」
不思議そうな顔できかれた。
「あなたさっき二階で寝てなかった?」
きっとエレベーターか何かで先回りしたに違いない。
「……は?」
アルハードはかわいそうなものを見るような目で私を見ている。
いつの間にか寝ていた夢だったのかな。
「ああ、そうだ、元の世界へ帰りたいですか?」
「帰りたいにきまってるでしょ」
「そうですか、少しの間なら――――」
私は意識を失った。
「形子、起きなさい」
呼ぶ声がして、きょろきょろと周りを観ると作りかけの彫像があった。
「うーん……私寝ちゃってた!?」
明日までに仕上げないといけないのに。
「それはもう豚のようにグースカと」
「ひっどーい」
「期限は明日まで、お前なら今からやれば間に合いますよ」
「そうだよね! よーしやるぞー!!」
【ノーマルend...帰還】




