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ランドロス湿地帯攻略戦 2

ランドロス湿地帯攻略戦二話目となりますね。

ババルウとの会話が描かれる一話となります。

では本編へGO!

 俺の目の前にいる少し背の低いオーガこそ国王の息子である三男らしいのだが、姿勢は常に低く顔付きにもあまり圧を感じないし、何よりディラブと比べると正直に言えば弱く見える。

 多分弱いと思う。

 着ている服はすっかり泥だらけになってしまったが、元々は非常に小綺麗な服だったに違いないが、こんなところでなにをしているのだろうか。

 しかし、それ以上に俺のパーティーからくる視線、この「厄介ごとを持ち込んだ?」と言う視線が非常に痛い。

 俺が持ち込んだわけかじゃないので俺の所為みたいな気持ちにさせないで欲しい。


「ババルウさんだっけ? で? 結局何をしにこんな湿地帯まで?」

「えっと…」


 言い難そうにしている気がするが、やはり他人のしかも他種族に話せるような内容ではないのだろうか。

 ならばと思い俺はディラブに「任せる」と託し、後ろに一歩下がりディラブとババルウの会話をあえて聞かない様に離れる。

 周囲のモンスターへと警戒しつつディラブが会話を終えるまで待っていることにした。

 すると、十分ほどで戻ってきたディラブ。


「簡単に言えば後継者争いである試練の一環らしい。オーガの国王を就任するためには決められた日時までに候補者を護衛する人を雇わないといけないらしく。その護衛者を見つける為にこの湿地帯まで出てきたそうだ」

「厄介な取り決めだな。でも、どうしてその本人が行かなくちゃいけないんだ?」

「国王たるもの上に立つのなら人を見極める力も居るからの」

「なら私達が立候補しない? 誰でも良いのなら私達でも条件を満たせそうだし、それにそっちの方が国王に相談する上では簡単そうな気がする」


 それもそうなのだが、もしかしたらあの男はこの試練に割り込もうと考えている可能性は非常に高いのだ。

 しかし、それ以上にこのババルウという三男結構焦って行動しているみたいだ。

 意外と国王になるのに必死な面があるみたいだし、やる気はあるんだろうな。


「国王になりたいという維新表明だと見ても良いのか? それとも流されて? どっちだ?」

「何故気になる?」

「いや。やる気がないならやるべきじゃない。流されてやるような仕事じゃないしな」

「なら。ジャックが聞けばいい。流石にそこまでの警戒度では無いし、ジャック達の事は軽くではあるが話している」


 そういう事なら俺が話してもおかしくは無いだろうと思い、俺はババルウの前まで歩いていく。

 俺が近づいてくるのに対して怯えの表情を浮かべるババルウ、俺はしゃがみ込んでいるババルウに視線を合わせるようにしゃがみ込んでからしっかりと目を見る。


「ババルウだったな。どうして国王になりたい? 国王に興味を抱かないのなら、周囲に唆された程度なら止めた方が良い。そんな軽い気持ちで勤まる仕事じゃない。俺は国王になりたいと言った男の暴走を知っている。嫌々なら止めておいた方が良い」

「ぼ…僕は…僕は国王になりたい! 誰よりも優しくて皆を引っ張れる国王になりたいんです! 僕には不似合いだって分かっています…でも。やりたい! お父さんみたいに強くない。でも、赤鬼のオーガみたいに優しく強いオーガになりたい!」


 赤鬼のオーガは誰よりも優しく屈強なオーガだったと言われており、多くのオーガの為に戦ったと言われ、当時の国王を誰よりも支えた友人だったと。

 赤鬼のオーガはやはりオーガの中では有名な話のようだ。


「本当になりたいのか? 辛いことだってある。嫌な決断を迫られることだってある。優しさだけじゃ救えないことだってある。強さだけでもダメだ。強く。優しく。そして、信念をもって行わないといけない」

「…お父さんにも言われました。それが出来ないなら止めておけって…でも、なりたいんです! 理想だってかまわない! なりたい! どんな苦労にも耐え抜くって誓います!」

「なら俺達が手伝ってやる。俺達も国王に話があるんだ」

「え? お父さんに? なんでしょうか?」

「ナーガ政府の代理としてオーガの国王に相談したいことがある。取引をしよう。君が引き受けてくるれるならナーガ最強の十将軍の名において、そして()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


 ババルウは俺の事を知り同時に呆けたままでいると思ったら五秒後には驚きの声を上げた。

 どうやらディラブはあくまでも「自分の仲間」程度しか話さなかったようだ。


「ただ、君が国王になるのならそれなりの力がいる。それは分かるよな?」

「うん……お父さんは「お前には才能がある。努力しろ」ってよく言われたけど。頑張っても…頑張っても…」


 それもそうだろう。

 努力すれば叶うわけじゃないのだ。

 努力もキチンと正しく努力し続けることが大事なので合って、無意味な努力を続けても意味は無い。

 しかし、問題は其処ではないな。


「その試練と言うやつはいる行われるんだ? そして、詳しい内容は?」

「えっと…詳しい内容は父が協力者を連れてきた段階で教えてくれるのですが、日にちは一週間後です」

「どのみち先に会う方が先みたいだね。ならさっさとこの先に急がない? 地図を確認した限りだとどうやらそこまで難しいルートじゃないみたいだし」

「まあ、この戦闘能力が無い三男が此処まで来れるぐらいじゃしの」

「? モンスターは見ませんでしたよ。襲ってきませんでした」

「だろうな。この子は普通に強い。モンスターの中には才能見抜く奴もいる。潜在能力が高すぎるんだ。国王が言っていたとう才能があるというのはあながち嘘ではないわけだ」

「だな。だが、俺達が一緒に歩けばここから先は襲ってくる。この数だからな。警戒度数が一気に上がれば自然と襲ってくる。何よりモンスターが繁殖しているんだ。自然と襲ってくる可能性も上がる」


 青ざめるババルウ、落ち着いている俺達という対比が面白かった。

 ていうか、出なければ繁殖期な上ディフェンダーが必死になってモンスターを狩っている現状でここを超えることは出来ないだろう。

 この子、武器も無いんだもんな…そういう意味ではラッキーだったはずだ。

 モンスターが無駄にビビってくれたお陰だな。


「なら国王はこのババルウ君を後継者にしたいのかな?」

「だろうな。だが、なら融通させないのは何故だ?」

「ディラブ。分からないか? 頑固で融通が利かない正確なんだろう? 他の息子達と差別化を嫌がったんだ」

「だろうね。息子に自分の力で乗り越えてほしかった。でも、問題は別だよね。ねえ。ババルウ君。もしかして、この湿地帯になら協力者がいるんじゃないかって言われたんじゃない?」

「はい…兄たちに言われました」


 俺達一同は大きくため息を吐き出した。


「これは苦労するな…」

「分かっています。邪魔者を消そうとしたんですよね。でも、首都で一番強いのは兵団長達ですが、残念なことに試練には同席できないんです。街中で一番強い人達も金で兄たちが雇ってしまったんです」

「金の関係はこういう時は止めた方が良いな。いざとなったら裏切られる。こういう時は利害関係が一番良い。覚えておくと言い」

「じゃのう。それと、金は政府間通しの約束事でじゃ。するときは書類を通して証拠を残すと良いの」

「何の話? 今ここでやる事なの?」

「早く出発しないか? どのみちこの先襲われるなら一番危険なルートを通らないといけない」


 俺は疑問顔を作るとディラブは地図を出して俺達に見せてくれた。

 首都へとまっすぐに進む道の丁度ど真ん中にある大きな広場となっている場所を指さす。


「ここにはディフェンダーでも討伐に苦労しているモンスターのキング種が居座っている。遠回りも出来るがそうなると今日中の到着は難しい。すっかり時間を食ってしまったからな」

「そのモンスターのキング種を強引にでも突破するしかないという事か…」


 今日中には湿地帯を突破したいな。

どうでしたか?

ババルウを国王にする物語が赤鬼のオーガなのだと理解していただけたら幸いです。

では次は赤鬼のオーガ第二十五話でお会いしましょう!

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