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魔王に囚われて異世界から英雄(ヒーロー)を召喚した王女様。間違えてゲームのキャラを召喚してしまった。  作者: 宮森 英二
悲哀っ!! 正社員激闘編っ!!

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第61話 異世界転生継続中っ!! テレビの中の異世界って扱い分かんないよね

 

 「あははははははははははははっ!!」


 「い――――ひひひひひっ!! ひひ、ひ――腹苦しいっ!!」

 「あんた、あんた……。うぷぷぷぷ」


 「ひ――――っ!! ひひひひっ!! 何よそれっ!! ぶわはははははははっ!!」

 「ひ――――――っ!! ひひひっ!!」

 

 「あんた……。あんた」

 「あんた似合いすぎでしょっ!! あ――ははははははっ!!」

 

 「あは。あは。げほっ。げほげほっ!!」


 「もう博士――――」

 「笑い過ぎですよ――。もう」


 「いや、しかしねあんたっ!!」

 

 「ひひ。こっちは無断欠勤の事叱ってやろうと思ってたら」

 「なんか帰ってきたら女装して帰ってきてるんだからっ!!」


 「こんなの笑うでしょうよっ!! い――ひひひひっ!! ひひひひっ!!」

 「しかもどんだけ似合ってるって話よっ!! いや、長身の可愛い女の子ね――――っ!!」

 「あははは。その胸のはパット? あ――――ははははははっ!!


 「もう、まぁでもおかしいですよねぇ。なんか断りきれなくなって」

 「断りなさいよまったく」


 「あと無断欠勤じゃないですよ。行く前にしっかり目的は伝えたつもりですけど」

 「知らないわよそんな朝の事っ!! ってかあんた金庫から金持って行ったわねっ!!」


 「家電とか買おうとしたんですけど……。さっき言ったようについつい夢中になって」

 「買い忘れたと。なんとまぁ。でもライブ、か」

 

 「そうか。失伝した筈の文化を持ってたのねあんた……。そりゃあ逃げられないわよね」


 あれからなんとか研究所に戻ってきた。戻ってきてすぐ春美博士はかなりお冠だったけど。

 俺の姿を見て、なんかこう……。

 すごく驚いたようだ。それから事情を話したら凄く笑われてしまった。


 そりゃあ正規に雇ったテストパイロットが女装して帰ってきたら……。 まぁ、笑うだろう。

 塗ってる化粧とか落としてから来ようと思ったけど。

 そうなるとワンピースを着た中年の変態親父が誕生するだけなので止めておいた。

 そんな姿で外歩いて補導とかされたら困るし……。

 

 という訳でそんなこんなあってそのまま研究所に戻ってきたのだ。

 博士には凄い笑われてしまっているけど、まぁ無事帰ってこれて良かった良かった。


 「しかしまぁ……」

 「似合ってるじゃない」


 「いやぁ、可愛いわ。ふふ、清純派美少女って感じ?」

 「俺、男なんですか」

 

 「そうなんでしょうけどね。メイクでしっかり隠してるじゃない」

 「そうですね。いちおう男の骨格の筈なんですが、しっかり隠れてます」


 「まぁ戦中技術の蓄積でそういうのは結構得意だしね今」

 「再生薬の不具合で顔が違う。なんて事も多かったみたいだし」

 「そういった意味で、男性の顔を女性らしくする。なんてメイク術も発展したみたいよ」


 「そうなんですかぁ。つまり怪我の功名ってやつですか」

 「そんなところね。でもあんた、その姿中々可愛いらしいじゃない」


 「あら。お気に入りですか? ではこの姿で耳かきでもしましょうか?」


 なーんて。あははっ!!

 

 「…………………………」


 あれ?


 「うん」


 あら……?


 「やって」


 え?


 「何やってるの。やるんじゃないの? やりなさいよ」


 あら。

 

 あら――――。



 ◇ ◇ ◇


 

 「うふふふ。気持ち良いですか? 博士」

 「キモっ。あんた声まで弄ったの?」


 「いえ、昔のちょっとしたお遊びで出来るようになったんですよ」

 「ふん。ライブの件だったり。あんた意外と色々出来るのね」


 「まぁ、それなりに長い事生きていますから」

 「な――にが。青二才の癖に」


 「ふふふ。そうですねぇ」


 なんか帰って早々、女装したまま博士の頭を膝に乗せて耳かきしている。

 これなんてプレイ? でも博士は楽しそうだ。

 俺の顔をじっと見ている。京子の事、気に入った?

 

 俺の妹なのよ――。お淑やかに見えるけど、結構お転婆だったりしたのだ。

 まぁ、今は居ないんだけどね。全ては思い出の中に――。なんて。


 「…………………………」


 博士が無言のままこっちをじっと見ている。

 お母さん、京子に似てたのかな? それともただ綺麗だから見てるだけ?

 中身は俺。まぁ見た感じ京子だからそれはそれで良いけど。


 「ママ……」

 「うふふ、ママですよ――」


 「はっ!? 何言ってるのよこの変態っ!! 死ねっ!!」


 ええ……。自分で言ったのに。もしかして無意識だった?

 まぁ、そういう事ってあるよね。博士はママっ子だったみたいだし。


 ふと零してしまった言葉なのだとしたら黙っておいてあげるべきだったかな。

 でもこのお美しい京子姿でママさんプレイしてあげても良いのよ? おほほほほ――。


 なんてさ、あははっ!


 「………………………………」

 

 「はい博士。次は反対側を」

 「は? 違うでしょ?」


 うん?


 「春美ちゃん、次は反対側をやるわよ」

 

 「でしょ?」


 あら。

 

 あらあら。


 「ふふふ、そうね。はい春美ちゃん。次は反対側をやりましょうね」

 「うんっ!! ママっ!! じゃなかった……。ほら、早くやりなさいよねっ!!」


 「はいはい、今やってあげますからね。春美ちゃんは良い子ね~っ!!」

 「う、うるさいっ!! つべこべ言わずやりなさいっ!!」

 

 「はいはい。良い子にしててね~。春美ちゃ~ん♪」


 あはははははっ!! これはちょっとしたママさんプレイか~?

 テストパイロットにこんな事させて大丈夫ですか~~。博士~~。あははははっ!!


 まぁなんか需要あるみたいだし、しばらくやってあげよう。

 昔はこうやって妹の耳かきをしてあげたっけ。

 

 今はその妹の姿で雇い主の女の子膝に乗せて、耳かきしてるんだから人生分からないもんだ。

 俺何やってんだろ。ふふふ。


 でもまぁ、博士も楽しそうだししばらく続けていっかっ!!


 「春美ちゃん。耳かき気持ち良――い?」

 「うん、気持ち良いよ――。ママぁ」


 あらあら。


 博士はノリノリだ……。それなら。

 それなら、沢山やってあげないとねっ!!



 ◇ ◇ ◇


 

 「ううぅん。ママぁ……」


 博士はそのまま寝てしまった。俺の膝の上で眠ったまま母親の夢を見ているようだ。

 もう5時間はこうしているだろうか。博士は相変わらずスヤスヤと寝ている。

 恐らくずっと寝不足だったからだろう。随分と寝つきが良い。ここ最近の博士はよく寝ていると思う。

 

 良い事だと思う。寝る子は育つ。あとは沢山食べないとね、ご飯っ!!

 そういえば博士、食事は取ったのだろうか。あ、そうだ弁当を買ってきたんだったんだ。

 弁当5つ。あれ? 2つで十分なのになんで5つも買ってきたんだ?


 5つ……。 5つ……。 誰と、食べる……?

 

 「ああああああああああああああああああ――――っ!!」

 「ぎゃあっ!! な、なによっ!!」


 「わ、忘れてたっ!!」

 「あん? なんだって?」


 「アニエスさん達の事っ!!」


 「アニエス……。ああ、あのゲームの」

 「そ、そうですよっ!! すっかり忘れてた……」


 「なによ。あんたゲームしたいの?」

 「え、ああ……。ゲーム、と言いますか……」


 そうだ博士はあそこの事をゲームと思ってるんだった。

 えっと。なんて伝えようか。


 「えっと、今何時だっけ? うわっ!! もう11時じゃないっ!!」


 11時。確かにもうこんな時間か。う――む。昼夜逆転生活は良くないぞ。


 「なに? あんたゲームしたいの? ふーんなら付き合ってあげるけど」

 「博士」


 「なに? やるなら早く」

 「今日はもう寝ましょうか。夜遅いですし」


 「はぁっ!? 何いってるのこのダボがっ!! そこはゲームするって言いなさいよっ!!」

 「いやぁ、もう11時ですし子供は寝る時間ですよ?」


 「うっさいんじゃダボっ!! やるって言ったらやるのよっ!!」

 「ウォーカーのテストもしないといけないでしょっ!! ウォーカーのっ!!」


 ウォーカーのテスト? どういう事だ?


 「あんたあのソフト何処に隠したのよっ!!」

 「やろうと思ってテレビ付けても何にも出てこなかったわよっ!!」


 「え、何も映りませんでした?」


 「何も映らなかったっ!! 起動テストに使おうと思ったのに。まったくもう……」

 「テスト用の機械獣も全部壊しちゃったでしょっ!!」

 「だからあそこは丁度良いシミュレーターだったのに」


 「ともかくほらっ!! テストするわよっ!! せっかく設定直してやったんだからっ!!」

 「早くっ!! ゲームしなさいっ!!」


 ゲーム。もしかしてあの空間は俺が居る所にしか現れないのか?

 だから博士がテレビを付けても何も映らなかった。俺だけが起動できる異世界って事?

 ふむぅ……。本当どういう事だろう。


 「ともかくっ!!」


 「ゲーム、するわよっ!!」


 ゲーム、か。


 ああ。


 「そうですね博士」


 「ゲーム、しましょうか」


 「うんっ!!」


 「じゃあウォーカー早く持ってきなさいっ!! テストプレイするわよ」

 「は――い」


 ゲーム。そうゲームで良い……。博士に妙な事を押し付けないさ。

 ともかくあちらの事情とかも色々聞いておかないと。

 しかし少し間が空いてからのゲームプレイだ。2人とも、怒ってないと良いけどなあ。

 

 そうして俺達は巨大スクリーンがある会議室に移動した。

 スクリーンの真ん前にウォーカーを置いて、転送の準備をする。

 

 お弁当も一緒に持ってきた。1日ぶりの交流だし、もしかしたらお腹空いてるかもしれない。

 心配だ。みんな女の子だしなぁ。ともかくお弁当でも食べながらゆっくり話をしよう。

 魔王を倒せ。なんて妙ちきりんな目標もあるし、その辺の事も色々聞いておかないと。

 魔王。とは随分安直な存在だけど、つまり何がどうなってるんだって話。


 そういえばもう1人知り合いが増えたっけ。名前は……。

 うん、忘れたっ!! まぁもう一度聞いてみれば良いさ。

 しかし、最近は色々忙しくなって中々昼間ゲーム出来る時間が無いな。


 恐らく俺を異世界に召喚した人も俺の自堕落さを買って召喚したのだと思うし。

 ちょっと忙しくなり始めてる俺を見て、がっかりしてるかもしれない。


 ゲームの中の異世界。正直誰かに引き継げるのならそうしたいが。

 だが現状、そうも言ってられないようだ。


 ともかくだ。


 まずは皆でお弁当でも食べながら、今後について色々話すとしよう。

 さぁ、そう言う訳でこんにちは異世界さん。


 今日は、どんな事をしようかな。


 「うん?」


 「ねぇあんた」


 「あ、はいなんですか?」


 「ちょっと、ゲームの中のNPC」

 「ああ、はい」


 「なんか、凄い増えてない?」


 ええ?


 ウォーカーに乗って異世界に転送する最中、博士が妙な事を言う。

 人が増えている? 一体どういう事だろう。


 俺は乗り込んでいたウォーカーから一旦降りて、スクリーンの中のゲーム画面を確認した。

 そこで見たものは……。


 「え……?」


 なんか。


 べらぼうに人、増えてるんですけど……。

 なんか鎧を着た兵士が居たり、ちょっと視点を変えるとアンデールの外にはテントが。

 灯火女さんに至っては……。なんか、護衛されてる?


 これは……。この状況は……。


 えっと。


 弁当の……。


 弁当の追加、必要かなぁ。


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