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魔王に囚われて異世界から英雄(ヒーロー)を召喚した王女様。間違えてゲームのキャラを召喚してしまった。  作者: 昭和おじさん
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第14話 へぇっ!? 16歳? 若いねぇ。俺が16歳の頃って何してたかなぁ


 「てぇええええやぁあああああああっ!! とぅわぁあああああああああっ!!」

 「おいニートっ!! なんだよこの女はっ!! 近所迷惑だろっ!!」


 「いやぁご近所さん近くに居ないしねぇ」

 「だからって変な女を連れてくるなよっ!! なんだあの女変態かっ!?」


 「軍人さんの女の子なんだって。訓練場使えないからって3千円で空き地使ってるんだよ」

 「3千円かぁ。お前の月収と同じじゃんwww」


 「ははは、そうだねぇ」


 そんな訳で柊智代ひいらぎ ともよさん 

 16歳……。16歳っ!! がウチに訓練目的でやってくるようになった。

 もう5日ここに来ているが、その間ずっと大声を上げながら丸太を剣で傷つけている。

 それも一日中。若いってのもあるだろうが、なんとも体力のあるお嬢さんだと思う。


 「16歳の軍人とは世も末だな。でも一応仕事してるしお前よりずっとマシだけどなクソニートっ!!」

 「あはは、そうだねぇ」


 「笑ってんじゃねぇ働けニートっ!!」


 あら言われちゃった。あはは、しかし16歳でもう働いているとは偉い子だ。

 俺なんて気が付いたらもうニートだったからなぁ。


 「そろそろ昼か。仕方ねぇ飯でも作ってやるか。炒飯作るわ」

 「炒飯じゃなくてパンケーキとか作らない?」

 「クソニートがいっちょ前にリクエストしてんじゃねえぞっ!!」


 今日の昼食はパンケーキだっ!! 言ってみるもんだなぁお洒落昼食だっ!!


 「わぁパンケーキだお洒落ですね――」


 智代さんも同じ結論に至ったらしい。共にたかしくんのパンケーキを食べながらまったりする。

 たかしくんはなんだかんだ言って優しいので作ってくれた。たかしくんありがとー。


 「急いで家に帰って材料持ってきたわ。まぁこんなのでも貴重な客だからなぁ」

 「なんかすいませんたかしさん。色々お世話になってしまって」

 「年上が年下にさんなんて付けるなよ……」


 「たかしさん、夕食用のお米も研いでくれてありがとうね」

 「クソニートっ!! お前もやめろっ!!」


 紙皿の上にパンケーキを入れて、床に置いて食べる。

 残念ながらウチに机は無い。なんか邪魔だしいらないかなって思ったけど。

 こんな若い子が来てるんなら、おもてなしの為に机くらい用意する必要あるかもなぁ。


 「相変わらず床で直食いかよ。客来てるんだから机くらい買えっ!!」

 「お金ないしねぇ」


 まぁ必要か考えるまでもなくお金なんてないけどっ!!

 今現在の残金はいくらだっけ? えっと――。あ、6円。はえぇえええ――。

 

 「パンケーキ美味しいですねっ!!」

 「だねぇ、ありがとうたかしさんっ!!」

 「だからさん付けはやめろつってんだろっ!!」


 そうして昼食を食べ、彼女は再び訓練を開始した。


 「なぁ、16歳」

 「ああ、たかしさん。何ですか?」


 剣で丸太を切る作業に戻る智代さん。そんな彼女にたかしくんが目を細めながら訪ねた。


 「あんた、なんでこんな事してんの?」

 「みんなを守るためですよ。必要ですから」

 

 「必要、ね。でも今は軍縮傾向なんだろ?」

 「そうですね。私達みたいなのは必要なくなるのかもしれません」


 「なら」

 「それでも」


 「私は頑張りたいと思ってます」


 無心に訓練を続ける彼女。そんな彼女の姿に何も言えず。たかしくんは黙ってこちらをじっと見た。


 「こんなの守って何になるって言うんだかな」


 そうだね。でも世の中もっとしっかりした人とか居るから。


 「ニートさんはとても良い人ですよ。そんな事言っちゃ駄目ですよ」


 あら。ありがとう。


 「ふん」


 ぷいっと顔を背けたかしくん。その動作は実に小学生らしい。

 たかしくんはしばらく考えるような表情を見せた後、腰かけた縁側から降りて立ち上がった。

 

 「俺もう行くわ。16歳がうるさくてゲーム出来そうにないし」

 「あら、そうなんですか? お邪魔しちゃいました?」


 「なんでも良いよ。ともかく訓練でもなんでもしてこいつの財布を潤わせるんだな」

 「で、ニートいくら溜まったよ」


  たかしくんは俺の財布。代わりに使っている小さな袋を俺のポケットから取り出して残金を数えた。


 「6円しかねぇっ!! なんでだよっ!!」

 「いやぁ、ははは。おもてなしに使っちゃって」

 「計算出来ねぇのかこのニートはっ!! ちょっと待ってろっ!!」


 その後たかしくんは怒りながら自宅から残り物の総菜を持ってきてくれた。


 「金貯めろ金っ!! なんで全部もてなしに使うんだよっ!! お前は江戸時代の町人かっ!!」


 宵越しの金は持たないってやつ? ふふふ。そうかもしれないなぁ。

 たかしくんはプンプンと怒りながら家から出ていった。

 そうしてたかしくんが帰ってから彼女と俺の時間が始まる。


 始まると言っても、彼女は訓練。俺はゲームを……。

 しようと思ったけど朝、武器無しで歩くのは危険だし止めた。

 なので家の中で彼女の声を聞きながら畳の上で昼寝する。


 流石に深夜まで居るのは危険だと言う事で夕方6時に帰るように彼女に言い聞かせた。

 結果早朝4時から来るようになったけど、まぁしょうがない。


 彼女の大声が聞こえる。熱心に訓練しているようだ。

 

 「あの、ニートさん」

 「あら、なんだい智代さん」


 「そのニートさんは……。寂しくないんですか?」

 「うん?」


 少し声のトーンが低い。言い難い事、聞こうとしてる?


 「こんな所にお一人で……。甥っ子くんも、優しいですけど……。あまり尊敬されているとは」

 

 たかしくんの態度を見て、彼女も思う所があったらしい。

 でも、あれで結構気を使ってくれているのよ?


 「たかしくんは良い子だよ」

 「そう、ですけど……。年長の方にあんな言葉」


 「それでも俺の事を気にかけて来てくれる。まぁ就職しないで遊んでばっかりいる俺も悪いんだよ」

 「どうして就職なさらないんですか?」


 あらま、答えにくい言葉を。


 「さぁ、なんとなく。働くのって好きじゃないのよね」


 純粋にそう思う。人付き合い苦手だし、こうやってのんびり暮らしてる方が俺には合ってると思う。


 「そうなんですか……。でもニートさんはまだお若いですし、バイトとか」

 「36歳はもう若くないよぉ。履歴書も真っ白だし、色々難しいかもねぇ」


 「そうですかぁ? まだまだ十分お若く見えますが。20代と言われても違和感がありませんよっ!?」


 なんか化粧品のCMみたいな言葉だなぁ。ふふふ。

 しかしまぁあまり家の外出ないしねぇ。たまに自転車でお散歩するくらいだから。

 

 「ともかく、あまりこの生活を崩すつもりはないんだよね」

 「甥っ子さんに酷い事言われてもですか?」


 「君も罵倒してくれても構わないんだよ? 俺みたいなのはそういう風に扱われてこその社会だから」

 「そんな事はしませんよ」


 そうかい? ふふふ、ありがとう。


 「なんか……」

 「うん?」


 「色々と聞いて、すみません」

 

 「良いんだよ。若い子はなんでも聞くもんさ。でも俺みたいなのからはあまり吸収しちゃいけないよ」

 「もっとしっかりした人達の言葉を聞いて、しっかり生きた人の言葉を聞こう。俺はもう誰に何も言える立場じゃないから」


 「ニートさんは良い人ですよ。貴方だってしっかり生きた人です」

 「それでも」


 「もっと立派な人達の言葉を聞いた方が良い。俺みたいになっちゃ駄目だよ。ここには訓練の為に立ち寄っている。それだけで良いんだよ」


 うわっ。若者に説教臭い事言ってるっ!! いやだなぁ俺、そういう年になったか。

 駄目駄目。俺みたいなのは誰にも何も言える立場じゃないんだから。

 無駄に年だけ取ってさぁ。本当見苦しい。おほほほほ。


 「吸収するのが駄目なら色々お話するくらいは良いですか?」

 「良いよ。と言ってもロクな人生経験ないからロクな事出てこないよ」


 「私もロクな経験詰んでませんから一緒ですよっ!!」

 「そうかもね。でも君はしっかり就職してるし、これからはどんどん置いてかれちゃうよ」


 「それなら私の積み立てを分けてあげますっ!! 一緒に大人になりましょうっ!!」


 あはは、一緒に大人に、か。


 面白い事言う子だなぁ。


 

 ◇ ◇ ◇

 


 「ごちそうさまでしたっ!! じゃあそろそろ帰りますっ!!」

 「うん、また来なさい。来なくても良いけど」


 「また来ますっ!! それではまた明日っ!!」


 あら明日か。彼女暇なのかなぁ。でも1日3千円出せるって事はそれだけ貰ってるって事?

 まぁあまり深く詮索はしないさ。


 ともかく彼女は夕食を食べた後出て行った。

 最近は億劫だけど炊飯器に米を入れて、炊いた米を食べている。

 流石に若い子に生米食べさせる訳にもいかないし、今日は焼肉を買ってきたから一緒に焼肉を食べた。


 沢山運動したから沢山食べる必要があると思った。

 そして彼女は沢山食べる事が出来るのだ。そりゃあもう焼肉バクバクと。

 俺の分も食べちゃうくらい。いやぁ、やっぱり若い子って凄いねぇ。


 若い若い16歳の女の子。俺が16歳の頃って何してたかなぁ。なんて考える。

 俺が若い頃は……。


 「ニートさんっ!!」

 「うん?」


 「ありがとう、ご飯美味しかったですっ!!」

 「それじゃあまた明日っ!!」


 それだけ言いに戻ってきたらしい。なんというか、青春って感じがする。

 でも出来る事ならもっと若い子同士で青春を謳歌すればなーっては思う。

 軍人さんだし、学校行ってないのかな?


 そうして一人残された家で考える。まぁ考えたってしょうがないか。

 さて、これからどうしようかな――。


 ゲームをしようにも武器は無い。武器なしであの世界は歩けない。武器、欲しいんだけどなぁ。

 武器。武器……。


 武器?


 そういえば、あの丸太の形……。


 目線の先には彼女が剣術の訓練の際使っている丸太があった。

 いやもう丸太とは言えないだろう。表面は削られ、細くなりそれはつららのような形になって……。


 これ。


 武器として認識されないかな。



 ◇ ◇ ◇

 


 されたっ!! 武器として認識されたっ!! ビッグクラブだってっ!! うぉおおおおおおーっ!!


 5日ぶりのゲーム起動。俺はゲームに丸太を吸わせ武器として使えるか試してみた。

 そうしたらっ!! 丸太はしっかり大槌武器。ビッグクラブとして認識されたっ!! 

 やったやったっ!! さっそく振ってみよう。

 あれ? 動きが遅い……? あ、しまったっ!! 筋力補正かっ!!

 ビッククラブの筋力補正は……。22。 今の筋力が10だから……。


 全然足りないっ!! 装備出来ないっ!! いや出来るけど力不足で上手く振れないんだ。

 こんな事ありぃ……?。ああ、装備可能武器の事なんて考えてなかった。

 あのままロングソードを使えると思ってたから持久力に振っちゃったし。

 ビックグラブ……。これがただクラブだったら装備出来そうなんだけど……。


 ん、待てよ?

 俺はテレビからビッククラブを取り出し削られたその細い部分を折ってテレビに入れた。


 「やったっ!! クラブになったっ!!」


 そうした事で無事ゲームの中で認識された。ビッグクラブのビッグが抜けてクラブ。つ

 まりこん棒になった。筋力補正も10。うんうん、丁度装備出来る。


 いやぁ、やっぱり工夫だねっ!! ゲームは工夫次第でどうにでもなるっ!!

 でも今は夜。外に出てもモンスターは居ないんだよなぁ。


 さて、どうするか。うん?


 あれ? なんか、人居ない?


 なんか、こう。


 ガリガリの……。あ、亡者?


 ガリガリのNPCがそこに居た。相手は2人。2人はこちらを見て。

 なんか、凄く怯えていた。

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