第1話 今日は好きなゲームの購入日っ!!(発売日ではない)
俺はニート。36歳。高校を卒業してからすぐニートになってもう何年にもなる。
姉は既に結婚し甥っ子も存在する。
甥っ子は俺を見るなり言う。うわっ!! ニートだっ!! なんて言う。
しかし俺はそんな時返すのだ。
「たかしくんっ!! 今日も一緒にゲームしようよっ!!」
っと。そうして俺はたかしくんとゲームをする。
スマプラとかモルハンとかしたりする。ニートの自分には一緒に出来る友達は大変貴重だ。
そんなたかしくんだが最近は。
「ジジイ、俺が将来会社とか経営したら掃除係とかで使ってやるから心配すんな……」
とか言って心配してくれる。たかしくんはとてもいい奴だ。
でも俺はこのままずっとゲームをしながら、たまに自転車で散歩したりして過ごしたいなぁ。
そんな俺はいま街のゲームショップに自転車で向かっている。
そう、今日は。
大人気ゲーム。ブラックソウル5を買う日なのだっ!!
シリーズの初期からのファンでもうずっとやってるっ!!
その最新シリーズが出たと聞いて月3000円のお小遣いを貯めながら中古2500円にまで値崩れしたそのゲームをやっと買えるのだっ!! プレプレ5もたかしくんに借りたっ!!
たかしくんはいまウィンチ2に夢中なので使わないプレプレ5を遊び放題なのだっ!!
やったぜっ!! っという訳でブラックソウル5を購入する為ゲームショップに向かう。
そうしてゲームショップに辿り着き、中古ソフト売り場からゲームを購入する。
「はい。では2540円です」
40円足りない。ここは一旦家に帰るか。
「あ、茂山んところのニート野郎だ」
ん、この声は。
あ、彼はたかしくんの友達の結城くんじゃないかっ!!
「ああ、結城くん良いところに。40円貸して」
「40円? まぁ40円くらいあげるよ」
「そうなのかい? いやぁ助かるっ!!」
「なぁニートのジジイ、あんたもいい年なんだから……。いやいっか」
結城くんが何か言おうとして止めた。
言わんとしてる事は分かる。だがまぁ今は気持ちよくゲームを買わせてくれ。
「ところで何買うのジジイ? ブラックソウル5? まーた古いの買ってる。出たの1年前じゃん」
「うん? 結城君はこのゲーム持ってるのかい?」
「持ってたけどクリアしてとっくに売ったよ。相変わらず古いの買ってるなぁ」
「旬が過ぎても僕にとっては最新ゲームなんだよ結城くん。ああ、ところで」
「分からないところあったら聞いていい?」
僕の家にネット環境は無かった。だからゲームの攻略情報は彼ら頼りなのだ。
「うん? ああ、良いけどでもそのゲーム……」
「あは、まぁいっかっ!!」
「ああ、良いよっ!! 教えてやんよっ!!」
「出来たら、だけど」
「うん?」
なんだか含みのある結城くんのセリフ。
ともかく念願のブラックソウル5を手に入れたぞっ!!
さっそく家に帰ってやろうっ!!
そうして家に着いた。家賃1万円の庭付き木造一軒家。
風呂無しトイレ無し。ネット環境無し。ちょっとボロくてインフラが未満だが、一軒家なのだ。
親戚からの好意で両親が借りてる僕の城だ。
両親曰く。対面が悪いから一人暮らししろ。
とのことで、この風呂無しトイレ無しのオンボロ木造家屋で一人暮らししている。
風呂はともかくとしてトイレはどうしてるか?
っという話ならトイレは外にボットントイレが置いてある。
たかしくん曰く。「いつの時代だよ……。こんな生活するくらいなら働けニートっ!!」
っと言っている。ちなみに風呂はドラム缶に水を入れて薪を入れて沸かす。
たかしくん曰く。「これはこれで……。でもこんな生活するくらいなら働けっ!!」って言っている。
たかしくんは叔父想いの良い子なのだ。
「よし、じゃあゲームするかっ!!」
そうして僕はゲームをするべく家に入る。
中央居間の畳部屋にデンと置いてあるたかしくん家から貰った古い大型テレビ。
その電源を入れゲーム機のスイッチをオン。それから本命。ゲームのディスクを挿入する。
おお、これよこれっ!! 最近はDLとかもあるらしいが。
毎日100円のお小遣い。つまり月3000円で娯楽費用をやりくりしてる自分には色々とキツイ。
だからクリアした後売れる現物ゲームは大変貴重なのだ。
おっとそんな事よりゲームだゲーム。ブラックソウル5。さてさてどんな内容なのやら。
ん? なんだかゲーム画面に不穏な言葉が。
えっと。全部ひらがな? 書かれてる言葉はぁ――。
おねがい ゆうしゃよ まおうをたおし、せかいをすくって。
だって? おお、今回は王道勇者ものなのか?
俺の若い頃はドラケンクエストとか流行ってたもんだ。そっち路線で行くのかな。
よしよし。
ならいっちょ、世界を救ってやるとしますかっ!!
うおまぶしっ!! ゲーム画面が急に光り出した。
こういう演出はポッケモンのフラッシュ事件から禁止になったんじゃなかったか?
あ、止んだようだ。このゲーム回収騒動とか無かったのかな? 心配だ。
だがまぁプレイ出来るようになったし、いっか。
さてさて、最初の場面はっと。っていうかアレ? キャラクリは出来ないのか?
武器も持っていないようだが……。あと裸。まぁ流石にパンツ腰布一枚履いてるが。
ともかく森を進んでみよう。
森を進んで。ん? アレはスライムか? おお、最初の敵はスライムっ!!
ますますドラケンクエストみたいじゃないかぁ。
良いね良いね、よし戦おうっ!!
武器は無し。体力ゲージは幸いあるな。魔法ゲージも。
ともかく殴りだ殴りっ!! 体力を見つつ、殴りながら相手の体力を削り……。
ってあれ? スライムがキャラの手に絡みつきながら顔に移動してる。
これは、これはつまり……。
フィニッシュ・ムーブっ!!
なんてこった、このスライム即死攻撃持ちかっ!! ああ、顔に張り付かれて、これじゃ空気が……。
す、凄い勢いで体力が無くなっていくぞっ!!あ、あ。これは……。
ああ、死んでしまった。
リスポーン地点に逆戻りだ。あーあ――。
初手でスライム一匹にすら勝てないとは。これはこれは……。
面白く、なりそうだなっ!!




